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第25話ー1 妬心
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最強モストロのメッゾサングエならではの反射神経で、頬に当たる寸前のところでベラドンナの右拳を両手で受け止めて見せたルフィーナ。
そこまでは良かった。
覆いかぶさるようにして殴り掛かって来たベラドンナの拳には、腕力に加えて体重が乗り、ずっしりと重く、とてもではないが止めることは出来ない。
これが小柄で華奢なベルだったらなんてことなかったが、相手は身長170cmあるだけでなく、はち切れそうな胸元と臀部だけでも結構な重量がありそうなベラドンナだ。
その右腕が伸び切ると身体が宙に浮き、優に3m飛ばされた。
芝生の上に落ち、「きゃっ」と声を上げる。
人間の女に拳で殴られたのも初めてだが、人間の女の一撃でこんなに吹っ飛んだのも初めてだ。
「ベっ…ベラドンナさん、さっき『ワタシみたいな非力でか弱い人間の女』って……!」
「そうよ! それなのに暴力を振るうなんて、最低のメッゾサングエね!」
「それは謝りますけど、『人間の女』って部分しか合ってませんよ! どこが非力でか弱いんですか! これは、戦場でご活躍出来ますよ!」
「何ワタシを怪力女呼ばわりしてんのよ! 失礼ね!」
「いや、だって――」
「それより!」
と、ベラドンナがルフィーナの言葉を遮った。
「さっさとベルに謝りなさいよ! アンタ、自分のしたこと分かってるの!?」
分かっている。
だがルフィーナは、今はさらさらベルに謝罪する気にはなれなかった。
「さっきも言いましたが、ベルさんは陛下から頂いた指輪を、左手薬指にする資格はありません!」
「どこの指に指輪をしようが、ベルの勝手だって言ってんでしょ! 大体そうであろうが無かろうが、やって良いことと悪いことがあんのよ! ベルに謝りなさい!」
「嫌です!」
「こんのっ……!」
と、ベラドンナがルフィーナに飛び掛かり、取っ組み合いが始める。
それに気付いたアリーチェが、悲鳴を上げながらやって来、騒ぎに気付いた使用人たちが中庭で鍛錬中のフラヴィオたちを呼んで来る。
「――こっ、こらこらこら!」
とアドルフォが大暴れしていた妻ベラドンナを羽交い絞めにし、フェデリコが芝生の上に倒れているルフィーナを起こす。
2人のあいだに入ったフラヴィオは、狼狽しながら両者を交互に見た。
どちらも髪が酷く乱れ、芝生だらけになっている。
「なっ、何があったのだ……!?」
双方の口から同時に発せられる言い分を聞いているうちに、フラヴィオがそういうことかと苦笑していく。
「要は、余が悪いのか。申し訳ない」
とルフィーナの顔を見た後、ベルの姿を探す。
見つけるなり泣き顔が飛び込んで来て、駆け出そうとしたフラヴィオの腕をルフィーナが「あっ!」と掴んだ。
「つっ…次の王妃はわたしです、陛下! もう、決まりましたっ……!」
少し間を置いて「そうか」と返したフラヴィオが、ルフィーナの様子を見ながら続ける。
「ピンクのオルキデーア石の指輪が欲しいのだな? 分かった。次にまた時間が取れたら、鉱山に行ってくる」
その言葉に「スィー!」と笑顔を咲かせたルフィーナの手前、フラヴィオが「だが」と言った。
「今はまだ、余はそなたに求婚することは出来ない。それでも良いか?」
「――…陛下っ……」
傷付いた若草色の瞳に涙が浮かぶと、フラヴィオの胸に痛みが走った。
反射的に開きかけた口を、すぐに閉じる。
訂正せねばならぬことは言っていない。
その若草色の瞳から涙が零れ落ちると、ルフィーナが逃げるように搦手門の方へと走り去って行った。
その背を黙って見送った後、フラヴィオはベルの方へと駆けていく。
この場に集まって来た使用人たちのうち、半分がフラヴィオの後を追って指輪探しを手伝い、もう半分は驚愕の顔をしてベラドンナたちの顔を見ていた。
「ルフィーナさんが陛下の後妻に決まったって、本当なのですか?」
「そうみたいね、あの子いわく」
とベラドンナが答えると、使用人たちがどよめいて遠くにいるベルたちを見た。
「どうしてベル様じゃなくて、ルフィーナさんなんです? 陛下のご寵愛はベル様なのに」
「今は、お姉様を――ヴィットーリア王妃陛下を亡くしたときの過ちを繰り返さないため、とだけ言っておくわ。フラヴィオ様は、国王陛下だからその責任があるのよ」
使用人たちの顔が見合わせて困惑していく。
「あたし嫌……陛下とベル様がお気の毒だわ。それにどこが『王妃』なの? 顔立ちが可愛いのは分かるけど、それだけじゃない。ベル様には何ひとつ勝ってないし、ヴィットーリア陛下とは雲泥の差だわ」
「わたしも嫌。使用人として入って来たときから陛下やベル様に生意気な口聞いてて嫌いだったけど……ベル様が陛下から頂いた指輪を投げ捨てたですって?」
「最低よね。それに、民衆は次の王妃陛下はベル様だって期待してるのに……」
フェデリコが、ふと咳払いをして使用人の注目を集めた。
「君たちも、ベルの指輪探しを手伝ってやってくれないか?」
はっとした使用人たちが「スィー!」と返事をして、ベルたちの方へと駆けて行く。
「そして私たちも手伝ってやらねば」
とフェデリコが続けると、3人が同意した。
ベルたちの方へと向かって4人横に並んで歩きながら、アリーチェが少し狼狽した様子で口を開いた。
「ルフィーナさんがメッゾサングエってバレる前からコレって、まずいんじゃない?」
「そうね。あの子、今はなるべく支持者を集めておくべきところなのに。それどころか、どんどん墓穴掘りそうね」
と、ベラドンナが、さっきルフィーナが走り去っていった搦手門の方を一瞥した。
「あの子が最初、純粋にうちの国民を救おうと思ってフラヴィオ様の後妻になろうとしたのは分かるのよ。立派な女性だと思うわ。でも今は、ただの嫉妬に狂った女ね。さっきベルにしたことだって、自分の評価を落とすだけだってことに気付いてないのかしら」
「私たちはどうしても兄上やベルの目線になってしまうが、ルフィーナ殿の立場にもなってみなければ駄目だ」
とフェデリコが言うと、アドルフォが続いた。
「なんというか、ルフィーナ殿はどこか怯えているように見える。怖いだけなのかもな」
アリーチェが「そうね」と同意した。
「言われてみれば、わたしがルフィーナさんの立場でも不安になるわ。だって妻になる以上、夫には他の女性より愛して欲しいって思うのは当然のことでしょう? でも、フラヴィオ様にベルより愛してもらえると思う? 本来、善良なルフィーナさんが、ああなってしまってもおかしくないのかも」
「だからこの先、あの子は墓穴掘るだけだって言ってんのよ」
と溜め息を吐いたベラドンナ。
ベルたちの付近にやって来て、指輪を探しながら使用人たちの会話に耳を傾けた。
「本当に最低だわ、ルフィーナさんて。理由がどうあれ、人のものを投げ捨てておいて謝りもしないって……」
「ていうか王妃に確定したって、自分が勝手に言ってるだけよね? だってさっき、陛下が仰ってたじゃない? ルフィーナさんに求婚出来ないって」
「そうよね。んじゃ、やっぱりただの使用人ってことよね。なんでそれで天使様に対して上から目線なわけ? 天使様の中でもベル様は宰相閣下なのよ?」
「勘違いも甚だしいわ! あたし、ルフィーナさんが王妃になったとしても絶対従わない」
ふと、自身がアドルフォの子供を授からなかったときを思い出して、ベラドンナの胸がうずく。
陰口を叩かれる辛さは既知だ。
ルフィーナの場合、耳が利くのだから余計に聞こえてしまうことだろう。
ベラドンナは口から息を吸い込むと、辺りに散らばっている使用人たちに聞こえるように声を大きくした。
「無駄口叩いてると、見つかるものも見つからないわよ?」
「スィー!」の返事の後、しばらくのあいだ静寂が訪れた。
ベルの涙を見て、誰よりも必死に探していたフラヴィオが、やがて「おっ」と声を上げる。
「あったぞ、ベル!」
と、駆け寄っていく。
たしかにその右手の親指と人差し指にはライラック色のオルキデーア石の指輪が摘ままれていて、一同から安堵の笑顔が漏れた。
それをベルの左手薬指にはめようとしたフラヴィオの手に、ベラドンナの手が重なる。
「夜、部屋に戻ってからにした方がいいわ」
フラヴィオは「そうだな」と答えると、ベルから鎖を受け取った。それを指輪に通して、ベルの首に装着する。
周りから拍手が起こった。
「ネックレスでも似合うわ、ベル!」
「素敵です、ベル様! ていうか……わぁ、凄い! なんて綺麗なオルキデーア石でしょう!」
「ほんとだーっ!」
使用人たちがベルの周りに集まって、首から下げている指輪を食い入るように見つめる傍ら。
フラヴィオ・フェデリコ・アドルフォの3人が、ふと同時に宮廷の屋根の方を見上げた。
それに気付いたベラドンナが、3人の視線を追っていく。
するとそこにはルフィーナの姿があった。
宮廷は4階建てで高く、その表情ははっきりとは見えない。
でも、嫉妬に歪んだ目でベルを見つめていることと、涙を流していることは分かった。
「――……ベル」
使用人たちに囲まれているベルが、「スィー」と答えながらベラドンナの方へと顔を向けた。
「アンタ……これから気を付けなさい――」
そこまでは良かった。
覆いかぶさるようにして殴り掛かって来たベラドンナの拳には、腕力に加えて体重が乗り、ずっしりと重く、とてもではないが止めることは出来ない。
これが小柄で華奢なベルだったらなんてことなかったが、相手は身長170cmあるだけでなく、はち切れそうな胸元と臀部だけでも結構な重量がありそうなベラドンナだ。
その右腕が伸び切ると身体が宙に浮き、優に3m飛ばされた。
芝生の上に落ち、「きゃっ」と声を上げる。
人間の女に拳で殴られたのも初めてだが、人間の女の一撃でこんなに吹っ飛んだのも初めてだ。
「ベっ…ベラドンナさん、さっき『ワタシみたいな非力でか弱い人間の女』って……!」
「そうよ! それなのに暴力を振るうなんて、最低のメッゾサングエね!」
「それは謝りますけど、『人間の女』って部分しか合ってませんよ! どこが非力でか弱いんですか! これは、戦場でご活躍出来ますよ!」
「何ワタシを怪力女呼ばわりしてんのよ! 失礼ね!」
「いや、だって――」
「それより!」
と、ベラドンナがルフィーナの言葉を遮った。
「さっさとベルに謝りなさいよ! アンタ、自分のしたこと分かってるの!?」
分かっている。
だがルフィーナは、今はさらさらベルに謝罪する気にはなれなかった。
「さっきも言いましたが、ベルさんは陛下から頂いた指輪を、左手薬指にする資格はありません!」
「どこの指に指輪をしようが、ベルの勝手だって言ってんでしょ! 大体そうであろうが無かろうが、やって良いことと悪いことがあんのよ! ベルに謝りなさい!」
「嫌です!」
「こんのっ……!」
と、ベラドンナがルフィーナに飛び掛かり、取っ組み合いが始める。
それに気付いたアリーチェが、悲鳴を上げながらやって来、騒ぎに気付いた使用人たちが中庭で鍛錬中のフラヴィオたちを呼んで来る。
「――こっ、こらこらこら!」
とアドルフォが大暴れしていた妻ベラドンナを羽交い絞めにし、フェデリコが芝生の上に倒れているルフィーナを起こす。
2人のあいだに入ったフラヴィオは、狼狽しながら両者を交互に見た。
どちらも髪が酷く乱れ、芝生だらけになっている。
「なっ、何があったのだ……!?」
双方の口から同時に発せられる言い分を聞いているうちに、フラヴィオがそういうことかと苦笑していく。
「要は、余が悪いのか。申し訳ない」
とルフィーナの顔を見た後、ベルの姿を探す。
見つけるなり泣き顔が飛び込んで来て、駆け出そうとしたフラヴィオの腕をルフィーナが「あっ!」と掴んだ。
「つっ…次の王妃はわたしです、陛下! もう、決まりましたっ……!」
少し間を置いて「そうか」と返したフラヴィオが、ルフィーナの様子を見ながら続ける。
「ピンクのオルキデーア石の指輪が欲しいのだな? 分かった。次にまた時間が取れたら、鉱山に行ってくる」
その言葉に「スィー!」と笑顔を咲かせたルフィーナの手前、フラヴィオが「だが」と言った。
「今はまだ、余はそなたに求婚することは出来ない。それでも良いか?」
「――…陛下っ……」
傷付いた若草色の瞳に涙が浮かぶと、フラヴィオの胸に痛みが走った。
反射的に開きかけた口を、すぐに閉じる。
訂正せねばならぬことは言っていない。
その若草色の瞳から涙が零れ落ちると、ルフィーナが逃げるように搦手門の方へと走り去って行った。
その背を黙って見送った後、フラヴィオはベルの方へと駆けていく。
この場に集まって来た使用人たちのうち、半分がフラヴィオの後を追って指輪探しを手伝い、もう半分は驚愕の顔をしてベラドンナたちの顔を見ていた。
「ルフィーナさんが陛下の後妻に決まったって、本当なのですか?」
「そうみたいね、あの子いわく」
とベラドンナが答えると、使用人たちがどよめいて遠くにいるベルたちを見た。
「どうしてベル様じゃなくて、ルフィーナさんなんです? 陛下のご寵愛はベル様なのに」
「今は、お姉様を――ヴィットーリア王妃陛下を亡くしたときの過ちを繰り返さないため、とだけ言っておくわ。フラヴィオ様は、国王陛下だからその責任があるのよ」
使用人たちの顔が見合わせて困惑していく。
「あたし嫌……陛下とベル様がお気の毒だわ。それにどこが『王妃』なの? 顔立ちが可愛いのは分かるけど、それだけじゃない。ベル様には何ひとつ勝ってないし、ヴィットーリア陛下とは雲泥の差だわ」
「わたしも嫌。使用人として入って来たときから陛下やベル様に生意気な口聞いてて嫌いだったけど……ベル様が陛下から頂いた指輪を投げ捨てたですって?」
「最低よね。それに、民衆は次の王妃陛下はベル様だって期待してるのに……」
フェデリコが、ふと咳払いをして使用人の注目を集めた。
「君たちも、ベルの指輪探しを手伝ってやってくれないか?」
はっとした使用人たちが「スィー!」と返事をして、ベルたちの方へと駆けて行く。
「そして私たちも手伝ってやらねば」
とフェデリコが続けると、3人が同意した。
ベルたちの方へと向かって4人横に並んで歩きながら、アリーチェが少し狼狽した様子で口を開いた。
「ルフィーナさんがメッゾサングエってバレる前からコレって、まずいんじゃない?」
「そうね。あの子、今はなるべく支持者を集めておくべきところなのに。それどころか、どんどん墓穴掘りそうね」
と、ベラドンナが、さっきルフィーナが走り去っていった搦手門の方を一瞥した。
「あの子が最初、純粋にうちの国民を救おうと思ってフラヴィオ様の後妻になろうとしたのは分かるのよ。立派な女性だと思うわ。でも今は、ただの嫉妬に狂った女ね。さっきベルにしたことだって、自分の評価を落とすだけだってことに気付いてないのかしら」
「私たちはどうしても兄上やベルの目線になってしまうが、ルフィーナ殿の立場にもなってみなければ駄目だ」
とフェデリコが言うと、アドルフォが続いた。
「なんというか、ルフィーナ殿はどこか怯えているように見える。怖いだけなのかもな」
アリーチェが「そうね」と同意した。
「言われてみれば、わたしがルフィーナさんの立場でも不安になるわ。だって妻になる以上、夫には他の女性より愛して欲しいって思うのは当然のことでしょう? でも、フラヴィオ様にベルより愛してもらえると思う? 本来、善良なルフィーナさんが、ああなってしまってもおかしくないのかも」
「だからこの先、あの子は墓穴掘るだけだって言ってんのよ」
と溜め息を吐いたベラドンナ。
ベルたちの付近にやって来て、指輪を探しながら使用人たちの会話に耳を傾けた。
「本当に最低だわ、ルフィーナさんて。理由がどうあれ、人のものを投げ捨てておいて謝りもしないって……」
「ていうか王妃に確定したって、自分が勝手に言ってるだけよね? だってさっき、陛下が仰ってたじゃない? ルフィーナさんに求婚出来ないって」
「そうよね。んじゃ、やっぱりただの使用人ってことよね。なんでそれで天使様に対して上から目線なわけ? 天使様の中でもベル様は宰相閣下なのよ?」
「勘違いも甚だしいわ! あたし、ルフィーナさんが王妃になったとしても絶対従わない」
ふと、自身がアドルフォの子供を授からなかったときを思い出して、ベラドンナの胸がうずく。
陰口を叩かれる辛さは既知だ。
ルフィーナの場合、耳が利くのだから余計に聞こえてしまうことだろう。
ベラドンナは口から息を吸い込むと、辺りに散らばっている使用人たちに聞こえるように声を大きくした。
「無駄口叩いてると、見つかるものも見つからないわよ?」
「スィー!」の返事の後、しばらくのあいだ静寂が訪れた。
ベルの涙を見て、誰よりも必死に探していたフラヴィオが、やがて「おっ」と声を上げる。
「あったぞ、ベル!」
と、駆け寄っていく。
たしかにその右手の親指と人差し指にはライラック色のオルキデーア石の指輪が摘ままれていて、一同から安堵の笑顔が漏れた。
それをベルの左手薬指にはめようとしたフラヴィオの手に、ベラドンナの手が重なる。
「夜、部屋に戻ってからにした方がいいわ」
フラヴィオは「そうだな」と答えると、ベルから鎖を受け取った。それを指輪に通して、ベルの首に装着する。
周りから拍手が起こった。
「ネックレスでも似合うわ、ベル!」
「素敵です、ベル様! ていうか……わぁ、凄い! なんて綺麗なオルキデーア石でしょう!」
「ほんとだーっ!」
使用人たちがベルの周りに集まって、首から下げている指輪を食い入るように見つめる傍ら。
フラヴィオ・フェデリコ・アドルフォの3人が、ふと同時に宮廷の屋根の方を見上げた。
それに気付いたベラドンナが、3人の視線を追っていく。
するとそこにはルフィーナの姿があった。
宮廷は4階建てで高く、その表情ははっきりとは見えない。
でも、嫉妬に歪んだ目でベルを見つめていることと、涙を流していることは分かった。
「――……ベル」
使用人たちに囲まれているベルが、「スィー」と答えながらベラドンナの方へと顔を向けた。
「アンタ……これから気を付けなさい――」
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