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第22話ー3
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ここが4階だけに、考えられる相手は限られており、すぐに察したベルが窓を開ける。
案の定、縁にぶら下がっていたそれ――ハナが、城壁をよじ登って中に入って来た。
ベルの顔を見るよりも先に、ルフィーナの顔を見る。
純粋なガット・ネーロの耳を持つハナは、今の会話を聞き取っていた様子に見えた。
「ちょっと出て行ってくれるか、ルフィーナさん」
そう真顔で言ったハナに、ルフィーナが承知してベルの部屋から出て行った。
昨夜のことが互いに恥ずかしく、赤面して顔を背け合うベルとハナだったが、いつまでもそんなことをしていられる気分でもなかった。
「なぁ、ベル」
「ハナっ……!」
と、ベルがハナにしがみ付く。
それだけで友人の胸中が伝わって来て、ハナが宥めるようにその身体を抱き締めた。
「私は宰相失格です…! つくづく国民想いで、強く優しく、またこの先フラヴィオ様を愛する努力をしてくださるという彼女は、きっと私よりずっとフラヴィオ様の後妻に相応しい女性になるのでしょう。それなのに、私は……!」
「そんなに自分を責めたらダメだ、ベル。さっきのは、あたいがベルでも返事に困ってたよ。だって、今フラビーと愛し合ってるのはベルなんだから、当たり前じゃないか。言っておくけど、フラビーはベルを後妻にしたいと思ってるから、その……昨夜みたいなことしたのも、あたいには分かる。決して、酒池肉林王の気まぐれとかじゃないぞ? フラビーは国王として口に出しては言えないけど、ベルを後妻にしたいって思ってるんだ。ベルを愛してるんだ、ベルと愛し合ってるんだ」
「私はフラヴィオ様の妻には相応しくないのです! それにムネ殿下の仰る通り、フラヴィオ様の後妻にはルフィーナさんを始めとするメッゾサングエを迎えなければならないのです!」
一呼吸置いて、ハナが問う。
「一応まだフラビーに見合ったメッゾサングエ探してるし、未来はどうなるか分からないけど、今のところそれは宰相の中で絶対?」
「絶対です。二度と同じ過ちを繰り返すわけには行きません」
「じゃあ、ベルが『側室』になるっていう考えは?」
「ありません。フラヴィオ様に妾100人出来る覚悟で結婚されたヴィットーリア王妃陛下ではあるまいし、普通に考えて次の王妃陛下になる女性を不快にさせてしまうからです」
「まぁ、たしかに今までは、大人物過ぎたヴィットーリアさんだから許されたのかもしれないけど……」
とハナは少しのあいだ当惑顔で黙考した後、意を決したように「じゃあ」と声を強くした。
「もう、決まりだ。鋼の女がそう言うなら、どうにもこうにも決まりだ。なら、それが決まりだからって身を引こうとするんじゃなくて、それが決まりだからこそ、今は素直にフラビーと愛し合うんだ、ベル」
ベルが困惑してハナの顔を見る。
それでは宰相失格じゃないのか。
でもハナは「大丈夫だ」と言った。
「ベルは宰相失格にはならない。未来にどんな辛い想いをしても、ベルは宰相失格になるようなことを出来ない。してしまったら、また同じ過ちを繰り返すし、フラビーの――主の最大の財産であるこの国を他国に奪われることになるかもしれないし、さらに極端なことを言えば、主の命にも関わって来るからだ。あたいはベルがどういう女か良く知ってる。そんなの、ベルが出来るわけがない。いくら心の中で次の王妃を望んだって、それを口に出して言ったって、行動に出さなきゃ失格にはならない。ベルは、宰相失格にはなれない。だから今は、フラビーに応えて愛し合えばいい。応えてやらなきゃ駄目だ、フラビーの片思いならまだしも、愛し合ってるんだから」
と、その黄色い瞳からふと涙が落ちた。
「本当はさ、あたいはベルを王妃にしたいんだ。昨日、交換日記読んで、ベルはフラビーの妻になりたいんだって、確信してさ。だからあたい、昨日レオーネに帰ってから、マサムネに次の王妃はベルにすべきだって、何十回も言ったんだ。でも、窮地に立たされてるこの国を救うには、ルフィーナが王妃だって言って、聞いてくれなくてさ……」
ハナが涙を拭って「だから」と続ける。
「未来にそうしなきゃいけないっていうなら、今を存分に楽しめばいいじゃないか。今フラビーと愛し合ってるのはベルなんだから、その日が来るまで好きなだけ愛し合えばいいじゃないか。じゃないと、フラビーを傷付けることになるぞ。それってベルが、一番避けたいことだろ? それに、あたいは恋人っていたことないから分からないけど、きっと何か特別な幸せがあるんだ。それを知らずに引き下がるより、後悔してでも知った方が幸せだとあたいは思うよ。だからもう迷うな、ベル」
と、ハナがベルの顔を両手で包み込んだ。
真剣な顔がそこにある。
「許されるのは、今だけなんだ」
それはさっき、フラヴィオからも聞いた台詞だった。
「今だけは許されるんだよ、ベル。あとどれくらいの期間か分からないけど、どんなに愛し合ったっていいんだ。どんなに夢見たって、望んだって、いいんだ。今だけでも女として幸せになって来い、ベル」
「――…ハナ……」
顔を包み込む手からたしかな友愛を感じながら、ベルの栗色の瞳に涙が滲む。
「本当のことを教えて……私は、フラヴィオ様の恋人に相応しい?」
「当たり前じゃないか」
と、ハナが笑った。
「自信を持つんだ、胸を張るんだ、ベル。ベルはどこに出したって恥ずかしくない、あたいの自慢の友達だよ。ていうか、フラビーに相応しい女こそベルなんだ。だって、フラビーが選んだんだから。それを証拠に」
と、ハナの黒猫の耳が宮廷の中の声を聞き取って動く。
「みーんな、ベルがフラビーに相応しいって認めてる。みーんな、次の王妃はベルだと思って、喜んでる」
「え?」
「宮廷中に広まってるぞ? ベルが愛の力で、フラビーの声を取り戻したって」
どうやらフラヴィオは、そう言いふらしながら『中の中庭』へと向かって行ったらしい。
溜まらず赤面してしまうベルの一方、ハナが「だから」と話を続ける。
「今は余計なこと考えないで、素直にフラビーと彼氏彼女をやるんだ。そういう関係でしか知ること出来ない女の幸せを味わってくるんだ、フラビーを男として幸せにしてくるんだ。そして、それを終わりにしなきゃいけない日が来たって……何、大丈夫だ」
とハナが、ベルを安堵させるような、大きな笑顔を見せた。
「仕事さぼってでも、宮廷中から罵詈雑言や石を投げられても、あたいが一緒にいるよ。ベルが泣き止むまで、何時間でも、何日でも、何カ月でも、何年でも、あたいがずっと抱き締めてるよ――」
案の定、縁にぶら下がっていたそれ――ハナが、城壁をよじ登って中に入って来た。
ベルの顔を見るよりも先に、ルフィーナの顔を見る。
純粋なガット・ネーロの耳を持つハナは、今の会話を聞き取っていた様子に見えた。
「ちょっと出て行ってくれるか、ルフィーナさん」
そう真顔で言ったハナに、ルフィーナが承知してベルの部屋から出て行った。
昨夜のことが互いに恥ずかしく、赤面して顔を背け合うベルとハナだったが、いつまでもそんなことをしていられる気分でもなかった。
「なぁ、ベル」
「ハナっ……!」
と、ベルがハナにしがみ付く。
それだけで友人の胸中が伝わって来て、ハナが宥めるようにその身体を抱き締めた。
「私は宰相失格です…! つくづく国民想いで、強く優しく、またこの先フラヴィオ様を愛する努力をしてくださるという彼女は、きっと私よりずっとフラヴィオ様の後妻に相応しい女性になるのでしょう。それなのに、私は……!」
「そんなに自分を責めたらダメだ、ベル。さっきのは、あたいがベルでも返事に困ってたよ。だって、今フラビーと愛し合ってるのはベルなんだから、当たり前じゃないか。言っておくけど、フラビーはベルを後妻にしたいと思ってるから、その……昨夜みたいなことしたのも、あたいには分かる。決して、酒池肉林王の気まぐれとかじゃないぞ? フラビーは国王として口に出しては言えないけど、ベルを後妻にしたいって思ってるんだ。ベルを愛してるんだ、ベルと愛し合ってるんだ」
「私はフラヴィオ様の妻には相応しくないのです! それにムネ殿下の仰る通り、フラヴィオ様の後妻にはルフィーナさんを始めとするメッゾサングエを迎えなければならないのです!」
一呼吸置いて、ハナが問う。
「一応まだフラビーに見合ったメッゾサングエ探してるし、未来はどうなるか分からないけど、今のところそれは宰相の中で絶対?」
「絶対です。二度と同じ過ちを繰り返すわけには行きません」
「じゃあ、ベルが『側室』になるっていう考えは?」
「ありません。フラヴィオ様に妾100人出来る覚悟で結婚されたヴィットーリア王妃陛下ではあるまいし、普通に考えて次の王妃陛下になる女性を不快にさせてしまうからです」
「まぁ、たしかに今までは、大人物過ぎたヴィットーリアさんだから許されたのかもしれないけど……」
とハナは少しのあいだ当惑顔で黙考した後、意を決したように「じゃあ」と声を強くした。
「もう、決まりだ。鋼の女がそう言うなら、どうにもこうにも決まりだ。なら、それが決まりだからって身を引こうとするんじゃなくて、それが決まりだからこそ、今は素直にフラビーと愛し合うんだ、ベル」
ベルが困惑してハナの顔を見る。
それでは宰相失格じゃないのか。
でもハナは「大丈夫だ」と言った。
「ベルは宰相失格にはならない。未来にどんな辛い想いをしても、ベルは宰相失格になるようなことを出来ない。してしまったら、また同じ過ちを繰り返すし、フラビーの――主の最大の財産であるこの国を他国に奪われることになるかもしれないし、さらに極端なことを言えば、主の命にも関わって来るからだ。あたいはベルがどういう女か良く知ってる。そんなの、ベルが出来るわけがない。いくら心の中で次の王妃を望んだって、それを口に出して言ったって、行動に出さなきゃ失格にはならない。ベルは、宰相失格にはなれない。だから今は、フラビーに応えて愛し合えばいい。応えてやらなきゃ駄目だ、フラビーの片思いならまだしも、愛し合ってるんだから」
と、その黄色い瞳からふと涙が落ちた。
「本当はさ、あたいはベルを王妃にしたいんだ。昨日、交換日記読んで、ベルはフラビーの妻になりたいんだって、確信してさ。だからあたい、昨日レオーネに帰ってから、マサムネに次の王妃はベルにすべきだって、何十回も言ったんだ。でも、窮地に立たされてるこの国を救うには、ルフィーナが王妃だって言って、聞いてくれなくてさ……」
ハナが涙を拭って「だから」と続ける。
「未来にそうしなきゃいけないっていうなら、今を存分に楽しめばいいじゃないか。今フラビーと愛し合ってるのはベルなんだから、その日が来るまで好きなだけ愛し合えばいいじゃないか。じゃないと、フラビーを傷付けることになるぞ。それってベルが、一番避けたいことだろ? それに、あたいは恋人っていたことないから分からないけど、きっと何か特別な幸せがあるんだ。それを知らずに引き下がるより、後悔してでも知った方が幸せだとあたいは思うよ。だからもう迷うな、ベル」
と、ハナがベルの顔を両手で包み込んだ。
真剣な顔がそこにある。
「許されるのは、今だけなんだ」
それはさっき、フラヴィオからも聞いた台詞だった。
「今だけは許されるんだよ、ベル。あとどれくらいの期間か分からないけど、どんなに愛し合ったっていいんだ。どんなに夢見たって、望んだって、いいんだ。今だけでも女として幸せになって来い、ベル」
「――…ハナ……」
顔を包み込む手からたしかな友愛を感じながら、ベルの栗色の瞳に涙が滲む。
「本当のことを教えて……私は、フラヴィオ様の恋人に相応しい?」
「当たり前じゃないか」
と、ハナが笑った。
「自信を持つんだ、胸を張るんだ、ベル。ベルはどこに出したって恥ずかしくない、あたいの自慢の友達だよ。ていうか、フラビーに相応しい女こそベルなんだ。だって、フラビーが選んだんだから。それを証拠に」
と、ハナの黒猫の耳が宮廷の中の声を聞き取って動く。
「みーんな、ベルがフラビーに相応しいって認めてる。みーんな、次の王妃はベルだと思って、喜んでる」
「え?」
「宮廷中に広まってるぞ? ベルが愛の力で、フラビーの声を取り戻したって」
どうやらフラヴィオは、そう言いふらしながら『中の中庭』へと向かって行ったらしい。
溜まらず赤面してしまうベルの一方、ハナが「だから」と話を続ける。
「今は余計なこと考えないで、素直にフラビーと彼氏彼女をやるんだ。そういう関係でしか知ること出来ない女の幸せを味わってくるんだ、フラビーを男として幸せにしてくるんだ。そして、それを終わりにしなきゃいけない日が来たって……何、大丈夫だ」
とハナが、ベルを安堵させるような、大きな笑顔を見せた。
「仕事さぼってでも、宮廷中から罵詈雑言や石を投げられても、あたいが一緒にいるよ。ベルが泣き止むまで、何時間でも、何日でも、何カ月でも、何年でも、あたいがずっと抱き締めてるよ――」
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