78 / 89
第六節
人とは。悪魔とは。(12)
しおりを挟む
「わかった。一緒に死のう」
私は、妻にそう言った。
ほわんと、妻は笑みを浮かべた。
久しぶりに見た、妻の笑顔。
いつもと違って、やつれているが、それでも、妻が愛くるしい。
「うん」
妻は小さく応える。
もう妻の笑顔が見れないと思うと、やるせない。
あの世で会えるだろうと、都合の良い考えで、自らを納得させる。
「すぐに行くから、待っててな」
「うん、あの子と待ってる。早く来てね」
妻は、そう言うと、目を閉じて、顎を上げた。
ほんの一日前までは、妻が目を閉じて、顎を上げる仕草は、接吻を求める時だった。
しかし、今は、絞殺を求める仕草だった。
私は、両手で、そっと妻の首に触れた。
両手に力を入れる。
妻は、私を見る。
一本一本の指の腹に伝わる、妻の柔肌。
指圧を強めると妻の首に、私の指が、ぐぐぐと食い込んでいく。
呼吸が困難になる。
見る見るうちに、妻の顔が赤く腫れていく。
目は、うるうると潤い、唾液が滴る。
これ以上、妻の苦しみに歪む表情を見たくないと、無意識に指圧が止まる。
しかし、これを越えて、私も死ねば、あの世で会えるはず。
再び、指圧を強める。
妻の全身の力が抜ける。
間もなくして、妻は、意識を失った。
私は、心に鬼を宿したように、更に首を絞め続ける。
しっかりと殺さなければ、あの世で離れ離れになってしまうから。
妻の顔に出血斑が現れる。
私は、妻を殺した。
妻にとって、私が悪魔なのではないか。
私は、両手を妻の首から離そうとした時。
思いもよらぬ光景に目を疑った。
娘が、むくっと上体を起こした。
私は、妻にそう言った。
ほわんと、妻は笑みを浮かべた。
久しぶりに見た、妻の笑顔。
いつもと違って、やつれているが、それでも、妻が愛くるしい。
「うん」
妻は小さく応える。
もう妻の笑顔が見れないと思うと、やるせない。
あの世で会えるだろうと、都合の良い考えで、自らを納得させる。
「すぐに行くから、待っててな」
「うん、あの子と待ってる。早く来てね」
妻は、そう言うと、目を閉じて、顎を上げた。
ほんの一日前までは、妻が目を閉じて、顎を上げる仕草は、接吻を求める時だった。
しかし、今は、絞殺を求める仕草だった。
私は、両手で、そっと妻の首に触れた。
両手に力を入れる。
妻は、私を見る。
一本一本の指の腹に伝わる、妻の柔肌。
指圧を強めると妻の首に、私の指が、ぐぐぐと食い込んでいく。
呼吸が困難になる。
見る見るうちに、妻の顔が赤く腫れていく。
目は、うるうると潤い、唾液が滴る。
これ以上、妻の苦しみに歪む表情を見たくないと、無意識に指圧が止まる。
しかし、これを越えて、私も死ねば、あの世で会えるはず。
再び、指圧を強める。
妻の全身の力が抜ける。
間もなくして、妻は、意識を失った。
私は、心に鬼を宿したように、更に首を絞め続ける。
しっかりと殺さなければ、あの世で離れ離れになってしまうから。
妻の顔に出血斑が現れる。
私は、妻を殺した。
妻にとって、私が悪魔なのではないか。
私は、両手を妻の首から離そうとした時。
思いもよらぬ光景に目を疑った。
娘が、むくっと上体を起こした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる