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三年後
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澄みきった青空が見える。学校の屋上で一人の青年・・・と呼ぶにはまだ幼い男の子が右手にある本を、顔半分にかぶせ仰向けに寝ころび、じっと空を見つめていた。
「おーい、一哉~!」
彼を呼ぶ声がするので、そちらに目を向けると、そこには彼の幼なじみである、伊藤 陽介がいた。
「また~、お前は妖しげな本を読みふけって~。」
一哉の右手にある世界の霊現象なる本を、陽介はさしながら言った。
「だって、しょうがないだろう?陽介~。」
持っていた本を持ち直し、上体を起こしながら一哉は言った。
「俺の好きな人は幽霊なんだもの・・・・。」
その言葉を聞いた陽介は、立ちくらみのような真似をした後
「あのな~、幽霊に初恋するなんて前代未聞だぞ。」
と、言い放った。
小学生の頃、コックリさんをしたメンバーの一人である陽介にとって、もうあんな怖い目に会いたくないと考えるのは、ごく自然な事だった。しかし、一哉は
「だってよ~、陽介、まだ助けてもらったお礼も言ってないんだぜ?」
と、言い出す始末だった。
「おれぇい?お礼なんて、ほら、こうすれば」
言いながら陽介は天に向かって拝むと
「思いが天に届くんでね?」
笑顔で一哉にそう言った。確かにそれでも届くかもしれないと、かすかに頭によぎった一哉だが、それを振り払うように
「うるさーい!とにかく会いたいんだーーーー!」
と、首を振りながら叫んだ。
「この分からずやめ~!!」
陽介はそう言いながら、一哉の首を軽く絞めた。
「うぐぐ・・・・、ぐるじい・・・・陽介~。」
苦しみながらも一哉も陽介の首を絞め始めた。そんな感じで二人がじゃれ合っていると
「ちょっとあんた達ーーーー!!なにしてんのよーーーーー!!!」
後ろからいきなり大声が聞こえてきたので、二人が振り向くと、屋上の入り口にポニーテールの気の強そうな女の子が仁王立ちしていた。片手に持っている竹箒を怒りでワナワナと震わせて・・・・。
「どうしたんだーーー!?亜希ーーーー!」
笑顔でそう聞いてくる一哉に対して、彼女の怒りは頂点に達した。
「あんた達がーーー!!図書室の掃除しないからーーー!!あたし達がしたんだからーーーーー!!!」
一哉と陽介はお互い顔を見合わせた、その事をすっかり忘れていたのだ。しかしその後一哉は笑顔でこう言った。
「ごめんよ、亜希ーーーー!好きだから許してくれーーーー!」
あっけらかんと言われたその言葉に対し、彼女の怒りは爆発した。
「バカーーーーーーー!!!!!」
そう叫ぶと、そのまま踵を返して行ってしまった。
「相変わらず亜希は気が強いな・・・・。」
ポツリつぶやく一哉、しかし近くにいた陽介は、
『いや、お前が火に油注いでんだけどな・・・・。』
と、心の中でつぶやいた・・・。
「おーい、一哉~!」
彼を呼ぶ声がするので、そちらに目を向けると、そこには彼の幼なじみである、伊藤 陽介がいた。
「また~、お前は妖しげな本を読みふけって~。」
一哉の右手にある世界の霊現象なる本を、陽介はさしながら言った。
「だって、しょうがないだろう?陽介~。」
持っていた本を持ち直し、上体を起こしながら一哉は言った。
「俺の好きな人は幽霊なんだもの・・・・。」
その言葉を聞いた陽介は、立ちくらみのような真似をした後
「あのな~、幽霊に初恋するなんて前代未聞だぞ。」
と、言い放った。
小学生の頃、コックリさんをしたメンバーの一人である陽介にとって、もうあんな怖い目に会いたくないと考えるのは、ごく自然な事だった。しかし、一哉は
「だってよ~、陽介、まだ助けてもらったお礼も言ってないんだぜ?」
と、言い出す始末だった。
「おれぇい?お礼なんて、ほら、こうすれば」
言いながら陽介は天に向かって拝むと
「思いが天に届くんでね?」
笑顔で一哉にそう言った。確かにそれでも届くかもしれないと、かすかに頭によぎった一哉だが、それを振り払うように
「うるさーい!とにかく会いたいんだーーーー!」
と、首を振りながら叫んだ。
「この分からずやめ~!!」
陽介はそう言いながら、一哉の首を軽く絞めた。
「うぐぐ・・・・、ぐるじい・・・・陽介~。」
苦しみながらも一哉も陽介の首を絞め始めた。そんな感じで二人がじゃれ合っていると
「ちょっとあんた達ーーーー!!なにしてんのよーーーーー!!!」
後ろからいきなり大声が聞こえてきたので、二人が振り向くと、屋上の入り口にポニーテールの気の強そうな女の子が仁王立ちしていた。片手に持っている竹箒を怒りでワナワナと震わせて・・・・。
「どうしたんだーーー!?亜希ーーーー!」
笑顔でそう聞いてくる一哉に対して、彼女の怒りは頂点に達した。
「あんた達がーーー!!図書室の掃除しないからーーー!!あたし達がしたんだからーーーーー!!!」
一哉と陽介はお互い顔を見合わせた、その事をすっかり忘れていたのだ。しかしその後一哉は笑顔でこう言った。
「ごめんよ、亜希ーーーー!好きだから許してくれーーーー!」
あっけらかんと言われたその言葉に対し、彼女の怒りは爆発した。
「バカーーーーーーー!!!!!」
そう叫ぶと、そのまま踵を返して行ってしまった。
「相変わらず亜希は気が強いな・・・・。」
ポツリつぶやく一哉、しかし近くにいた陽介は、
『いや、お前が火に油注いでんだけどな・・・・。』
と、心の中でつぶやいた・・・。
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