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おもしろ小話番外編
5、思い出をもう一度(前編:エヴリン視点)
「かすみ草を」
せっせと薬草の手入れをしていたエヴリンは、声を掛けられて顔を上げた。目にした人物に慌てたように立ち上がる。そこに立っていたのは黒衣の麗人、オーギュストだった。背後にはやはり護衛のゴールディとレナードを連れている。
「かすみ草が欲しい」
再度オーギュストがそう口にし、彼の姿を間近で目にしたエヴリンの心臓がどきどきと高鳴った。
ああ、それで周囲がざわついていたのね……
周囲のざわめきを感じ取ってはいたけれど、忙しかったので、あえて無視していたのだ。乱れた自分の髪を直しつつ、エヴリンがちらりと周囲に視線を走らせれば、ぼうっとした眼差しの女薬師達の姿が目に映る。
ふっと不快に感じて、顔をしかめてしまう。
そう、いつだって彼はこんな風に周囲の視線を集めてやまない。誰の目にも触れさせたくないと、そう思ってしまうのはこれのせいだ。特に女達の羨望の眼差しが不快だった。独占欲……自分のものでもないのに浅ましい、そう思うもこればかりはどうしようもない。
「オーギュ! あ、いえ……陛下……」
エヴリンはつい、オーギュストを以前のように愛称で呼びそうになり、慌てて居住まいを正す。ひやりとなった。そうだ、もう自分は王妃ではない。王室に雇われている薬師である。王となった者を愛称で呼ぶなど、もってのほかだろう。
エヴリンはスカートの裾をつまみ、淑女の礼をした。
「ご機嫌麗しゅう、陛下。ご用は何でしょう?」
「かすみ草を束にしてくれ」
オーギュストからそう要求される。薔薇の芳香のように甘く重厚な声だ。耳に心地良い。聞くだけで、どうしても胸が高鳴ってしまう。
「は、はい、ただいま」
エヴリンは身を翻し、小さな花を付けているかすみ草を剪定ばさみで切り取り、手早く束にしていく。かすみ草の束……ふとある事実に気が付いた。
「もしかして、ブリュンヒルデ様の為ですか?」
そう問えば、オーギュストが頷く。
「そうだ」
エヴリンはやはり、と思う。かすみ草はブリュンヒルデが好きだった花である。何故かあの方はこういった花を好んだ。主役をはる花よりも、こうしてひっそりと咲く花が好きだったのだ。
「陛下……」
「何だ?」
「再婚はなさらないのですか?」
作業を続けながら、エヴリンはそう問うた。
オーギュストには、いくらでも美しい娘が群がってくる。最高権力者というだけでなく、彼ほど魅力的な男性をエヴリンは知らない。年齢を重ねても、彼の魅力は衰えるどころか、さらに深みを増し、多くの者を惹きつけている。王妃の座を狙う女性はそれこそ掃いて捨てるほどいるだろう。
エヴリンがそう問えば、オーギュストがそっけなく答えた。
「必要ない」
「そう、ですか……」
エヴリンは何故かほっとしてしまう。自分のものにならないのなら、誰のものにもなって欲しくはない、そう思ってしまうから。浅ましいとは思うけれど、それがエヴリンの正直な思いだった。
そうよ、誰にも独占などさせたくない。
「ローザがいればそれでいい」
包み込むようなオーギュストの声にはっとなる。かすみ草を受け取ったオーギュストの眼差しが甘く優しいことに気が付いて、ずきりと胸が痛んだ。
ああ、そうよ。違う、誰のものにもなっていないのではないわ。
オーギュストは今でもブリュンヒルデ様のものなのだと、エヴリンはそう思い知らされた気がした。たった一言、彼の眼差し一つで、こんなにも分かってしまう。
そして、ブリュンヒルデ様がいない今、彼の愛は、彼女の忘れ形見である愛娘のローザに一身に注がれている。彼女の為なら、おそらく彼は自分の命すら喜んで捨ててしまうのだろう。散りゆく赤い薔薇のように……
そんな様子がありありと目に浮かんでしまう。
オーギュストは冷淡なように見えて情熱家だ。ひたむきな愛を一身に注ぐ。間近で見てきただけにエヴリンにはそれがよく分かる。分かってしまう。
だからこそ、彼を赤い薔薇だと多くの女性が喩え、憧れと陶酔の眼差しを向けるのだろう。それが彼の心を如実に現すものだから……
自分の入り込む余地などどこにもない。いえ、初めからそうなのだと、どうして気が付かなかったのか……
エヴリンはきゅっと唇を噛みしめる。
恋の秘薬……何故、自分はあんなものに心を奪われたのだろう。オーギュストを目にするたびに、どうしても自分の思考はそこへ辿り着く。
薬師としての好奇心、決してそれだけではなかったはずだ。彼を手に入れたい、そんな風には思わなかったか? それが彼にこの上も無い苦痛を与えた。最も大切な者を奪い、彼の尊厳を踏みにじり、地獄の底へ叩き落とした。
エヴリンは立ち去るオーギュストの背が見えなくなるまで、その場で見送った。切なさを秘めた瞳で。
「オーギュスト様」
ゴールディがこちらに熱い視線を送っているエヴリンをちらちら見やりながら、そう声を掛けた。
「何だ?」
「さっきの女薬師、オーギュスト様に気があるのでは?」
鈍い彼にも分かるほど彼女の態度はあからさまだったらしい。そう問われても、オーギュストの態度も歩く速度も変わらない。
「そうかもな」
淡々とそう答える。
「気にならない?」
「残念ながら」
「ふうん? 結構な美人だったじゃないっすか。もったいないっすね。オーギュスト様はいっつもそうやって美人を袖にしちまう」
ゴールディがそう言うと、
「お前は好きにして構わんぞ」
歩きながらオーギュストがそう返す。
「え」
「好きな女がいるんだろう?」
前方を向いたままだったが、オーギュストが笑ったような気がした。ゴールディが目を剥き、横手のレナードに食ってかかる。
「お前か! お前が何か言ったんだな?」
「俺じゃねーよ。何でお前の女関係を逐一チクらなきゃいけないんだよ?」
「じゃ、じゃあ、誰が!」
「知るか! オーギュスト様の情報源は、あちこち無数にあらぁー」
「香水だ」
歩きながら答えたのはオーギュストである。
「女が付ける香水の匂いがお前からする」
振り向かぬままだったが、やはり笑われた気がした。ゴールディはぽかんとなる。
「……するか?」
香水の匂いが? 横手を歩くレナードに、ゴールディはそう問うていた。
「さあ?」
「だよな……」
ゴールディが自分の腕をくんくん嗅ぐ。やはり分からないらしい。
「へへ、オーギュスト様にはかなわねぇや」
そう言って足を速め、オーギュストの背に追いついた。
用意させておいた馬車までオーギュストが足を運べば、白いドレスに身を包んだローザが待ち構えていた。ふわりと金の髪と白いドレスが風に翻る。
オーギュストの顔に微笑みが広がった。
せっせと薬草の手入れをしていたエヴリンは、声を掛けられて顔を上げた。目にした人物に慌てたように立ち上がる。そこに立っていたのは黒衣の麗人、オーギュストだった。背後にはやはり護衛のゴールディとレナードを連れている。
「かすみ草が欲しい」
再度オーギュストがそう口にし、彼の姿を間近で目にしたエヴリンの心臓がどきどきと高鳴った。
ああ、それで周囲がざわついていたのね……
周囲のざわめきを感じ取ってはいたけれど、忙しかったので、あえて無視していたのだ。乱れた自分の髪を直しつつ、エヴリンがちらりと周囲に視線を走らせれば、ぼうっとした眼差しの女薬師達の姿が目に映る。
ふっと不快に感じて、顔をしかめてしまう。
そう、いつだって彼はこんな風に周囲の視線を集めてやまない。誰の目にも触れさせたくないと、そう思ってしまうのはこれのせいだ。特に女達の羨望の眼差しが不快だった。独占欲……自分のものでもないのに浅ましい、そう思うもこればかりはどうしようもない。
「オーギュ! あ、いえ……陛下……」
エヴリンはつい、オーギュストを以前のように愛称で呼びそうになり、慌てて居住まいを正す。ひやりとなった。そうだ、もう自分は王妃ではない。王室に雇われている薬師である。王となった者を愛称で呼ぶなど、もってのほかだろう。
エヴリンはスカートの裾をつまみ、淑女の礼をした。
「ご機嫌麗しゅう、陛下。ご用は何でしょう?」
「かすみ草を束にしてくれ」
オーギュストからそう要求される。薔薇の芳香のように甘く重厚な声だ。耳に心地良い。聞くだけで、どうしても胸が高鳴ってしまう。
「は、はい、ただいま」
エヴリンは身を翻し、小さな花を付けているかすみ草を剪定ばさみで切り取り、手早く束にしていく。かすみ草の束……ふとある事実に気が付いた。
「もしかして、ブリュンヒルデ様の為ですか?」
そう問えば、オーギュストが頷く。
「そうだ」
エヴリンはやはり、と思う。かすみ草はブリュンヒルデが好きだった花である。何故かあの方はこういった花を好んだ。主役をはる花よりも、こうしてひっそりと咲く花が好きだったのだ。
「陛下……」
「何だ?」
「再婚はなさらないのですか?」
作業を続けながら、エヴリンはそう問うた。
オーギュストには、いくらでも美しい娘が群がってくる。最高権力者というだけでなく、彼ほど魅力的な男性をエヴリンは知らない。年齢を重ねても、彼の魅力は衰えるどころか、さらに深みを増し、多くの者を惹きつけている。王妃の座を狙う女性はそれこそ掃いて捨てるほどいるだろう。
エヴリンがそう問えば、オーギュストがそっけなく答えた。
「必要ない」
「そう、ですか……」
エヴリンは何故かほっとしてしまう。自分のものにならないのなら、誰のものにもなって欲しくはない、そう思ってしまうから。浅ましいとは思うけれど、それがエヴリンの正直な思いだった。
そうよ、誰にも独占などさせたくない。
「ローザがいればそれでいい」
包み込むようなオーギュストの声にはっとなる。かすみ草を受け取ったオーギュストの眼差しが甘く優しいことに気が付いて、ずきりと胸が痛んだ。
ああ、そうよ。違う、誰のものにもなっていないのではないわ。
オーギュストは今でもブリュンヒルデ様のものなのだと、エヴリンはそう思い知らされた気がした。たった一言、彼の眼差し一つで、こんなにも分かってしまう。
そして、ブリュンヒルデ様がいない今、彼の愛は、彼女の忘れ形見である愛娘のローザに一身に注がれている。彼女の為なら、おそらく彼は自分の命すら喜んで捨ててしまうのだろう。散りゆく赤い薔薇のように……
そんな様子がありありと目に浮かんでしまう。
オーギュストは冷淡なように見えて情熱家だ。ひたむきな愛を一身に注ぐ。間近で見てきただけにエヴリンにはそれがよく分かる。分かってしまう。
だからこそ、彼を赤い薔薇だと多くの女性が喩え、憧れと陶酔の眼差しを向けるのだろう。それが彼の心を如実に現すものだから……
自分の入り込む余地などどこにもない。いえ、初めからそうなのだと、どうして気が付かなかったのか……
エヴリンはきゅっと唇を噛みしめる。
恋の秘薬……何故、自分はあんなものに心を奪われたのだろう。オーギュストを目にするたびに、どうしても自分の思考はそこへ辿り着く。
薬師としての好奇心、決してそれだけではなかったはずだ。彼を手に入れたい、そんな風には思わなかったか? それが彼にこの上も無い苦痛を与えた。最も大切な者を奪い、彼の尊厳を踏みにじり、地獄の底へ叩き落とした。
エヴリンは立ち去るオーギュストの背が見えなくなるまで、その場で見送った。切なさを秘めた瞳で。
「オーギュスト様」
ゴールディがこちらに熱い視線を送っているエヴリンをちらちら見やりながら、そう声を掛けた。
「何だ?」
「さっきの女薬師、オーギュスト様に気があるのでは?」
鈍い彼にも分かるほど彼女の態度はあからさまだったらしい。そう問われても、オーギュストの態度も歩く速度も変わらない。
「そうかもな」
淡々とそう答える。
「気にならない?」
「残念ながら」
「ふうん? 結構な美人だったじゃないっすか。もったいないっすね。オーギュスト様はいっつもそうやって美人を袖にしちまう」
ゴールディがそう言うと、
「お前は好きにして構わんぞ」
歩きながらオーギュストがそう返す。
「え」
「好きな女がいるんだろう?」
前方を向いたままだったが、オーギュストが笑ったような気がした。ゴールディが目を剥き、横手のレナードに食ってかかる。
「お前か! お前が何か言ったんだな?」
「俺じゃねーよ。何でお前の女関係を逐一チクらなきゃいけないんだよ?」
「じゃ、じゃあ、誰が!」
「知るか! オーギュスト様の情報源は、あちこち無数にあらぁー」
「香水だ」
歩きながら答えたのはオーギュストである。
「女が付ける香水の匂いがお前からする」
振り向かぬままだったが、やはり笑われた気がした。ゴールディはぽかんとなる。
「……するか?」
香水の匂いが? 横手を歩くレナードに、ゴールディはそう問うていた。
「さあ?」
「だよな……」
ゴールディが自分の腕をくんくん嗅ぐ。やはり分からないらしい。
「へへ、オーギュスト様にはかなわねぇや」
そう言って足を速め、オーギュストの背に追いついた。
用意させておいた馬車までオーギュストが足を運べば、白いドレスに身を包んだローザが待ち構えていた。ふわりと金の髪と白いドレスが風に翻る。
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