初恋は永遠に

夜桜 春

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第2章 新たな学園生活

(8)美波との初登校

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 ――流星学園の合格発表からあっという間に月日が経過し入学式の日がやってきた。

 春、暖かい風が吹き荒れ桜が舞い散る中――

 俺は目新しいブレザーに流星学園の象徴でもある青いネクタイを締めて初登校へと意気込んでいた。

 あれからと言うもの。

 星空さんと会話することはなかった。
 その為、風岡からの批判を毎日のように受け続けている有り様だった。

 「(でも…また…って言って手を振ってくれたんだよなぁ。俺的には一歩どころか結構前進したようにも思えるけど…)」

 
 「おっはよー!」

 そう言って後ろから誰かに勢い良く背中を叩かれた。

 「その声は…」

 「はーい!美波ちゃんでした!イェーイ」

 そう目元でピースをする風岡。

 


 「どうしたんだ…そんないつにも増してハイテンションで…」

 「なによー私がハイテンションで何かあんたに問題でもあるの?」

 「いや…別にないけど…」

 「まぁそうでしょうね。
あのさ高校デビューっての?そう言うのを私もやってみようかと思いまして」

 「風岡がデビューしないといけないような事ないでしょ」

 「そうかな?優しくなって皆にこれまで以上にチヤホヤされちゃおうかなーって」

 「あっ、優しくなるのはいいかも」

 「残念でした~柿沢にはこれからも優しくしないからね」

 「はぁっー何だよそれ!」

 「だって柿沢にチヤホヤされてどうするのよ?もっと他の人にチヤホヤしてもらわないとね」

 「他の人って?」

 「そんなの運動部のイケメン男子に決まってるじゃん。はぁ~この文武両道で運動部の盛んな流星学園なら私を待ってる素敵な男子がいっぱい居てるはず~」

 そうキラキラと目を輝かせながら風岡は話していた。

 「はいはい。それはさておき。この私に真っ先に言うことないですか?」

 「あっ、うん。結局まだ何も出来てないよね。なかなか話すきっかけがなくて…」

 「うん?何の話をしてるの??」

 「えっ…だから星空さんと話しが出来てないから――」

 「はぁっ?そんなこと私は聞いてないんだけど!どうして入学式の日からあんたのダラダラした経過報告を聞かないといけないんだか」

 「えっ…?じゃあ言うことって?」

 「もう本当に女心わかってないねーほら私の姿見て分かんない?」

 俺は目の前でクルッと1回転する風岡の姿を見た。

 「あっ、制服…」

 「おっそ」

 風岡の姿とは、これまでの中学のセーラー服とまた違い、ブレザータイプの制服姿に男子のネクタイと同じ色をした、流星のシンボルカラーでもある青色のリボンを施していた。

 「大人っぽくなったんじゃない?似合ってる」

 「ふーん…」
   
 「あっ、その青色のカチューシャももしかして流星カラー?それも良いじゃん!」

 「これ、中学の時からしてるんだけど…」

 「えっ…」

 俺は墓穴を掘ってしまった。

 



 ――そして…俺たちは掲示板に貼られたクラス発表に目を通していた。


 「あっ、あった!ほら!私たち一緒のクラスじゃん」

 「本当だ」

 柿沢拓哉
 
 風岡美波

 俺たち2人の名前が見事に綺麗に並んで書いてあった。

 「(星空さんは…?星空さんはどこのクラスなんだろう)」

 俺はまずは自分のクラスの表から探していくことにした。

 自分たちの名前から順番に辿って下に降りていく。

 さ行…

 た行…

 な行…

 は行……


 「あった!!」

 俺は思わず叫んでしまった。

 「えっ?…もしかして…彼女の名前あったの?何て名前?」

 「ほらあそこ…下の方に星空雪菜って」

 俺がもう一度確かめるように指を指して風岡に伝えた。

 「星空雪菜…それがあんたの初恋の相手の名前だったんだ~へー」

 「ちょっと…こんな場所でそんなハッキリ言われると恥ずかしいんだけど」

 「もう一回言ってあげよーか?さっきのお返しに!」

 「いや、本当に止めて下さいー!何でもしますから!」

 「言ったな!じゃあ今日中に星空さん?の連絡先交換してきなさい!」

 「えっ?そんなクラスメイトになったばかりなのに!無茶苦茶じゃん」

 「無茶苦茶でもやらないといけないんでしょ!てかあんたが今ここに居てるだけでそもそも無茶苦茶だと思うけど」

 「そりゃそうだけど…」

 こうして俺は入学して早々、風岡に大きなミッションを課せられる事となった。

 

 「あっ、居たいた。うわっ…やっぱり透明感あって美少女って感じ~」

 「居た?…マジで?」

 クラス表を見た俺たちは案内に従い教室の前へとやってきていた。

 「もう何ビビってるの~これから彼女と連絡先交換するんでしょ!もっとシャッキとしなさいよ」
 
 緊張で丸まっていた俺の背中を、風岡は活を入れるように再び強く叩いてきた。

 「おぉう。サンキュー」

 そして…俺は遂に新たな高校の教室に足を踏み入れた。

 「…ってちょっと!何やってんのよ…そっちじゃないでしょ」

 「俺たちの席はこっちだろ?」

 「まだ時間あるんだから星空さんに話し掛けにいきなさいって」

 「そうだよ。風岡の言う通り。まだ始まってもないんだし、これからいくらでも時間あるんだから――」

 「あの…柿沢くん?」

 そうこう風岡とやり取りをしてるうちに心地よい声で話して来た少女。

 「ほっ…ほしぞらさん!!?」

 それは俺たちの席の前に意中の星空さんが立っており、俺に話し掛けていたのだった。
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