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鬼姫の始まり

十七話

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二人はアルクに案内されて冒険者ギルドの一番奥の部屋にやって来た。

コン コン コン コン

「どうぞ!」

「失礼します、つれてきましたよ。」

中にいたのはエルフ族の女性で、胸は残念だけどそれ以外は完璧そうな人がいた。

「いらっしゃい、待っていましたよ。」

「ひゃい!」
「…?」

目の前のエルフの女性は二人に向けて僅かに威圧した、キアラが変にうわずった声をあげたが、ミコトは首をかしげるばかりで、特に反応しなかった。

そんな二人の様子を見て部屋の主、ギルドマスターは苦笑しながら二人を部屋に招き入れた。

ミコトとキアラがギルドマスターにソファーに座るように言われて、二人が座ると後ろから後ろにいた熊男、アルクはその強面に似合わず、お茶漬けと紅茶を人数分用意して退室していった。

「では、何処から話そうか、………私は冒険者……ギルドマスターをしている、セシリア・ルルディと言う、よろしく。」

セシリアと名のった目の前のエルフは、長い金髪で左目に片眼鏡、スーツの用な服装をしている。

「わ、私は、C級冒険者のキアラ・アニマーレです。」

「…ミコト、ただのミコト。」

「そうか、キアラさんと、ミコトさんか、よろしく、さて、本題にはいるに当たってこの紹介状を読ませてもらった、ミコトさんは冒険者に、と言うことで良いですか?」

「…ん、冒険者成りにきた。」

「そうですか、それではミコトさん冒険者のランクはご存じですか?」

「…知らない」

「では、説明しましょう。まず、冒険者ランクですが、10段階に別れています、SSを筆頭に、S、AA、A、B、C、D、E、F
G、と、このようになります。
依頼を達成するごとに評価され、ポイントが加算され、ランクが上昇します。
依頼を失敗、もしくは依頼を放棄した場合は、ポイントが引かれます、また失敗や放棄したことをギルドに届け出がない場合は半年立つと、報酬の2倍の金額を払わなければならないので注意が必要です、受けられる依頼は、基本自分のランクの1つ上までです。
二人以上のメンバーでパーティーを組めばランクが上のメンバーに合わせて依頼を受けられます。」

「…分かった。」

「それから、依頼については雑務や採取、討伐、護衛などの様々なものがあります。
ギルド側からも多少のサポートはいたしますが、だからと言って依頼でトラブルや実力にそぐわない依頼で重傷、または死亡したりしてもギルド側は一切関与しませんので依頼を受ける際は注意してください。よろしいですか?」

「…ん。」

「では、この紹介状なのですが、バーン爺様とアルフレッド船長直々の物ですので、一様ミコトさんのランクをC級から始めさせていただきたく思います、流石にC級より上だと、私の権限では許可が降りないので申し訳ございません。」

「…大丈夫」

「それでは、この水晶に手を置いてください。」

ギルドマスター、セシリアは予め用意してあった、水晶を机に置いた。
「…ん」

ミコトは水晶にそっとふれたら、水晶は赤と黒、金色に光るとその光は収まった。

「…?」
「はい、これで、御仕舞いです、少しこの部屋でお待ちください、それとこの紹介状は読んでみるといいですよ、それでは失礼します。」

そう言って机に紹介状を置くと、水晶をもって部屋から出ていってしまった。
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