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「人間め……!!!」
私は森への道を歩きながら、人間に引き裂かれてもうボロボロとなって胸の先と恥部をようやく隠せているだけの服とももう言えなくなってしまった自身の体に垂れ下がるボロ切れの端を握りしめながら涙を流し、ワナワナと怒りに燃えていた。
その怒りに任せて握られた拳の内側からは、自らの爪が手の平に刺さってそこから流れた血がポタポタと滴っていたが、大きすぎる怒りの感情により痛みの感覚は麻痺し、微塵も感じることはなかった……。
私はトラッドニアの森で生まれ、30歳の誕生日を迎えた朝に「森の賢者」と呼ばれる森の中央に鎮座した喋る大樹の許へと向かった。
森の賢者はエルフが国を築く前、森さえできていなかった頃から生きている最長寿なので、森の中の事なら何でも知っているこの森と森に住まう者たちを守りし大切な存在なのだ。
この森で生きるエルフは皆、成人するとこの森の賢者の許へと行き、成人まで無事に育ったという感謝と報告をし、この先死ぬまで生まれ育った森を守る戦士として生きるという使命を森の賢者に与えられて、神の代理人の様な存在たる森の賢者に誓いを立てる。
使命を与えられたエルフは加護という名の能力を与えられ、それによって例え森を出たとしてもこの森に戻ってくることができ、この森に住まうあらゆる動物達と心の声によって話をすることができる様になるのだ。
成人前のエルフや他種族の者ら加護無き者はエルフの聖域には入ることができず、そのまま森を一旦出てしまえば二度とこのエルフの国の入り口さえ見つけることもできなくなり、『迷い子』となって帰ってこれなくなってしまう。
その為に成人するまでは決して国から出てはならぬと、誰もが物心が付いた頃から厳しくこの森に長く住まう年長者たちに言われてきていた。
「出てはならぬって言われているけども……、そもそも私たちには出る用事なんて特にないわよねぇ。国の中で何もかも済んでしまうのだから…。」
エルフの聖域たる、エルフの国は広大な森の一部分とはいえ国の外に出る用事は殆どなかった。
完全な菜食主義者であるエルフは国民の大多数が農業に従事し、狩りに行くことも無く、国の領域の中に川や畑もあったので全てが事足りていた為にエルフ同士の諍いも無かった。
だから森の賢者たる大樹に守られたエルフの聖域はいつも平和そのものだったのだ。
だが、500歳以上の年長者たちは人間に侵略されたという200年以上は昔にあったという昔話を持ち出し、人間は野蛮だから信用してはならぬ、そういう事を強欲な人間達がまたしでかしに森へやってくるかもしれないから常に戦いに備えよと、武器を作る為に聖域の外にあるという洞窟へと鉄鉱石やミスリル鉱石を掘りに行くことがある。
まだまだ若い私には人間という生き物に会った事もなく、話を聞くだけだったので大人たちにいくら言われても人間の怖さなんて分からなかった。
それは10歳にも満たない頃、聖域の切れ目の近くにある小さな湖で1人で遊んでいた時に、私は初めて人間と会った。
見つけた時には湖から少しだけ離れた場所に倒れており、その人間は打ち身だらけで弱っていて意識もはっきりとしない様な状態だったのを覚えている。
「み、水………。」
敵意のない誰かが近くに来たのが分かったのか、うわ言の様にそう言われ、私はビクビクしながらも湖から水を手ですくって人間の口に持っていき飲ませた。
人間は私が飲ませた水によって口が湿りだすと何かのスイッチでも入ったかの様に、それから一心不乱に何度も私の運んだ水を手からガブガブと飲み、弱りすぎて開けられずにずっと閉じられていた目をゆっくりと開けて目を動かし、私を見た。
「ありがとう…。君のおかげで助かったよ…。まるで僕の天使の様だね…。」
そう言うと人間はのっそりと上半身だけ起き上がり、一番近くにあった木に這って行ってもたれ掛かる様に座ると「暫くここに居ていいか」と私に聞いてきた。
「ここには滅多に他の人も来ないし、大丈夫だよ。人間さんは何でこんなところに居たの? この聖域には幻惑の術がかけられていて、森の民でない人間は森の中を彷徨ってしまうだけでここへは入ってこれないって話のはずなんだけど………。」
幼い私の疑問にその人間はそっと目だけ動かし、周りの景色を確認すると遠くの方を見る様に目を細めてポツリと言った。
「そうか……、ここはエルフの聖域だったのか………。」
そう言うと私に向かって「ごめんよ」と言ってから話し始めた。
話を聞くとこの人間は17歳の男で、この森の近くにある人間の街に住んでいて、ディーノと言う名前なのだと言われた。
「僕はね、病気で寝たきりの妹の為に薬を作ろうと、よく効くという噂のある薬草を採りにこの幻惑の森に来たんだ。でも薬草を採った後で帰ろうとしたら、君がさっき言った幻惑の術にかかったらしくて森を出られなくなってしまってね……。なんとか森を出ようと数日彷徨っていた所をある日でっかい魔物に見つかって殴られてしまい……、命からがら右も左も分からないままに、ただでっかい魔物から逃げる事だけを考えて夢中で走っていたらいつの間にかここに来ていて、ついには体力が限界になって倒れてしまってたのさ。」
「そうなんだ………。人間さん、そんなに彷徨ってたのならお腹空いてるんじゃない? おやつにと思って持ってきた団栗のクッキーがあるんだけど……、食べる?」
私はポシェットからハンカチで包んだ団栗のクッキーを取り出して人間の前へと差し出した。
「えっ!? 良いのかい? 君のおやつなんだろ?」
「だって人間さん、すごくお腹が空いているみたいなんだもの。何日も何も食べないでいるなんて……、私だったら死んでしまうわ。」
そう言って私はニコリと笑い、人間に団栗のクッキーを食べさせた。
「人間さん、落ち着いたら直ぐにここから立ち去ってね。他のエルフに…、特に大人に見つかってしまうときっと殺されてしまうわ。私には分からないんだけど、昔あった侵略戦争のせいで大人たちは皆、人間を嫌っているの……。」
「君は…、その……、大丈夫なのかい?」
その人間は心配そうな、私に対して申し訳ない様な顔をして私に聞いてきた。
「だって人間さん。貴方は大人たちに聞かされた人間の話と違ってちっとも怖くないわ。」
私は俯いた人間の頭を撫でながら笑顔で答えた。
それから数時間が経ち、敵意のない私が傍に居る安心感からかいつの間にか人間は寝てしまっていて寝息を立てていた。
私は人間の様子を見ながら湖で遊んでいたが、もうだいぶ時間も経ってしまっていたので帰らなければならない時間になってしまった。
「人間さん、人間さん。ねぇ、起きて。私、もう帰らなきゃならない時間なの。」
「んっ……うぅ~ん………。」
私は人間を何度も揺すって起こしたが、やっと目を開けた人間はまだ頭目覚めていない感じでボーっとして私が言った事を直ぐには理解していない様子だった。
「人間さん、もう大丈夫? 寝てる間、怪我が治る薬草を貼り付けてたんだけど…、歩いて帰れそう?
もう1時間もしたら日も傾いて暮れてしまうよ。」
「ん…? あぁ……。痛みはだいぶ引いているよ。団栗のクッキーのおかげかちょっと歩く元気ぐらいは多少回復したみたいだし……。魔物にも襲われず、迷わずに森を出られたならば、家に帰るまで程度なら歩けそうだ。」
「そう…、良かった。じゃあ私が御呪いをかけてあげるね。そうしたらきっと迷わずに無事にまっすぐお家に帰れるよ。」
私はこの人間にエルフに昔から伝わる子供でも使える守りの御呪いをかけた。
「よしっ! これで大丈夫! 人間さん、これでお家に帰れると思うけど、もう森に来ちゃダメだよ。今回はたまたま私以外のエルフに見付からずに誰もいないこの湖まで来れて、しかも偶然会ったのが私だったから助かったようなものだけど………、大人のエルフに見つかって殺されたり、彷徨って出られなくなった場合でも死んでしまうことだってあるんだからね。」
「………あぁ。」
「じゃあね、人間さん。さようなら。……元気でね。」
幼い頃の私はそう言って偶然出会った人間と別れたのだ。
人間と仲良くすることは禁忌とされていたエルフの国では誰に言う事も無く、あの日の出来事はあれからずっと自分だけの秘密にしていた。
人間とエルフでは言語が違うはずなのに不思議と言葉が通じ合い、時折見せた優しい笑顔から人間だって優しい人も居るんだと、この体験から事件に遭う前までは思い続けていた。
そう……、あの事件に遭うまでは…………。
私は森への道を歩きながら、人間に引き裂かれてもうボロボロとなって胸の先と恥部をようやく隠せているだけの服とももう言えなくなってしまった自身の体に垂れ下がるボロ切れの端を握りしめながら涙を流し、ワナワナと怒りに燃えていた。
その怒りに任せて握られた拳の内側からは、自らの爪が手の平に刺さってそこから流れた血がポタポタと滴っていたが、大きすぎる怒りの感情により痛みの感覚は麻痺し、微塵も感じることはなかった……。
私はトラッドニアの森で生まれ、30歳の誕生日を迎えた朝に「森の賢者」と呼ばれる森の中央に鎮座した喋る大樹の許へと向かった。
森の賢者はエルフが国を築く前、森さえできていなかった頃から生きている最長寿なので、森の中の事なら何でも知っているこの森と森に住まう者たちを守りし大切な存在なのだ。
この森で生きるエルフは皆、成人するとこの森の賢者の許へと行き、成人まで無事に育ったという感謝と報告をし、この先死ぬまで生まれ育った森を守る戦士として生きるという使命を森の賢者に与えられて、神の代理人の様な存在たる森の賢者に誓いを立てる。
使命を与えられたエルフは加護という名の能力を与えられ、それによって例え森を出たとしてもこの森に戻ってくることができ、この森に住まうあらゆる動物達と心の声によって話をすることができる様になるのだ。
成人前のエルフや他種族の者ら加護無き者はエルフの聖域には入ることができず、そのまま森を一旦出てしまえば二度とこのエルフの国の入り口さえ見つけることもできなくなり、『迷い子』となって帰ってこれなくなってしまう。
その為に成人するまでは決して国から出てはならぬと、誰もが物心が付いた頃から厳しくこの森に長く住まう年長者たちに言われてきていた。
「出てはならぬって言われているけども……、そもそも私たちには出る用事なんて特にないわよねぇ。国の中で何もかも済んでしまうのだから…。」
エルフの聖域たる、エルフの国は広大な森の一部分とはいえ国の外に出る用事は殆どなかった。
完全な菜食主義者であるエルフは国民の大多数が農業に従事し、狩りに行くことも無く、国の領域の中に川や畑もあったので全てが事足りていた為にエルフ同士の諍いも無かった。
だから森の賢者たる大樹に守られたエルフの聖域はいつも平和そのものだったのだ。
だが、500歳以上の年長者たちは人間に侵略されたという200年以上は昔にあったという昔話を持ち出し、人間は野蛮だから信用してはならぬ、そういう事を強欲な人間達がまたしでかしに森へやってくるかもしれないから常に戦いに備えよと、武器を作る為に聖域の外にあるという洞窟へと鉄鉱石やミスリル鉱石を掘りに行くことがある。
まだまだ若い私には人間という生き物に会った事もなく、話を聞くだけだったので大人たちにいくら言われても人間の怖さなんて分からなかった。
それは10歳にも満たない頃、聖域の切れ目の近くにある小さな湖で1人で遊んでいた時に、私は初めて人間と会った。
見つけた時には湖から少しだけ離れた場所に倒れており、その人間は打ち身だらけで弱っていて意識もはっきりとしない様な状態だったのを覚えている。
「み、水………。」
敵意のない誰かが近くに来たのが分かったのか、うわ言の様にそう言われ、私はビクビクしながらも湖から水を手ですくって人間の口に持っていき飲ませた。
人間は私が飲ませた水によって口が湿りだすと何かのスイッチでも入ったかの様に、それから一心不乱に何度も私の運んだ水を手からガブガブと飲み、弱りすぎて開けられずにずっと閉じられていた目をゆっくりと開けて目を動かし、私を見た。
「ありがとう…。君のおかげで助かったよ…。まるで僕の天使の様だね…。」
そう言うと人間はのっそりと上半身だけ起き上がり、一番近くにあった木に這って行ってもたれ掛かる様に座ると「暫くここに居ていいか」と私に聞いてきた。
「ここには滅多に他の人も来ないし、大丈夫だよ。人間さんは何でこんなところに居たの? この聖域には幻惑の術がかけられていて、森の民でない人間は森の中を彷徨ってしまうだけでここへは入ってこれないって話のはずなんだけど………。」
幼い私の疑問にその人間はそっと目だけ動かし、周りの景色を確認すると遠くの方を見る様に目を細めてポツリと言った。
「そうか……、ここはエルフの聖域だったのか………。」
そう言うと私に向かって「ごめんよ」と言ってから話し始めた。
話を聞くとこの人間は17歳の男で、この森の近くにある人間の街に住んでいて、ディーノと言う名前なのだと言われた。
「僕はね、病気で寝たきりの妹の為に薬を作ろうと、よく効くという噂のある薬草を採りにこの幻惑の森に来たんだ。でも薬草を採った後で帰ろうとしたら、君がさっき言った幻惑の術にかかったらしくて森を出られなくなってしまってね……。なんとか森を出ようと数日彷徨っていた所をある日でっかい魔物に見つかって殴られてしまい……、命からがら右も左も分からないままに、ただでっかい魔物から逃げる事だけを考えて夢中で走っていたらいつの間にかここに来ていて、ついには体力が限界になって倒れてしまってたのさ。」
「そうなんだ………。人間さん、そんなに彷徨ってたのならお腹空いてるんじゃない? おやつにと思って持ってきた団栗のクッキーがあるんだけど……、食べる?」
私はポシェットからハンカチで包んだ団栗のクッキーを取り出して人間の前へと差し出した。
「えっ!? 良いのかい? 君のおやつなんだろ?」
「だって人間さん、すごくお腹が空いているみたいなんだもの。何日も何も食べないでいるなんて……、私だったら死んでしまうわ。」
そう言って私はニコリと笑い、人間に団栗のクッキーを食べさせた。
「人間さん、落ち着いたら直ぐにここから立ち去ってね。他のエルフに…、特に大人に見つかってしまうときっと殺されてしまうわ。私には分からないんだけど、昔あった侵略戦争のせいで大人たちは皆、人間を嫌っているの……。」
「君は…、その……、大丈夫なのかい?」
その人間は心配そうな、私に対して申し訳ない様な顔をして私に聞いてきた。
「だって人間さん。貴方は大人たちに聞かされた人間の話と違ってちっとも怖くないわ。」
私は俯いた人間の頭を撫でながら笑顔で答えた。
それから数時間が経ち、敵意のない私が傍に居る安心感からかいつの間にか人間は寝てしまっていて寝息を立てていた。
私は人間の様子を見ながら湖で遊んでいたが、もうだいぶ時間も経ってしまっていたので帰らなければならない時間になってしまった。
「人間さん、人間さん。ねぇ、起きて。私、もう帰らなきゃならない時間なの。」
「んっ……うぅ~ん………。」
私は人間を何度も揺すって起こしたが、やっと目を開けた人間はまだ頭目覚めていない感じでボーっとして私が言った事を直ぐには理解していない様子だった。
「人間さん、もう大丈夫? 寝てる間、怪我が治る薬草を貼り付けてたんだけど…、歩いて帰れそう?
もう1時間もしたら日も傾いて暮れてしまうよ。」
「ん…? あぁ……。痛みはだいぶ引いているよ。団栗のクッキーのおかげかちょっと歩く元気ぐらいは多少回復したみたいだし……。魔物にも襲われず、迷わずに森を出られたならば、家に帰るまで程度なら歩けそうだ。」
「そう…、良かった。じゃあ私が御呪いをかけてあげるね。そうしたらきっと迷わずに無事にまっすぐお家に帰れるよ。」
私はこの人間にエルフに昔から伝わる子供でも使える守りの御呪いをかけた。
「よしっ! これで大丈夫! 人間さん、これでお家に帰れると思うけど、もう森に来ちゃダメだよ。今回はたまたま私以外のエルフに見付からずに誰もいないこの湖まで来れて、しかも偶然会ったのが私だったから助かったようなものだけど………、大人のエルフに見つかって殺されたり、彷徨って出られなくなった場合でも死んでしまうことだってあるんだからね。」
「………あぁ。」
「じゃあね、人間さん。さようなら。……元気でね。」
幼い頃の私はそう言って偶然出会った人間と別れたのだ。
人間と仲良くすることは禁忌とされていたエルフの国では誰に言う事も無く、あの日の出来事はあれからずっと自分だけの秘密にしていた。
人間とエルフでは言語が違うはずなのに不思議と言葉が通じ合い、時折見せた優しい笑顔から人間だって優しい人も居るんだと、この体験から事件に遭う前までは思い続けていた。
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