20 / 27
20.地味子ちゃんと結ばれた!
しおりを挟む
「どうぞ入って」と由紀ちゃんを先に入れて、鍵をかける。明かりを灯してリビングへ向かう。先を歩く由紀ちゃんは少し緊張しているみたいだった。
リビングへ入るとすぐに後ろから抱き締める。突然抱き締めたので、由紀ちゃんは身体を固くする。キスしようとこちらを向かせるが、恥ずかしいのか下を向いたままだ。小さな声が聞こえる。
「おトイレ貸してください」
「ええー、いいけど」
すぐに由紀ちゃんはトイレに駆け込んだ。水の音が聞こえる。いきなり抱き締めたりしたから、驚かせたかもしれない。すまないことをした。なかなか出てこないので心配になる。どうしようと思っていると、ようやくドアが開いて出てきた。
「ごめんなさい。せっかく優しくしてくれたのに、ごめんなさい」
「いや、僕の方こそ、突然抱き締めたりして、ごめん。お弁当を食べようか? お腹が空いた」
「私もお腹が空きました」
「お茶を入れよう」
「私がします」
由紀ちゃんがお湯を沸かしにキッチンへいった。しばらくしてお茶碗を二つ持ってきてお茶を入れてくれた。
二人で話しながらゆっくり食べるつもりだったのが、二人は無口で食べている。二人ともこのあとのことが気になっている。由紀ちゃんに何て声をかけたらいいのか分からなくなった。
食べ終わって、ジッと見つめていると「片付けます」と言って立ち上がった。「僕が片付けるよ」と立ち上がる。テーブルの上で手が触れるともう我慢できなくなって、由紀ちゃんを引き寄せて抱きしめた。由紀ちゃんは抱きついてきた。しがみついて離れない。
「大好きです」
「僕も由紀ちゃんが大好きだ」
抱き抱えて寝室のベッドに運ぶ。由紀ちゃんはぎこちなく僕の腕をつかんでいる。ワンピースに手をかけると身体を固くするのが分かった。
「優しくしてください」
「ああ、優しくする。心配しないで」
由紀ちゃんはこうして僕のものになった。
****************************************
由紀ちゃんが布団の中から見上げて僕に話しかけてくる。顔が見づらい。恥ずかしがって布団にもぐりこんで中から顔を出さない。
「もう、服を着ていいですか?」
「だめ、もう一度可愛がってあげたいから」
「今日はもうこれ以上無理です。ごめんなさい」
「分かった。でもこのまま朝までいてほしい」
「いいんですか、泊っていっても」
「もちろん、このままでは帰せない」
「じゃあ、少し眠ってもいいですか」
「いいけど、少し話をしないか? そのままでいいから」
布団の中の顔と話しを始める。
「はじめてだったんだ」
「はい」
「ごめんね、もっと優しくするんだった。由紀ちゃんを早く自分のものにしたくて力が入った。ごめんね」
「優しかったし、とても嬉しかった。でもこれ以上は無理です」
「分かっている。このままここにいてほしい」
「こちらこそ、そばに居させてください。ギュと抱き締めてくれますか?」
「いいけど」
「そして、抱き締められたままで眠らせて下さい。こうしてもらうのが夢だったんです」
「分かった。いい夢が見られるように、由紀、大好きだ」
布団の中に腕を突っ込んで抱き締める。抱き締めるとこんな力があるのかと思うくらいに強い力で抱きついて来る。柔らかい身体が壊れそうになるけど抱き締める。そのまま静かに動かずにいると、いつのまにか眠ってしまった。
****************************************
朝、由紀ちゃんは布団にもぐりこんだまま僕の身体にしがみついている。眠っているのか目覚めているのか分からないが、しがみついたままだ。
「このままベッドにいてくれる? 朝ごはんを作ってあげるから」
こう言ってみると、中から声がする。
「お手伝いします」
「いいよ、そのままここにいて」
「じゃあ、服を着ます。向こうを向いていて下さい」
由紀ちゃんはすぐに服を持ってバスルームに入って行った。
僕はその間に部屋着に着替えると朝食を作りにかかる。トースト、ハムエッグ、ホットミルク、ヨーグルト、皮をむいたリンゴ。すぐに準備ができた。
由紀ちゃんはなかなか出てこない。ようやく出てきたと思ったら、すっかり身支度を整えて可愛くなっている。
「随分、時間がかかったね」
「仁さんの前では可愛いい私でいたいから」
「そんなに気を使っているとこれからたいへんだよ」
「いいんです。女の身だしなみを野坂先輩に教えられました。どんな時も醜態を見せてはいけないと」
「醜態ね、僕は醜態も可愛いと思うけどね」
「たまにはいいかもしれませんが、いつもはいけないと思います。そして初めが肝心ですから」
「そりゃあ可愛い方がいいに決まっているけど、あまり気を使わせるのも悪いと思って、自然でいてほしいだけだ」
「できるだけ自然に振舞うようにします」
「朝食の準備ができたから食べよう」
「聞いていたとおりのバランスのとれた朝食ですね。でも仁さんもちゃんと顔を洗って歯磨きもしてきてください」
「ごめん、醜態を見せちゃいけないね、先に食べていて、すぐに戻るから」
「待っていますから、でもゆっくりでいいですよ」
まるで、新婚さんの朝の会話みたいだと思って顔を洗う。でもこれが楽しくて浮き浮きする。由紀ちゃんを自分のものにしてよかった。そのあと朝食の後片付けをしてくれて、機嫌よく帰って行った。
リビングへ入るとすぐに後ろから抱き締める。突然抱き締めたので、由紀ちゃんは身体を固くする。キスしようとこちらを向かせるが、恥ずかしいのか下を向いたままだ。小さな声が聞こえる。
「おトイレ貸してください」
「ええー、いいけど」
すぐに由紀ちゃんはトイレに駆け込んだ。水の音が聞こえる。いきなり抱き締めたりしたから、驚かせたかもしれない。すまないことをした。なかなか出てこないので心配になる。どうしようと思っていると、ようやくドアが開いて出てきた。
「ごめんなさい。せっかく優しくしてくれたのに、ごめんなさい」
「いや、僕の方こそ、突然抱き締めたりして、ごめん。お弁当を食べようか? お腹が空いた」
「私もお腹が空きました」
「お茶を入れよう」
「私がします」
由紀ちゃんがお湯を沸かしにキッチンへいった。しばらくしてお茶碗を二つ持ってきてお茶を入れてくれた。
二人で話しながらゆっくり食べるつもりだったのが、二人は無口で食べている。二人ともこのあとのことが気になっている。由紀ちゃんに何て声をかけたらいいのか分からなくなった。
食べ終わって、ジッと見つめていると「片付けます」と言って立ち上がった。「僕が片付けるよ」と立ち上がる。テーブルの上で手が触れるともう我慢できなくなって、由紀ちゃんを引き寄せて抱きしめた。由紀ちゃんは抱きついてきた。しがみついて離れない。
「大好きです」
「僕も由紀ちゃんが大好きだ」
抱き抱えて寝室のベッドに運ぶ。由紀ちゃんはぎこちなく僕の腕をつかんでいる。ワンピースに手をかけると身体を固くするのが分かった。
「優しくしてください」
「ああ、優しくする。心配しないで」
由紀ちゃんはこうして僕のものになった。
****************************************
由紀ちゃんが布団の中から見上げて僕に話しかけてくる。顔が見づらい。恥ずかしがって布団にもぐりこんで中から顔を出さない。
「もう、服を着ていいですか?」
「だめ、もう一度可愛がってあげたいから」
「今日はもうこれ以上無理です。ごめんなさい」
「分かった。でもこのまま朝までいてほしい」
「いいんですか、泊っていっても」
「もちろん、このままでは帰せない」
「じゃあ、少し眠ってもいいですか」
「いいけど、少し話をしないか? そのままでいいから」
布団の中の顔と話しを始める。
「はじめてだったんだ」
「はい」
「ごめんね、もっと優しくするんだった。由紀ちゃんを早く自分のものにしたくて力が入った。ごめんね」
「優しかったし、とても嬉しかった。でもこれ以上は無理です」
「分かっている。このままここにいてほしい」
「こちらこそ、そばに居させてください。ギュと抱き締めてくれますか?」
「いいけど」
「そして、抱き締められたままで眠らせて下さい。こうしてもらうのが夢だったんです」
「分かった。いい夢が見られるように、由紀、大好きだ」
布団の中に腕を突っ込んで抱き締める。抱き締めるとこんな力があるのかと思うくらいに強い力で抱きついて来る。柔らかい身体が壊れそうになるけど抱き締める。そのまま静かに動かずにいると、いつのまにか眠ってしまった。
****************************************
朝、由紀ちゃんは布団にもぐりこんだまま僕の身体にしがみついている。眠っているのか目覚めているのか分からないが、しがみついたままだ。
「このままベッドにいてくれる? 朝ごはんを作ってあげるから」
こう言ってみると、中から声がする。
「お手伝いします」
「いいよ、そのままここにいて」
「じゃあ、服を着ます。向こうを向いていて下さい」
由紀ちゃんはすぐに服を持ってバスルームに入って行った。
僕はその間に部屋着に着替えると朝食を作りにかかる。トースト、ハムエッグ、ホットミルク、ヨーグルト、皮をむいたリンゴ。すぐに準備ができた。
由紀ちゃんはなかなか出てこない。ようやく出てきたと思ったら、すっかり身支度を整えて可愛くなっている。
「随分、時間がかかったね」
「仁さんの前では可愛いい私でいたいから」
「そんなに気を使っているとこれからたいへんだよ」
「いいんです。女の身だしなみを野坂先輩に教えられました。どんな時も醜態を見せてはいけないと」
「醜態ね、僕は醜態も可愛いと思うけどね」
「たまにはいいかもしれませんが、いつもはいけないと思います。そして初めが肝心ですから」
「そりゃあ可愛い方がいいに決まっているけど、あまり気を使わせるのも悪いと思って、自然でいてほしいだけだ」
「できるだけ自然に振舞うようにします」
「朝食の準備ができたから食べよう」
「聞いていたとおりのバランスのとれた朝食ですね。でも仁さんもちゃんと顔を洗って歯磨きもしてきてください」
「ごめん、醜態を見せちゃいけないね、先に食べていて、すぐに戻るから」
「待っていますから、でもゆっくりでいいですよ」
まるで、新婚さんの朝の会話みたいだと思って顔を洗う。でもこれが楽しくて浮き浮きする。由紀ちゃんを自分のものにしてよかった。そのあと朝食の後片付けをしてくれて、機嫌よく帰って行った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
春燈に咲く
naomikoryo
恋愛
【♪♪♪ 本編完結です!! 応援・投票よろしくお願いします(^^)】
春の名をもらいながら、寒さを知って育った。
江戸の外れ、貧しい百姓家の次女・うららは、十三の春に奉公へ出される。
向かった先は老舗呉服屋「蓬莱屋」。
そこで出会ったのは、何かとちょっかいをかけてくる、
街の悪ガキのような跡取り息子・慶次郎だった――
反発しながらも心に灯る、淡く、熱く、切ない想い。
そして十五の春、女として、嫁として、うららの人生は大きく動き出す。
身分の差、家柄の壁、嫉妬と陰謀、
愛されることと、信じること――
それでも「私は、あの人の隣に立ちたい」。
不器用な男と、ひたむきな少女が織りなす、
時代小説として風情あふれる王道“和風身分差ラブロマンス”。
春の灯の下で咲く、たったひとつの恋の物語を、どうぞ。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
先輩、お久しぶりです
吉生伊織
恋愛
若宮千春 大手不動産会社
秘書課
×
藤井昂良 大手不動産会社
経営企画本部
『陵介とデキてたんなら俺も邪魔してたよな。
もうこれからは誘わないし、誘ってこないでくれ』
大学生の時に起きたちょっとした誤解で、先輩への片想いはあっけなく終わってしまった。
誤解を解きたくて探し回っていたが見つけられず、そのまま音信不通に。
もう会うことは叶わないと思っていた数年後、社会人になってから偶然再会。
――それも同じ会社で働いていた!?
音信不通になるほど嫌われていたはずなのに、徐々に距離が縮む二人。
打ち解けあっていくうちに、先輩は徐々に甘くなっていき……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる