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11 エルグランド城
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思いがけず城を訪れることになってしまったフィオレッタは、広い客間に案内されていた。
「ではお客様。旦那様が戻るまでこちらでお待ちください」
ここまで案内してくれたのは、ふくよかな体つきの年配の侍女だった。
白髪まじりの髪をきっちりとまとめ、年のわりに背筋がすっと伸びている。
名をヘルマといい、この屋敷に長く仕えているのだと穏やかに告げてくれた。
「はい、わかりました」
「すぐにお飲み物をお持ちいたします」
その声には、どこか「この家を守る者」としての重みがある。
だが、彼女の視線には一瞬だけ探るような色が混じっていた。
見知らぬ来客――それも領主が直々に連れてきた女を、簡単に受け入れるつもりはないのだろう。
(警戒されているわね)
フィオレッタは、柔らかく微笑むことでそれ以上の詮索を避けた。
表向きの穏やかさの裏に、貴族社会で培った礼節と慎重さが滲む。
フィオレッタは室内をそっと眺める。
磨かれた床にはカーテン越しの光が揺れ、薄い影が模様のように流れている。
物音ひとつしない静寂が、かえってこの館の整然とした気配を際立たせていた。
(なんて整えられた場所かしら)
壁には必要最低限の装飾しかなく、家具もすべて形が美しい。どれも良質な品ではあるが、誇示するような華やかさはない。
使う人の節度と責任を感じさせる、凛とした空間だった。
その空気に包まれて、フィオレッタは自然と背筋を伸ばした。
長い旅路の疲れも、いつの間にか薄らいでいくような気がする。
「お待たせいたしました。お口に合えばいいのですけれど」
ヘルマが戻り、銀のトレイを静かにテーブルへと置いた。
香り高い紅茶の入ったポット、焼きたてのクッキー、そして桃色のマグカップ。
それをフィオレッタとティナの前にそれぞれ並べていく。
「さあさ、ティナ様。あたたかいミルクでございますよ」
「わあ~! ヘルマ、ありがとう!」
「とんでもございません。さあさ、こちらのクッキーもお皿にとっておきますね」
「うん!」
ふくよかな頬をほころばせ、ヘルマは穏やかな笑顔を浮かべた。
先ほどまで探るような鋭い眼差しを向けていたとは思えないほど、今の彼女の顔には慈愛がにじんでいる。
ティナのためにクッキーを取り分ける仕草も実に優しく、まるで長く見守ってきた家族のようだった。
(この方……ティナのことを本当に大切にしているのね)
フィオレッタはそう思いながら、紅茶の香りを胸いっぱいに吸い込む。
こんなふうに丁寧に淹れられたお茶を口にするのは、いつ以来だろう。
カップの取っ手に指を添え、自然な所作でそっと持ち上げる。
背筋を伸ばしたまま、音を立てずに一口。フィオレッタにとっては、ごくありふれた仕草のつもりだった。
けれど、対面にいたヘルマが、その瞬間ぴたりと動きを止めた。
驚いたように目を見開き、思わず手にしていたティーポットを傾けるのも忘れてしまっている。
「……まぁ、なんと上品な……」
かすれるような呟きに、フィオレッタは思わず首を傾けた。
「え……あの、なにか無作法をしてしまったでしょうか?」
「い、いえ。その、失礼いたしました。お客様がとても……お美しい所作をなさるものですから」
慌てて姿勢を正すヘルマの様子に、フィオレッタは小さく微笑む。
特別なことなどしていない。
ただ、長年の教育で身についた礼儀作法が、無意識のうちに出てしまっただけだ。
そのやり取りを見ていたティナが、ぱあっと顔を輝かせる。
「フィオおねえちゃま、いまの、キゾクのマナーだぁ!」
「ふふ……そんな大げさなものじゃないわ」
「でもね、ほんとにきれいだったの。ティナもあんなふうにしたい!」
ティナはクマのぬいぐるみを抱きしめたまま、目をきらきらと輝かせている。
無邪気なその笑顔に、フィオレッタの頬もやわらかく緩んだ。
「ええええ、そうでございますね。この屋敷には女主人がいませんので、ティナ様のお手本になるお嬢様がいらっしゃるのは素晴らしいことです」
先ほどまで探るような眼差しを向けていたヘルマが、今は一転して、感嘆の色を隠しもしない。
目元を輝かせ、まるで久々に希望を見つけたような声音だった。
「私なんて。少し気をつけているだけです」
「控えめにおっしゃいますけれど、あの所作はそう簡単にできるものではございませんよ、お客様!」
「ありがとうございます」
照れ隠しに微笑み返すと、ティナがマグカップを両手で包みながら、ひょいと首をかしげる。
「フィオおねえちゃま、ティナね、いっぱいれんしゅうして、きれいにお茶のめるようになりたい」
「あら、きっとすぐにできるようになるわ。ティナはいくつなの?」
「ティナはね、もうごさい!」
「まぁ、五歳なのね。とてもおりこうさんだわ」
「えへへ~。クーちゃんもね、ごさいなの!」
そう言ってぬいぐるみを抱きしめ、ティナはにこりと笑った。
城内に入ってから、ヴェルフリートとはすぐに別れた。
「あとで話をする」とだけ言い残して去っていったが、いつ戻るのかは分からない。
「……」
フィオレッタは隣でクッキーをぽろぽろとこぼしながら食べているティナを、そっと見つめた。
無邪気な笑顔を見ていると、つい先ほどの怯えた表情が嘘のようだ。
(それにしても……この城の空気には、どこか静かな寂しさがあるわ)
入ってすぐ、広間の壁に飾られた大きな絵画が目に留まった。
黒い布が半ばを覆い、喪に服すように慎ましく掛けられている。
それでも、わずかに見えた部分――そこには、微笑む女性の膝に座る小さな幼子の姿があった。
淡い亜麻色の巻き毛に、すみれ色の瞳。
間違いなく、あの子はティナだ。
絵画の一部しか見えなかったが、女性の横に立つ男性の姿もあった。
おそらく、あれはティナたち家族を描いたものだ。
(ティナが『お花をあげたい』って言っていたのは……あの絵の中の人のことなのかもしれない)
胸の奥が、ひやりと冷たくなる。
この城に漂う穏やかな静けさの裏には、確かに喪の空気がある。
それを誰も口にしないまま、時間だけが流れているような。
ティナの両親に会いたいという言葉、そしてフィオレッタが知らない辺境伯家の代替わり。それらの事象がひとつに結びついていく。
(……ティナのご両親は、もうこの世にいらっしゃらないのかもしれない)
そう思った瞬間、胸の奥に鈍い痛みが広がった。
幼い子が失うには、あまりにも大きなもの。それでも、ティナは笑っている。小さな手でぬいぐるみを抱きしめながら。
(おかしなものね。初めて会ったのに、この笑顔を曇らせたくないなんて)
フィオレッタはそっと息を吸い、ティナの髪の上に視線を落とした。
窓から差し込む光が、亜麻色の巻き毛をやさしく照らしていた。
「ではお客様。旦那様が戻るまでこちらでお待ちください」
ここまで案内してくれたのは、ふくよかな体つきの年配の侍女だった。
白髪まじりの髪をきっちりとまとめ、年のわりに背筋がすっと伸びている。
名をヘルマといい、この屋敷に長く仕えているのだと穏やかに告げてくれた。
「はい、わかりました」
「すぐにお飲み物をお持ちいたします」
その声には、どこか「この家を守る者」としての重みがある。
だが、彼女の視線には一瞬だけ探るような色が混じっていた。
見知らぬ来客――それも領主が直々に連れてきた女を、簡単に受け入れるつもりはないのだろう。
(警戒されているわね)
フィオレッタは、柔らかく微笑むことでそれ以上の詮索を避けた。
表向きの穏やかさの裏に、貴族社会で培った礼節と慎重さが滲む。
フィオレッタは室内をそっと眺める。
磨かれた床にはカーテン越しの光が揺れ、薄い影が模様のように流れている。
物音ひとつしない静寂が、かえってこの館の整然とした気配を際立たせていた。
(なんて整えられた場所かしら)
壁には必要最低限の装飾しかなく、家具もすべて形が美しい。どれも良質な品ではあるが、誇示するような華やかさはない。
使う人の節度と責任を感じさせる、凛とした空間だった。
その空気に包まれて、フィオレッタは自然と背筋を伸ばした。
長い旅路の疲れも、いつの間にか薄らいでいくような気がする。
「お待たせいたしました。お口に合えばいいのですけれど」
ヘルマが戻り、銀のトレイを静かにテーブルへと置いた。
香り高い紅茶の入ったポット、焼きたてのクッキー、そして桃色のマグカップ。
それをフィオレッタとティナの前にそれぞれ並べていく。
「さあさ、ティナ様。あたたかいミルクでございますよ」
「わあ~! ヘルマ、ありがとう!」
「とんでもございません。さあさ、こちらのクッキーもお皿にとっておきますね」
「うん!」
ふくよかな頬をほころばせ、ヘルマは穏やかな笑顔を浮かべた。
先ほどまで探るような鋭い眼差しを向けていたとは思えないほど、今の彼女の顔には慈愛がにじんでいる。
ティナのためにクッキーを取り分ける仕草も実に優しく、まるで長く見守ってきた家族のようだった。
(この方……ティナのことを本当に大切にしているのね)
フィオレッタはそう思いながら、紅茶の香りを胸いっぱいに吸い込む。
こんなふうに丁寧に淹れられたお茶を口にするのは、いつ以来だろう。
カップの取っ手に指を添え、自然な所作でそっと持ち上げる。
背筋を伸ばしたまま、音を立てずに一口。フィオレッタにとっては、ごくありふれた仕草のつもりだった。
けれど、対面にいたヘルマが、その瞬間ぴたりと動きを止めた。
驚いたように目を見開き、思わず手にしていたティーポットを傾けるのも忘れてしまっている。
「……まぁ、なんと上品な……」
かすれるような呟きに、フィオレッタは思わず首を傾けた。
「え……あの、なにか無作法をしてしまったでしょうか?」
「い、いえ。その、失礼いたしました。お客様がとても……お美しい所作をなさるものですから」
慌てて姿勢を正すヘルマの様子に、フィオレッタは小さく微笑む。
特別なことなどしていない。
ただ、長年の教育で身についた礼儀作法が、無意識のうちに出てしまっただけだ。
そのやり取りを見ていたティナが、ぱあっと顔を輝かせる。
「フィオおねえちゃま、いまの、キゾクのマナーだぁ!」
「ふふ……そんな大げさなものじゃないわ」
「でもね、ほんとにきれいだったの。ティナもあんなふうにしたい!」
ティナはクマのぬいぐるみを抱きしめたまま、目をきらきらと輝かせている。
無邪気なその笑顔に、フィオレッタの頬もやわらかく緩んだ。
「ええええ、そうでございますね。この屋敷には女主人がいませんので、ティナ様のお手本になるお嬢様がいらっしゃるのは素晴らしいことです」
先ほどまで探るような眼差しを向けていたヘルマが、今は一転して、感嘆の色を隠しもしない。
目元を輝かせ、まるで久々に希望を見つけたような声音だった。
「私なんて。少し気をつけているだけです」
「控えめにおっしゃいますけれど、あの所作はそう簡単にできるものではございませんよ、お客様!」
「ありがとうございます」
照れ隠しに微笑み返すと、ティナがマグカップを両手で包みながら、ひょいと首をかしげる。
「フィオおねえちゃま、ティナね、いっぱいれんしゅうして、きれいにお茶のめるようになりたい」
「あら、きっとすぐにできるようになるわ。ティナはいくつなの?」
「ティナはね、もうごさい!」
「まぁ、五歳なのね。とてもおりこうさんだわ」
「えへへ~。クーちゃんもね、ごさいなの!」
そう言ってぬいぐるみを抱きしめ、ティナはにこりと笑った。
城内に入ってから、ヴェルフリートとはすぐに別れた。
「あとで話をする」とだけ言い残して去っていったが、いつ戻るのかは分からない。
「……」
フィオレッタは隣でクッキーをぽろぽろとこぼしながら食べているティナを、そっと見つめた。
無邪気な笑顔を見ていると、つい先ほどの怯えた表情が嘘のようだ。
(それにしても……この城の空気には、どこか静かな寂しさがあるわ)
入ってすぐ、広間の壁に飾られた大きな絵画が目に留まった。
黒い布が半ばを覆い、喪に服すように慎ましく掛けられている。
それでも、わずかに見えた部分――そこには、微笑む女性の膝に座る小さな幼子の姿があった。
淡い亜麻色の巻き毛に、すみれ色の瞳。
間違いなく、あの子はティナだ。
絵画の一部しか見えなかったが、女性の横に立つ男性の姿もあった。
おそらく、あれはティナたち家族を描いたものだ。
(ティナが『お花をあげたい』って言っていたのは……あの絵の中の人のことなのかもしれない)
胸の奥が、ひやりと冷たくなる。
この城に漂う穏やかな静けさの裏には、確かに喪の空気がある。
それを誰も口にしないまま、時間だけが流れているような。
ティナの両親に会いたいという言葉、そしてフィオレッタが知らない辺境伯家の代替わり。それらの事象がひとつに結びついていく。
(……ティナのご両親は、もうこの世にいらっしゃらないのかもしれない)
そう思った瞬間、胸の奥に鈍い痛みが広がった。
幼い子が失うには、あまりにも大きなもの。それでも、ティナは笑っている。小さな手でぬいぐるみを抱きしめながら。
(おかしなものね。初めて会ったのに、この笑顔を曇らせたくないなんて)
フィオレッタはそっと息を吸い、ティナの髪の上に視線を落とした。
窓から差し込む光が、亜麻色の巻き毛をやさしく照らしていた。
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