けしてまねをなさることのなきようにお願いします

復讐

　「あ～ら、あなた。また遅刻なの？」
　どこかの会社。
　「毎日毎日こりないわねえ」
　スーツ姿（下はタイトスカート）のＯＬが遅れてきた男性社員をからかっている。
　「毎朝何時に起きているのかしらねえ？」
　怒る男性社員。
　「何とかして復讐できないものか？」

　家にて。　
　「ん、このお菓子消費期限をかなりすぎているぞ。もういかんな」
　捨てようとしたそのとき。
　「待てよ、こいつあ使えるかも知れんぞ」
　
　彼は翌日、女子社員たちにお菓子を配り歩く。
　「あら、お菓子くれるの？」
　「まあ、ありがとう」
　「ああ、ああ。食ってくれ」

　そして
　「君にも・・・ほれっ」
　あのＯＬにもあげた。
　「あ～ら、いつもからかってばかりいるのに。悪いわね」

　で、
　「うっ！」
　ギュルギュル。
　腹を鳴らすＯＬ。
　「ごめん、ちょっとトイレ・・・」
　彼女は席を立ち、女子トイレへと向かった。
　が、
　「ええ～、何よこの長蛇の列！」
　女子トイレは満員で入れなかった。
　その様子を陰で見ている男性社員。

　「ふふふ、やつがトイレに行けなくなるようにほかの女子社員たちにも消費期限切れお菓子を食わせてトイレをいっぱいにしておいたのさ」
　消費期限に気がつかれないようにお菓子は箱から出して与えた。　
　おまけに下剤を入れたりしたわけではないから後で調べられても問題ない。
　ただ「消費期限に気がついていなかったんです」といえばすむことだ。