けしてまねをなさることのなきようにお願いします

虎 正規

文字の大きさ
5 / 35

誰もが疑問に思ったことのはずですがね

しおりを挟む
 「なあ、アイドルってうんこするのかな?」
 「そりゃ俺たちと同じ種類の生き物だもん、するだろ」
 「いや、しないよ」
 「どうだろう、わかんねえなあ~」
 「よし、じゃあ試してみたらどうだ?」
 「今度クリーム(この作品に現れるアイドルグループの名)がこの町に来るよな?」
 
 クリームのコンサート前。
 「あの~、ファンからの差し入れで~す」
 楽屋に差し入れられる食べ物。
 「あー、はい。ありがとう、そこにおいといて」
 コンサート前に、それもファンからの食べ物がアイドルに送られるか否かは作者はよく知らないのだがまあそこは目をつぶっていただこう。

 「みんな~、のってる~?」
 クリームがステージの上で言う。
 「いえ~い!」
 ペンライトを手にした観客たちが叫んだ。

 「なあ、本当にうんこするのかな?」
 「さあなあ、まず食ってくれたかどうかだ」
 観客たちの中にはああいっていた男子たちもいた。
 「うっ!」
 「ううっ!」
 クリームの面々が顔を青ざめさせた。
 「おや?」
 「どうしたんだろう?」
 クリームの顔色を目ざとく見て取った観客たちがいぶかしむ。
 「やはりあの差し入れに入れた下剤が効いてきたんじゃないか?」
 「じゃあやはり食ったのかな?」
 「え、うそだろ?あのクリームが・・・」
 「あの橋爪ちゃんが・・・あの関沢ちゃんが・・・」
 「磯後ちゃんが・・・昼虎ちゃんが・・・」
 「嶋崎ちゃんが・・・柿原ちゃんが・・・」
 「だ・・・だめ・・・」
 クリームの面々が次々とステージの上に両膝をついていく。
 「くく・・・せめて一曲くらいは・・・」
 彼女たちは必死の思いで起き上がって歌いだす。
 音楽はいつもと変わらず流れ出した。
 決死の思いで歌いだし、踊り始めるクリーム。
 が、歌は早口。
 ダンスはぎくしゃく。
 「うっ・・・くっ・・・くくく・・・」
 プロ意識旺盛なクリーム。

 「ほら、苦しそうだろ?やっぱアイドルでもうんこするんだよ」
 「な、そ、そんな馬鹿な!」
 苦しむクリーム。
 どうにかこうにか最後まで歌い遂げた。
 たちまちクリームは逃げるようにステージを後にし、仮設トイレに殺到。
 だが、あの男子たちがその前に立ちはだかった。
 「何?さっさとどいてっ!」
 「君たちどこに行くの?トイレ?」
 「そうよ、早くどきなさいっ!」
 「嘘だよね、君たちうんこなぞしないよね?」
 「どいて頂戴!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

処理中です...