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【22】献身とは

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「けんしん……ですか?」

「あぁ。私は一応、お気に入りは大事にするタイプでねぇ。お前が手を抜かず、私にちゃんと尽くすというならば考えなくもない」

 思考の定まらない頭で樹は亮を守りたいという思いだけで深くは考えずに「はい」と了承の返事をした。

「うん、うん。しかし返事だけではいかんよ? 態度で表さないと……なっ?」

 ミラーは再び英気を取り戻した暴君で樹の頬をペチペチと叩いて反応を見ている。
 どうすればいいか――何をしなければならないかなんて樹には分かっていた。
 暴君を再び口に含んで悦ばせなければと、そこからはいつも以上に必死に食らいつくのみである。

「おぉっ? おぉ! おほっ! いいじゃないか、いいじゃないか。その調子だぞ!」

 関係を持ってそれなりに長く、何度となくしてきた行為だが――これまでの中で一番積極的に責めてくる樹のその激しい動きにミラーはご機嫌になっていく。

「今日はやる気がないのかと思えば、ちゃんとやる気、出るじゃないか。激しいのも私は好きだぞ。ただな――」

 ミラーは樹の口から暴君を抜き取ると体をドンッと押し、ベッドの上に倒れさせた。

「口ばかりではつまらんからな。服を全て脱ぎ、四つん這いになって尻を向けろ」

 ビクビクとしながらも命令のままの体勢をとる。
 そして太ももの間に暴君を入れると両側から脚をグッと掴み、股の擦れる位置に調整して挟んだ。

「これもまた、肉で圧迫される感触が伝わってきて、いいものよ……。エイデンよ。私が良いと言うまで、そのまま脚に力を入れて緩めるでないぞ」

「は……い……」

 寒さとキツイ体勢から体が小刻みに震え、前後に腰を動かして快楽に耽るミラーを受け入れることに必死に耐えていた。
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