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10.王妃からの呼び出し
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王宮での執務が終わると、王妃に呼び出された。
周りが何ごとかと、僕を見る。
僕は目立たないでいることが、モットーの人間だった。
でも、いまは無理だ。
ユリウス王子が邸にいるため、様子を聞きたがる王妃にしょっちゅう呼び出され、もはや影薄く、働くなんて今のナイジェルには、完全に無理な話だった。
「来たわね。
あの子は元気でやってる?」
「はい、勉強もしてますし、王妃様の返答次第では、王宮に戻ると思います。」
「でも、中々下の子の勉強が捗らないのよ。
ユリウスがやっているぐらいやらせるなんて、とても、とても。」
「それならユリウス王子の勉強量を減らしてください。
将来ユリウス王子が王位を放棄して、他の王子が王に立たれるかもしれないんですよ。
そしたら、極端に勉強が少ない王子が国のトップに立つ。
家臣達はできない王子が王についたと、騒ぎ立て、王家の求心力も低下する。
そうならないためにも、王子同士の平等性は後々災いが起きないようにするためにも大切です。」
「わかっているわ。
あなたも堂々と私に正しいことを言うのね。
あなた達夫婦はピッタリだわ。」
「すみません。
言い過ぎました。」
「いいのよ。
最近は私の機嫌を取るばっかりで、王子達のことを一番に考えて、意見を言ってくれる人がいないの。
これからも、あなた達にユリウスをサポートしてほしいわ。
この前、夫人もユリウスのことを思って発言する強さを感じたわ。
私が覚えておくと言っても、彼女はひるまなかった。
実は私あの時嬉しかったのよ。
ユリウスの味方をしてくれる人が、できたって。
上に立つ者は、若い時から、孤独なのよ。
周りは、自分が少しでも有利になることを考えて、波風立てないようにする人ばかり。
でも、あなた達は違うわ。
ユリウスのことを大切に思って、意見してくる。
ユリウスをこれからも頼むわね。
こちらは、調整にもう少しかかるけど、ユリウスが納得して戻るようにするから。」
ナイジェルは帰りの馬車の中で思う。
僕は今まで、王妃に物申すような人間ではなかった。
ずっと僕こそ波風立てず、目立たないように生きて来た。
それが今では、コーデリアに負けないくらい王妃様にも、発言している。
でも、今の自分は嫌いじゃない。
大概に酷いとは自覚しているけれど。
「ただ今。」
「おかえり。」
コーデリアとユリウス王子は挨拶さえ、ハモる。
もう僕達すっかり家族だね。
「今日は二人で何してた?」
二人はくすくす笑いながら、顔を見合わせている。
その顔も可愛いんだが。
「今日はね、王都に二人で買い物に行ったの。
そしたら、おばあさんの持っていたバックをひったくって、逃げようとする人がいたんだけどね、捕まえてって叫んだら、親切な人が、追いかけて、捕まえてくれたの。
でも、その人はバックを取り返して、悪い人を捕まえるとすぐいなくなっちゃってね。
その後、おばあさんが不安そうにしてたから、私達が家まで馬車で送ってあげたの。」
「そうか。
今日も良いことしたんだね」
僕が頭を撫でると、コーデリアは嬉しそうにしているが、ユリウス王子は、僕をチラチラ見る。
うん、わかっているよ。
二人についてる影が、犯人を捕まえたんだね。
本来ならば、影が、護衛対象から離れることはない。
それで、他人に不利益があるとしても。
だか、今回は二人共に影がついてるから、影が渋滞していて、一人ぐらい抜けたとしても、大丈夫と判断したのだろう。
どうりで、僕が呼ばれないはずだよ。
自分達で解決できるほど、たくさんの大人が二人を守っている。
それにしても、ユリウス王子は努力家で、聡明だ。
僕がコーデリアに影をつけているけど、本人は気づいてないから、あえて、コーデリアに言わない判断を、彼自身が考えてしている。
僕はそのことを、王子に話していないから、二人の話や関係性から、自分で導き出したのだろう。
物事を荒立てず、考えて行動できる彼は、いずれ、素晴らしい王になる素質がある。
でも、君はまだ少年だから、ここで優しい母のようなコーデリアに守られて、ゆっくり大人になればいい。
アレっ、てことは、僕いつの間にかお父さん役?
コーデリアといることで、僕は少しずつ人間性や役割さえも変わっていっていた。
周りが何ごとかと、僕を見る。
僕は目立たないでいることが、モットーの人間だった。
でも、いまは無理だ。
ユリウス王子が邸にいるため、様子を聞きたがる王妃にしょっちゅう呼び出され、もはや影薄く、働くなんて今のナイジェルには、完全に無理な話だった。
「来たわね。
あの子は元気でやってる?」
「はい、勉強もしてますし、王妃様の返答次第では、王宮に戻ると思います。」
「でも、中々下の子の勉強が捗らないのよ。
ユリウスがやっているぐらいやらせるなんて、とても、とても。」
「それならユリウス王子の勉強量を減らしてください。
将来ユリウス王子が王位を放棄して、他の王子が王に立たれるかもしれないんですよ。
そしたら、極端に勉強が少ない王子が国のトップに立つ。
家臣達はできない王子が王についたと、騒ぎ立て、王家の求心力も低下する。
そうならないためにも、王子同士の平等性は後々災いが起きないようにするためにも大切です。」
「わかっているわ。
あなたも堂々と私に正しいことを言うのね。
あなた達夫婦はピッタリだわ。」
「すみません。
言い過ぎました。」
「いいのよ。
最近は私の機嫌を取るばっかりで、王子達のことを一番に考えて、意見を言ってくれる人がいないの。
これからも、あなた達にユリウスをサポートしてほしいわ。
この前、夫人もユリウスのことを思って発言する強さを感じたわ。
私が覚えておくと言っても、彼女はひるまなかった。
実は私あの時嬉しかったのよ。
ユリウスの味方をしてくれる人が、できたって。
上に立つ者は、若い時から、孤独なのよ。
周りは、自分が少しでも有利になることを考えて、波風立てないようにする人ばかり。
でも、あなた達は違うわ。
ユリウスのことを大切に思って、意見してくる。
ユリウスをこれからも頼むわね。
こちらは、調整にもう少しかかるけど、ユリウスが納得して戻るようにするから。」
ナイジェルは帰りの馬車の中で思う。
僕は今まで、王妃に物申すような人間ではなかった。
ずっと僕こそ波風立てず、目立たないように生きて来た。
それが今では、コーデリアに負けないくらい王妃様にも、発言している。
でも、今の自分は嫌いじゃない。
大概に酷いとは自覚しているけれど。
「ただ今。」
「おかえり。」
コーデリアとユリウス王子は挨拶さえ、ハモる。
もう僕達すっかり家族だね。
「今日は二人で何してた?」
二人はくすくす笑いながら、顔を見合わせている。
その顔も可愛いんだが。
「今日はね、王都に二人で買い物に行ったの。
そしたら、おばあさんの持っていたバックをひったくって、逃げようとする人がいたんだけどね、捕まえてって叫んだら、親切な人が、追いかけて、捕まえてくれたの。
でも、その人はバックを取り返して、悪い人を捕まえるとすぐいなくなっちゃってね。
その後、おばあさんが不安そうにしてたから、私達が家まで馬車で送ってあげたの。」
「そうか。
今日も良いことしたんだね」
僕が頭を撫でると、コーデリアは嬉しそうにしているが、ユリウス王子は、僕をチラチラ見る。
うん、わかっているよ。
二人についてる影が、犯人を捕まえたんだね。
本来ならば、影が、護衛対象から離れることはない。
それで、他人に不利益があるとしても。
だか、今回は二人共に影がついてるから、影が渋滞していて、一人ぐらい抜けたとしても、大丈夫と判断したのだろう。
どうりで、僕が呼ばれないはずだよ。
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それにしても、ユリウス王子は努力家で、聡明だ。
僕がコーデリアに影をつけているけど、本人は気づいてないから、あえて、コーデリアに言わない判断を、彼自身が考えてしている。
僕はそのことを、王子に話していないから、二人の話や関係性から、自分で導き出したのだろう。
物事を荒立てず、考えて行動できる彼は、いずれ、素晴らしい王になる素質がある。
でも、君はまだ少年だから、ここで優しい母のようなコーデリアに守られて、ゆっくり大人になればいい。
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