囚われの姫ですが、残念ながら魔王にも勇者にも相手にされません…

3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)

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第11話(ルート2)

「婚約者か~。」

 私はベッドへと座り直し、頬杖をついてその言葉を暫し考えた。
 王族だから仕方ないのは分かってはいるが……私の口からは憂鬱な溜め息しか出てこない。

「ハァ~ァ……。でも、だからと言って諦めることなんてしない! 私はせっかく魔王に攫われたのなら、あの絵本の様に勇者様が助けに来てくれるのを待ちたいわ。」

 気になるからといって自らここを抜け出し、拷問を受けている王子たちを助けに行くという選択肢を取れば、その夢は打ち砕かれてしまう。
 気にはなってもどこの国の誰かも分からないのだし、このチャンスを逃してしまうのは嫌なのだ。

「でも……子供とか言っていたのが少し引っかかるわね。魔王の眷属たちは人間よりも長寿で、だいたいの人間が子供に見えるとはいえ――。」

 そう言うことではないのかもしれないし。
 周辺国家の中で、私よりも年下である程度釣り合いの取れる王子のいる国といえば………ベルクヴェルク帝国かしら?

 でもあの国は鉱山が多数あって富豪国ではあるけど他国には無関心だし、私が嫁いだところで友好関係を結べるとも思えない感じだから可能性は低い気もするわね。

 とはいえ、単に体格が小柄なのを「子供」だと御認識しただけかも分からないし……。
 そうなると他には―――。

 そんなことを考えていると、壁の向こうでドッバーンという爆発音がけたたましく鳴った。
 更には音と共に外では土煙でも舞ったのか、牢屋の壁の隙間から煙が少し漏れ出てきたのだった。

「あら……もしかして!」

 私は煙が出てきた部分の石壁にどうにか穴をあけ、外の様子を見ることにした。
 ここの壁は煉瓦と同じ様な大きさに切りだした石のブロックを積み重ねただけの単純な造りだ。
 しかもだいぶ老朽化が進んでいると感じられるこの牢屋はよく見れば細かい隙間だらけで、ボロボロと欠けの多い石のブロックを一つ動かす程度なんて余裕だった。

「ん~~しょっと!」

 広げた穴から外を見たが、煙がたっているだけでまだ何も見えない……。

「ここまでの煙……さっきの音からしても、何か爆発したのかしらねぇ?」

 やがて煙が晴れてくると、魔王怖い顔をしてそこに立っていた。

「何をしているのかしら?」

 私は魔王が見ている方へと視線を動かしてみた。
 するとそこには青銀色をした武具を纏った小さな男の子が立っていた。

「―――誰っ!?」

 年齢は……見た感じ、私よりも5歳は下ってところかな?

「えっ? まさかあの方が私の婚約者だっていうの!?」

 そんな――まさか、ねぇ………。
 いくらなんでもそれは無いでしょ、うん。
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