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3-5. 不幸な少女(今回のオチ)
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土曜日、ここまできたならどうしても不幸な少女にあって真偽を確かめたくなった。北海道にいるらしいから、ダメ元で直接行ってみよう。
その前に通り道にある図書館に寄っていくことにする。図書館でAI司書に本を見繕ってもらうが、せっかくなので北海道が舞台の書籍をお願いする。
画面に五つの書籍の候補が表示される。タイトルとあらすじが表示された画面を私は薄目で見る。あらすじすらネタバレの一部だと考えているので、なるべく薄目で視界ぼかしてなんとなくタイトルだけ見るのだ。
「透視でもしているんですか」
そう声をかけてきたのは、振り返るまでもなく花である。
「機械の内部なんて見ても楽しくないでしょ」
「楽しいですよ」
花は飄々と答える。花にとってはそうなのだろう。
「今度、謎ガジェットを持ってくるんで内部構造を教えてください」
「いや、透視できないから」
「そうなんですか。それは残念です。それで、北海道のお話を調べていたんですか?」
画面をしっかりと覗き込みながら花が質問してくる。
「これから北海道に行こうと思って」
「それはまた何故にです?」
「花もしていたでしょ、不幸な少女の話。その子に会ってみたいなって」
「ひとりでですか?」
「そうだけど」
「へへ。いいですね。私もお供してもいいでしょうか?」
「うん」
私が頷くと花は「ワン、ワン」と言って、くしゃりと笑って歯を見せた。
私たちは北海道に行くために、図書館から歩いて五分の最寄りのVR施設に向かった。VR施設の入り口を開けるとすぐに私のARretグラスに個室までの順路が表示された。
VR施設の利用料金はガッツリ学割を使って一時間五百円、フリータイムだと一六〇〇円だ。色んな店があるが大体相場はこんなもんだ。この店は三時間を超えると自動的にフリータイムに移行してくれるのでありがたい。VR内では時間経過が現実と異なるため、わからなくなりやすい。
「では、また北海道で会いましょう」
花も違う個室へと向かってゆく。個室に入ると試着室ほどの更衣室がある。
そこでARretグラスと服を脱ぎ下着姿になると、店にある専用のVRスーツに着替える。
VRスーツは機械式の人工筋肉がついている全身スーツである。体にフィットしてラインがはっきりと出るので、誰が見ているわけでも無いが恥ずかしくなる。
更衣室を出るとVRプレイルームに出る。プレイルームは円柱の空間でまるで鳥かごのような形だ。部屋の壁にはレールがついており、何らかの機械が通るようにできている。
部屋の真ん中には床から生えた棒に靴がくっついている。その靴を履くと太もも、腰、腕に屋根から糸でぶら下がっているベルトを巻く。これも屋根からぶら下がっている手袋を身につける。いわば、マリオネット状態である。
目の前の小さな画面にOKと表示されるので、頭をすっぽりと覆うVRヘルメットをかぶる。
一面に広がる緑は地平線を覆い、一本のびる道は消失点の彼方へと消える。突き抜ける空の青さは開放感を体現し、のびる真っ白の入道雲はバベルの塔のようにどこまでも天を目指す。求めていた夏がここにある、そんな風景が広がる。
『現在の天気を再現しますか』と言う表示にOKするが、曇天模様が表示されて慌てて元の超絶天気のいい風景に戻す。
「ここはどこですか」
遅れてやってきた花が私に呼びかける。私が場所を指定して、花が合流してきたため場所がわかっていない。
「幸福駅近く、北海道のダイヤの形の下の方」
「ここらへんにいるんですか、その不幸な女の子は」
「望み薄だけど、慈善団体で話を聞いたときそんなことを言ってたんだよ」
あの後も慈善団体の人からの話は信用できるものではなかったが、他に当てがないのでしかたがない。
「そんな善良のたまり場みたいなところにいってきたんですか」
花がわたしを責めるような口調で言う。不良のたまり場のようにいうなよ。
「善の巣窟ですよ」
花はたいした意味もなく思いつきで言葉を重ねてくる。
「それでここからの当てはあるんですか?」
花は観念したのか実のある言葉を発した。だからといって、実のある回答ができるわけでもないのが現実だ。
「ないよ」
「じゃあ、適当に走りますか」
花は憂うことなくそう発し、右手を掲げて、指をパチンと鳴らす。すると現実では何千万もしそうな真っ赤なスポーツカーがあらわれた。
花が運転席に乗り込み、私は助手席に座った。自動運転レベルをゼロに設定している。すべて自分で操作するモードだ。
VR内で車を運転する人は結構多いのだと言う。どんな高級車でも乗れるのもあるが、公道では手動運転している時に法定速度を超えると勝手に自動運転へ移行されるので、気持ち良く車を走らせることができないと言った話だ。
法律を破らないと気持ちよく車を走らせられないことが、私には謎なのだが。法を破って気持ちよくなるなんて大麻と変わらない。
しかし、自由に運転ができるVR内だとしても、無免許中学生の花はちゃんと運転ができるのだろうか。
「大丈夫なの?」
「見ててください」
腕に覚えがあるのだろう、花は自信満々に言った。
「同じクラスの橋本君は足を怪我して、松葉杖を使っているんですよ」
ハンドルを握りながら、突然花が話し始める。
「……」
続きがあるのだと思い黙って待っていたが、花はすでに話し終えたとばかりと口をつぐんでいる。橋本君のことはまったく知らないが、何らかのオチがあるのだろうか。
「ん、どういうこと」
「えー、橋本君のこと興味あるんですか」
花がわざとらしい驚いた素振りで言う。
「いや、ない。というか知らないけど」
「つまり、他人の不幸話なんてどうだっていいってことですよ」
「はぁ」
「なのに、今回の不幸な少女の話はなんでこんなに広まったのかって話ですよ。どう思いますか?」
花は始めからこの質問をするために無駄に橋本君の話題を出したのであろう。なんとも回りくどい。
「それは人の不幸は蜜の味と言うぐらいだし、みんな不幸話は好きなんじゃないの」
エレナ先輩が言っていた皆が気にかけてしまうという性善説もいいが、私が言葉にするには徳が足らなすぎる。
「それは話が滑稽な場合ですよ。難民の子供達を見てはしゃぎはしないでしょう。理由がわからない今回の少女の場合には符合しません」
「じゃあ、花はここまで広まった理由は何だと思うの?」
「人はどこかで自分のことを不幸に思われたがっているんですよ、私は違いますけれど。不幸な少女の話をすることで、不幸な私にも目を向けてと言っているんです」
「それでこんなに話題になったと」
「そうですね。まぁ、逆かもしれないですけれど」
「逆?」
「人はどこかで自分のことを幸せだと思いたがっているんですよ、私は違いますけれど。不幸な少女の話をすることで、幸せな自分を認識しようとしているんです」
「真逆じゃん。結局、どっちなの」
「つまりは、一つの思想では話題にはならないってことじゃないですか。受けた人が思い思いに解釈できるから広がる余地があるのです」
腑に落ちるようで落ちないような話だ。結局のところ噂が広がる理由なんてハッキリとしたものはないのだろう。
「ちなみに橋本君が何故松葉杖が必要となる怪我したのかは、先に怪我した子の松葉杖をふざけて使っていて階段から落ちたんですよ」
「滑稽だ」
「北海道は広いのに何でこんな狭い道があるんですか」
私が先ほど借りた本を読んでいた間、気がついたら車がすれ違えないような小道に入っていた。
「私道なんじゃないの、Uターンできる?」
「どうしどうもないです」
「いや、ぜんぜん面白くないよ」
私は花に冷ややかな視線を送るが気づいていない。花はハンドルをがっちりと握り、正面から一切目をそらさずにいた。どうやら、テンパっているようだ。道は荒れてくる。
「もう真っ直ぐ行くことにしたのね」
「無理が通れば対向車が引っ込みます」
そんな利己的な奴は自動車の運転には向いてない。自動運転モードに切り替えればいいだけの話だが。そのまま真っ直ぐ進んでいくと、男の人が何かしらの作業をしている。
「すいません。道に迷ってしまって」
「この先でUターンできるよ」
そういえば、地元の人だったら何か知っているかもしれない。
「不幸な少女のことを知ってますか?」
「ああ、奏ちゃんね。この先に住んでいるよ」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。その人は当たり前と言ったようにとんでもない情報をもたらした。
「その少女はなんで不幸なんですか」
「なんでだったかな。この先にいるんだから直接聞いてみればいいよ。あそこの赤い屋根の家だよ」
不幸な少女がいると言われた赤い屋根の家の目の前まで車を進める。その家の前で女の子が庭いじりをしている。場に似合わない真っ赤なワンピースを着て、収穫したての茄子を持っている。
「すいません、勝手に入ってきてしまって……」
真紅の服と茄子を身につけた女の子が声に反応してこちらを振り返る。あの子が不幸な少女だ。そう直感する。といっても、面と向かってあなたって不幸な少女ですよねと聞くのも憚られる。
「その、奏さんですか」
「はい」
さっき聞いた名前で尋ねてみる。しかし、肝心なのはここからだ。
「あ、あの不幸な少女の噂って知ってますか」
女の子は困ったような顔を浮かべた。
「たぶん、わたしのことだと思います」
やっぱりそうだ。そうなんだ。もう聞くしかない。
「あの、あなたはどうして不幸なんですか」
そして、彼女はその理由を告げた。
「わたし自身は自分が不幸だなんて思っていません。ただひとつ不幸だと思うことをあげるならばみんなから不幸だと言われることが不幸なんです」
彼女に対して他人が好き勝手に不幸と言うことで不幸になっているというのか。ああ、彼女はなんて不幸なんだ。
その前に通り道にある図書館に寄っていくことにする。図書館でAI司書に本を見繕ってもらうが、せっかくなので北海道が舞台の書籍をお願いする。
画面に五つの書籍の候補が表示される。タイトルとあらすじが表示された画面を私は薄目で見る。あらすじすらネタバレの一部だと考えているので、なるべく薄目で視界ぼかしてなんとなくタイトルだけ見るのだ。
「透視でもしているんですか」
そう声をかけてきたのは、振り返るまでもなく花である。
「機械の内部なんて見ても楽しくないでしょ」
「楽しいですよ」
花は飄々と答える。花にとってはそうなのだろう。
「今度、謎ガジェットを持ってくるんで内部構造を教えてください」
「いや、透視できないから」
「そうなんですか。それは残念です。それで、北海道のお話を調べていたんですか?」
画面をしっかりと覗き込みながら花が質問してくる。
「これから北海道に行こうと思って」
「それはまた何故にです?」
「花もしていたでしょ、不幸な少女の話。その子に会ってみたいなって」
「ひとりでですか?」
「そうだけど」
「へへ。いいですね。私もお供してもいいでしょうか?」
「うん」
私が頷くと花は「ワン、ワン」と言って、くしゃりと笑って歯を見せた。
私たちは北海道に行くために、図書館から歩いて五分の最寄りのVR施設に向かった。VR施設の入り口を開けるとすぐに私のARretグラスに個室までの順路が表示された。
VR施設の利用料金はガッツリ学割を使って一時間五百円、フリータイムだと一六〇〇円だ。色んな店があるが大体相場はこんなもんだ。この店は三時間を超えると自動的にフリータイムに移行してくれるのでありがたい。VR内では時間経過が現実と異なるため、わからなくなりやすい。
「では、また北海道で会いましょう」
花も違う個室へと向かってゆく。個室に入ると試着室ほどの更衣室がある。
そこでARretグラスと服を脱ぎ下着姿になると、店にある専用のVRスーツに着替える。
VRスーツは機械式の人工筋肉がついている全身スーツである。体にフィットしてラインがはっきりと出るので、誰が見ているわけでも無いが恥ずかしくなる。
更衣室を出るとVRプレイルームに出る。プレイルームは円柱の空間でまるで鳥かごのような形だ。部屋の壁にはレールがついており、何らかの機械が通るようにできている。
部屋の真ん中には床から生えた棒に靴がくっついている。その靴を履くと太もも、腰、腕に屋根から糸でぶら下がっているベルトを巻く。これも屋根からぶら下がっている手袋を身につける。いわば、マリオネット状態である。
目の前の小さな画面にOKと表示されるので、頭をすっぽりと覆うVRヘルメットをかぶる。
一面に広がる緑は地平線を覆い、一本のびる道は消失点の彼方へと消える。突き抜ける空の青さは開放感を体現し、のびる真っ白の入道雲はバベルの塔のようにどこまでも天を目指す。求めていた夏がここにある、そんな風景が広がる。
『現在の天気を再現しますか』と言う表示にOKするが、曇天模様が表示されて慌てて元の超絶天気のいい風景に戻す。
「ここはどこですか」
遅れてやってきた花が私に呼びかける。私が場所を指定して、花が合流してきたため場所がわかっていない。
「幸福駅近く、北海道のダイヤの形の下の方」
「ここらへんにいるんですか、その不幸な女の子は」
「望み薄だけど、慈善団体で話を聞いたときそんなことを言ってたんだよ」
あの後も慈善団体の人からの話は信用できるものではなかったが、他に当てがないのでしかたがない。
「そんな善良のたまり場みたいなところにいってきたんですか」
花がわたしを責めるような口調で言う。不良のたまり場のようにいうなよ。
「善の巣窟ですよ」
花はたいした意味もなく思いつきで言葉を重ねてくる。
「それでここからの当てはあるんですか?」
花は観念したのか実のある言葉を発した。だからといって、実のある回答ができるわけでもないのが現実だ。
「ないよ」
「じゃあ、適当に走りますか」
花は憂うことなくそう発し、右手を掲げて、指をパチンと鳴らす。すると現実では何千万もしそうな真っ赤なスポーツカーがあらわれた。
花が運転席に乗り込み、私は助手席に座った。自動運転レベルをゼロに設定している。すべて自分で操作するモードだ。
VR内で車を運転する人は結構多いのだと言う。どんな高級車でも乗れるのもあるが、公道では手動運転している時に法定速度を超えると勝手に自動運転へ移行されるので、気持ち良く車を走らせることができないと言った話だ。
法律を破らないと気持ちよく車を走らせられないことが、私には謎なのだが。法を破って気持ちよくなるなんて大麻と変わらない。
しかし、自由に運転ができるVR内だとしても、無免許中学生の花はちゃんと運転ができるのだろうか。
「大丈夫なの?」
「見ててください」
腕に覚えがあるのだろう、花は自信満々に言った。
「同じクラスの橋本君は足を怪我して、松葉杖を使っているんですよ」
ハンドルを握りながら、突然花が話し始める。
「……」
続きがあるのだと思い黙って待っていたが、花はすでに話し終えたとばかりと口をつぐんでいる。橋本君のことはまったく知らないが、何らかのオチがあるのだろうか。
「ん、どういうこと」
「えー、橋本君のこと興味あるんですか」
花がわざとらしい驚いた素振りで言う。
「いや、ない。というか知らないけど」
「つまり、他人の不幸話なんてどうだっていいってことですよ」
「はぁ」
「なのに、今回の不幸な少女の話はなんでこんなに広まったのかって話ですよ。どう思いますか?」
花は始めからこの質問をするために無駄に橋本君の話題を出したのであろう。なんとも回りくどい。
「それは人の不幸は蜜の味と言うぐらいだし、みんな不幸話は好きなんじゃないの」
エレナ先輩が言っていた皆が気にかけてしまうという性善説もいいが、私が言葉にするには徳が足らなすぎる。
「それは話が滑稽な場合ですよ。難民の子供達を見てはしゃぎはしないでしょう。理由がわからない今回の少女の場合には符合しません」
「じゃあ、花はここまで広まった理由は何だと思うの?」
「人はどこかで自分のことを不幸に思われたがっているんですよ、私は違いますけれど。不幸な少女の話をすることで、不幸な私にも目を向けてと言っているんです」
「それでこんなに話題になったと」
「そうですね。まぁ、逆かもしれないですけれど」
「逆?」
「人はどこかで自分のことを幸せだと思いたがっているんですよ、私は違いますけれど。不幸な少女の話をすることで、幸せな自分を認識しようとしているんです」
「真逆じゃん。結局、どっちなの」
「つまりは、一つの思想では話題にはならないってことじゃないですか。受けた人が思い思いに解釈できるから広がる余地があるのです」
腑に落ちるようで落ちないような話だ。結局のところ噂が広がる理由なんてハッキリとしたものはないのだろう。
「ちなみに橋本君が何故松葉杖が必要となる怪我したのかは、先に怪我した子の松葉杖をふざけて使っていて階段から落ちたんですよ」
「滑稽だ」
「北海道は広いのに何でこんな狭い道があるんですか」
私が先ほど借りた本を読んでいた間、気がついたら車がすれ違えないような小道に入っていた。
「私道なんじゃないの、Uターンできる?」
「どうしどうもないです」
「いや、ぜんぜん面白くないよ」
私は花に冷ややかな視線を送るが気づいていない。花はハンドルをがっちりと握り、正面から一切目をそらさずにいた。どうやら、テンパっているようだ。道は荒れてくる。
「もう真っ直ぐ行くことにしたのね」
「無理が通れば対向車が引っ込みます」
そんな利己的な奴は自動車の運転には向いてない。自動運転モードに切り替えればいいだけの話だが。そのまま真っ直ぐ進んでいくと、男の人が何かしらの作業をしている。
「すいません。道に迷ってしまって」
「この先でUターンできるよ」
そういえば、地元の人だったら何か知っているかもしれない。
「不幸な少女のことを知ってますか?」
「ああ、奏ちゃんね。この先に住んでいるよ」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。その人は当たり前と言ったようにとんでもない情報をもたらした。
「その少女はなんで不幸なんですか」
「なんでだったかな。この先にいるんだから直接聞いてみればいいよ。あそこの赤い屋根の家だよ」
不幸な少女がいると言われた赤い屋根の家の目の前まで車を進める。その家の前で女の子が庭いじりをしている。場に似合わない真っ赤なワンピースを着て、収穫したての茄子を持っている。
「すいません、勝手に入ってきてしまって……」
真紅の服と茄子を身につけた女の子が声に反応してこちらを振り返る。あの子が不幸な少女だ。そう直感する。といっても、面と向かってあなたって不幸な少女ですよねと聞くのも憚られる。
「その、奏さんですか」
「はい」
さっき聞いた名前で尋ねてみる。しかし、肝心なのはここからだ。
「あ、あの不幸な少女の噂って知ってますか」
女の子は困ったような顔を浮かべた。
「たぶん、わたしのことだと思います」
やっぱりそうだ。そうなんだ。もう聞くしかない。
「あの、あなたはどうして不幸なんですか」
そして、彼女はその理由を告げた。
「わたし自身は自分が不幸だなんて思っていません。ただひとつ不幸だと思うことをあげるならばみんなから不幸だと言われることが不幸なんです」
彼女に対して他人が好き勝手に不幸と言うことで不幸になっているというのか。ああ、彼女はなんて不幸なんだ。
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