異世界に転生したら風俗商会の女主になっていた!?

堕ちた勇者

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第3章

半ば

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 この世界では勇者アナッテを祀る聖なる神殿『チベンスパッシュ神殿』があるが、今では忘れられた神殿だ。それをいいことに、俺が商会長の風俗商会『ディカシヒラ』はそこを拠点としている。
 ディカシヒラは俺を合わして15人構成だ。そこに入るには店の売り上げ額を月額で1000000イン以上の会入金がいる。会入金はこの神殿の維持費やこの国の風俗店の取り締まりとかに使う。
 確かに月額はキツいが、会入したら「ディカシヒラ」と言う客が安心して来やすいもうひとつの看板を貰える。だが偽物の看板を使う店もあるから会入している店の名前を書いたチラシを配ったり、変装してパチもん店がないか見回りしている。
 そんな事より、こっちの世界では新年になった。街のあっちこっちでは飲んでいる酔っぱらいの大人が多いが、俺とキナシがいる神殿には東洋人のような黒髪や黒目に、家紋が入っていない黒色の裃を着た男二人組とピンクのドレスの裾に白レースを付けている金髪美少女とメイドが入ってきた。
「「おや、商会長殿」」
「ほほ~、長殿は早りんしたね」
「あら、新左衛門さんとアリスちゃん」
 男二人組の彼らは二人合わせて新左衛門らしい。そんな双子の彼らだが、兄弟で国の東部の大きい風俗店を構えている。
 次にお人形のように可愛らしい少女はアリス・ハサシスミと言う。彼女は北部で外見はロリだが中身は150歳以上が沢山いる風俗店を構えている。物好きな野郎は相当いるらしく全国から来るらしい。メイド姿の秘書は大人だがいいのだろうか…
「今日の集まりでは一体何を話されるのですか?」
「え~っと、新左衛門さんは聞いてませんか?」
「確かに儂らは知っているが新左衛門は忘れやすいからの~…」
 確かに忘れやすい人達だけどそんな可哀想な目で見ないであげて!
 ほら!二人して落ち込んでるし…
「きょっ、今日は年明けなので飲みませんかと去年の冬の集会の時に通知したはずですけど……」
「そうでなんですか!?今日は飲むぞ!!」
「兄者、おらも飲みたい!」
 アリスちゃんはのんきに見ているがケンカ始まりそう…
 でも安心しろちゃんと兄弟揃って飲めからな!
 だから刀を抜こうとするな!!!
「安心して下さい、お供の方々も飲めますから……」
「「「えっ!?」」」
 おい、メイドも嬉しそうにするな!主人の前だろ!!
「全員飲めますからね」
 後は西部と南部の方々が来れば宴の始まりだぜ♪しっかし遅いなぁ~…
「ところでアレックス殿とリン殿はいずこに……」
「まだ来てませんねぇ……」
 アレックスは西部に店を構えていて、店員達のカウボーイチックな服装が有名で人気もそこそこある。一方リンは南部に大きな店を構えているが、ちょっと話に訛りがある。
 そろそろ足音も聞こえて来たから来るかもな…
 どっちが先だ?
 ドアが開くとそこには、アレック……
「えっ?あっ?女王様!!?」
 なんでドM勇者が!!??
 訳がわからんが、国王の城に転移しろ!!
「ヴィアイ・ホーク!!!」
 クソ勇者は青く発光すると消えた。
 助かった~……
「あの~、商会長殿…今のは………」
「忘れなさい!」
「「はっ!はい!!!」 」
 いや!もう記憶から消してしまえ!!
「シンナマ・ヘカサー!!」
 俺は勢い良く立ち上がると、この場にいる全員に今さっきの出来事を忘れさせるために忘れさせる魔法を使った。
 まぁ、その後は何事も無かったように時が過ぎた。やっとアレックスとリンは来た。
 アレックスは新聞の取材を受けていて遅れたらしく、リンは寝坊だった……
「では皆さま、今年もよろしくお願いいたします!乾杯!!」
「「「「「かんぱーーい!」」」」」
 乾杯をし合うとワインが入った金のコップがコツンといい音を上げる。
 ワインを一気に飲み干すと、2杯目を各自で好きな酒を注いだ。ビールは無かったはずだが、アレックスはどこから持って来たのか瓶ビールを開け始めていた。
……、………

 そして俺らはいい感じに酔ったり食ったりした。キナシが飲み過ぎて気持ち悪くなったようで俺らはお開きにした。
 なんだかんだで楽しかった集会から店の中庭に帰って来た。

 今年もいい一年になりますように!
 
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