愛され女は、秘されたギフトを惜しまない

月山 歩

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11.王妃との交渉

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 数日後、レイモンドに王妃から呼び出しがあった。
 カーティア男爵と共に王宮に来るようにとのことだ。

 すぐに二人で王宮の王妃の元を訪れた。

「二人共、早速来たわね。
 座ってちょうだい。
 これは秘密のお茶会だから、くれぐれもここでの話は秘密厳守で。」

 そう言って、お茶を出し終わった侍女達を人払いし、応接室には三人だけとなる。

 二人は静かに頷いた。

「男爵、話は聞いたわ。
 娘が誘拐未遂に遭うとは。
 今回は大変だったわね。」

「はい、しかし、未遂に終わったため、安堵しております。」

「それが未遂に終わったのは、レイモンドが関わっているとか。」

 女王は抜け目ない眼差しをレイモンドに向けた。

「はい、その通りです。」

 レイモンドは私兵をアリスにつけていたことを認めた。

「なるほどね。
 どうりで、以前から、どんなに美しい他の国の姫や貴族の子女達を勧めても一向になびかず、王に男爵令嬢との結婚を希望していたのは、こう言うことだったのね。
 アリスのギフトを知っていたから。」

 そう言って、王妃は嘘は許さないと真っ直ぐ視線をとらえ、レイモンドを見つめる。

「もう、ご存知でしたか。」

 王妃にかかれば、真実を突き止めるのは、たやすいのだ。

「スレバンが手荒なやり方を選んだからには、何かあると思うわよ。
 あなたは人知れず、ギフト持ちのアリスにずっと目をつけていた。
 食えない男よね。」

「王妃様、一部分は違います。
 ギフトがあったから、アリスをこちらに取り込もうとしていたわけではありません。
 幼い頃から、アリスが好きだからです。

 ギフトを隠していたのは、アリスが今回のことのように、事件に巻き込まれるのを危惧していたからです。
 それは男爵も一緒です。」

 そう言うと男爵も頷いた。

「どちらにせよ、今回のことでアリスのギフトは皆の知るところになりました。

 今後も狙われる可能性はあります。
 よって私の庇護の元に置きましょう。

 そうすれば、あなたとの結婚も許可します。
 それでいいかしら?」

 一見するとアリスを守り、結婚もできると言うことのように聞こえるが、アリスのギフトを王家が享受することになる。

 アリスのギフトはいずれこのようになることは避けられない。

 レイモンドと男爵は受け入れるしかなかった。

「わかりました。」

「ものわかりのいいこと。
 では男爵、早速三日後にアリスを私のお茶会に招待するわ。」

「はい。」

 こうしてアリスの運命は決まった。
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