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第十八話 グレートジャーニ

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瓦礫が弾けた。田中は銃で自殺して、足を回復する。そして装備を整えた。
「どうも、これで借りができちゃったな・・・」
「そんなこと言ってる場合じゃない、ここ付近で生活するのはもう無理だ。移動するんだ!どこか・・新たな・・・」
田中が座った。
「知ってる。あと、あいつは誰だ?」
田中がアルマに指を指す。
「アルマってやつだ。なぜここへ来たは聞いてない・・・」
「そうか~」
そう言い、田中はそこで寝た。
「疲れた、俺はここから離れたくない」
「なぜだ?」
「1年以上ここに住んでいる。ここは俺の全てだ、離れるなんて・・・無理だ~」
「じゃあ、ここにいろ。俺とアルマは安全な場所に行く、ここの未練がなくなったらこっちに来い」
「ああ、わかったよ」
その後、田中は崩れた自分の家の再建を始めた。
「(試験体33号・・・協力が好きな性格ではない。俺がもっと考えればよかったな、あいつらは俺を殺すためこの隕石イベントを起こしたのか?)」
星野はアルマを背負い直し、走り続けた。
「どこに行く?」
「どこでもいいんだ~どこか綺麗な場所に行きたい。今はそう思う・・・」
アルマは星野の清々しい笑顔を見つめている。
「(なんて憎めない奴なんだ~)」
どれぐらいか走ると星野の速度はかなり落ち、歩いてる速度だ。
「なんだかグレートジャーニみたいだな・・・」
ポロリと星野の口から言葉がこぼれ落ちた。
「なんだそれ?」
アルマに地球の文明などわからないのだ。
「知らない?小学校で習ったよ、名前がかっこいいから覚えてた。」
「アフリカにいた人たちが新たな土地を求め、ユーラシア大陸までたどり着いたんだよ・・・今はまさにそんな気分なんだ」
少し喋ったあと、二人に沈黙が続いた。どれだけ進んでも周りには隕石に破壊された地面と自然しかない。雨が降ったこともあり、火はほとんど消えていた。
しかし、煙はまだいろんなところから溢れ出ている。
突然、星野が倒れた。
「おい大丈夫か!?」
アルマは足の痛みに耐えながら心配した。
「(くっそ!痛え!星野はどうしたんだ?)」
うつ伏せの星野をアルマは足を引きずりながら起こした。
「すまない・・・もう歩けそうにない、俺の力ではここまでだ・・・もし、死んだら・・・恨まないでくれ!」
「そんなこと言うな、少し休憩しよう!誰にでも限界はある!」
アルマは揺れながら立った。
「は?お前足は?」
そしてアルマは足に付いてる絆創膏を剥がした。血が地面に落ちる、そこには大きな傷跡があるが、もう塞がっている。
「嘘だろ!?」
「嘘じゃないさ、なぜなら私は地球人ではない。再生力は高いが、君ほどではない。」
星野は困惑していた。
「君がここにいる理由、そして私・・・いや、私たちに招待を全て明かそう!」
to be continued···
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