オレ様＆ドＳな神楽様は、地味目な彼がお好きでした。

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「どうした？」
　優しく神楽様が聞き返す。
「あのさ…あの、だから、その…」
　僕のペースをこういうとき、神楽様は急かすことなく待ってくれる。こういうところが、僕は神楽様が好きなのかもしれない。
「神楽様は…ああいう、女の子ってやっぱり、可愛いって思うの？」
　神楽様の動きが止まった。その静けさに僕は緊張が走った。やっぱり、聞くべきではなかったのかもしれない。神楽様は実の妹に、僕を恋人だと、ためらいもなく言ってくれた人だ。それなのに、僕は。
「ああいう、女の子って誰のこと？」
　僕の不安とは裏腹に、神楽様は僕が思っていた返事とは違う言葉を返した。
「え？いや…だから、その…はるちゃんとか…」
　神楽様が僕をおちょくって、言ったことではないことだけは、明らかだった。神楽様が僕に意地悪するときは、だいたいそれが意地悪だということが何となくわかるように接してくれるからである。さっきの神楽様は、ただ純粋に疑問を僕に投げかけていたのだ。
　そして、彼女の名前を聞いて、神楽様はニヤリとと笑い、頷いた。「あー。そういうことね」と言って。