拾った犬は、魔神様でした。

墨尽(ぼくじん)

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15 その日の朝から

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※今回、めっちゃ文字数少ないです(-_-;) 申し訳ありません!


=======


 エリトは目を覚ますと、目の前のクラーリオの姿に一瞬動きを止めた。胸の上で寝ていたはずなのに、今は枕を共にするかの如く2人は並んで眠っている。
 
 エリトが視線を上げると、もう窓の外は明るい日差しに包まれていた。

(……えっ!? 朝?)

 窓の外を見る限り、早朝でもない。もう明けきっている空は、青々と広がっていた。
 
 昨日クラーリオの毛布に包まってから、一晩明かしたことになる。何をした訳でもないのだが、エリトの心臓が早鐘を打ち始めた。

(だ、だ、だ、大丈夫。クリオは男の子。同性で一緒に寝る事なんて、普通のこと!)

 エリトは無理やり気持ちを切り替えて、そっと自分側の毛布を剥ぎ取った。昨日から寝ていたとなると、クラーリオはきっと腹を空かせているだろう。
 レゴーラの干し肉でスープを作ろうと、エリトはそっと身を起こした。

 起こさないようにそっと離れるつもりだったが、エリトの腕はクラーリオによって掴まれた。
 驚いて振り返ると、エリトの目の前にクラーリオの顔が広がる。


 一瞬何をされているのか、エリトには理解できなかった。
 キスされた、と認識できたのは、クラーリオが唇を離した後だ。

「おはよう。エリト」
「……お、は……よう」

 満足気に微笑むクラーリオに、何を言えるはずもない。



 この日からだ。
 毎朝クラーリオはエリトにこう問うようになった。

「エリト、今日はどこがいい?」

 エリトが顔を真っ赤にしながら「おでこ」と言うと、彼は額にキスを落とした。
 「ほっぺ」と言うと、頬へ。「唇」と言ったことは無いが、きっとクラーリオはキスをするのだろう。

 口付けを落とした後、クラーリオは完璧な笑みを零す。そして必ずこう言うのだ。

「おはよう。大好きな、俺のエリト」

 その言葉を聞くだけで、エリトの心は蕩けてしまう。金の瞳に見つめられるだけで、幸せな感情に包まれる。

 
(大好きだなんて……僕は、穢れの子なのに……)

 そうは思うものの、やはりエリトは自分が穢れの子だと、打ち明ける気にはなれなかった。卑怯だと思いながらも、エリトはクラーリオの傍にいたかったのだ。


 身体を起こせるようになったクラーリオは、いつも穏やかな瞳でエリトを見る。
 その瞳に包まれていると、不思議と心が落ち着いた。


(ああ……クリオ。僕こそ……大好きだよ)

 その言葉が、エリトには言えないのだ。臆病で、失うのが恐いだけだというのに、クラーリオはまるで全て解っているような笑みをエリトへと浮かべる。

 自分のすべてを受け入れてくれる。クラーリオに対するそんな身勝手な想いが、エリトの胸に湧いて出るのだ。
 彼に甘えていると認識しながら、エリトは与えられる愛に浸っていたかった。
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