18 / 54
17 家令
しおりを挟む
「それじゃあ、フィオ様の荷物は僕が宿屋まで取りに行っておきますね」
クラウスが軽く手を振る。
「宿屋の主人にもちゃんと説明しておきます。すごく驚かれそうですよね」
「そうですね。こちらにきてなにかと面倒を見てくださいましたから……」
リゼとその娘夫婦が手を差し伸べてくれなければ、フィオレッタは今頃どこで何をしていたかわからない。
いくら感謝してもしきれないほどだ。
「まあでも、ヨエルさんなら分かってくれるでしょう! それじゃ、すぐ戻りますから。ティナ様と遊んでてくださいね。旦那様は仕事終わらせといてくださいね」
「は、はい!」
「……」
クラウスは軽く手を振って廊下を去っていった。
その背を見送りながら、ヴェルフリートは少しだけ険しい顔をして机の方へと戻るっていく。あの山盛りの書類をこれから片付けるとなると、とても大変そうだ。
「私はまだ仕事がある。夕食はティナと二人で食べておいてもらえるだろうか」
「フィオおねえちゃまとごはんたべていいの?」
「ああ」
「やった~!!」
ヴェルフリートの言葉にティナは勢いよく飛び上がり、ぱたぱたとその場で跳ねた。ふわふわの巻き毛が上下に揺れ、頬はりんごのように赤くなっている
「フィオおねえちゃまといっしょ! クーちゃんもいっしょにたべる!」
「ふふ、それは楽しみね」
子どもの笑い声が広い廊下に反響して、重かった空気が少し軽くなる。
ヴェルフリートは一瞬だけその光景を見やり、すぐに視線を手元の書類へと落とした。とても忙しそうだ。
「では、失礼致します」
フィオレッタは退室の挨拶をして執務室をあとにした。
***
「フィオおねえちゃま、さっきのおはなをみにいきたい」
廊下に出たところで、ティナがぱっと顔を輝かせて言った。
最初は何のことか分からなかったが、フィオレッタはすぐに思い出す。
(ヘルマさんに預けた花束のことね)
花畑からここについたとき、ティナが大切そうに抱えていた小さな花束をヘルマに託したのだ。「あとで飾っておきますね」と笑っていたヘルマの言葉がよみがえる。
「ええ、行ってみましょうか」
「うん!」
「ティナ様……ティナは、そのお花がどこにあるのか知っている?」
「きっとね、えのところ」
フィオレッタが手を差し出すと、ティナはぱっと握り返してきた。
まだこの城の内部はよくわからないが、「えのところ」というのは、二人の肖像画が飾られていたところなのだろう。そこならば覚えている。
二人で廊下を歩き、階段を下りて行くと、やがて大広間の奥まった一角にたどり着いた。
そこには、黒い布がかかったティナの両親の肖像画が並んで掛けられている。重厚な額縁の下、磨かれた石台の上に、小さな花束がそっと飾られていた。
ティナが小さな手でひとつひとつ摘んだ野花の花束は、素朴ながらもあたたかな雰囲気を漂わせている。
「わたしのおはなだ!」
ティナが嬉しそうに駆け寄ろうとした、そのとき。
「お待ちなさい」
低く響く声が背後から落ちた。
フィオレッタが振り向くと、長身の老人が廊下の奥から歩いてくる。
黒の礼服をきっちりと着こなし、背筋はまっすぐ。鋭い灰色の瞳が二人を射抜いた。
「見知らぬメイド。お前は誰の許可で、ここにこのような花を置いたのかね?」
その目はフィオレッタに向けられている。ピリピリとした緊張感がその場に生まれ、ティナは驚いたのかフィオレッタの後ろに隠れてしまった。
「ここは前領主ご夫妻を偲ぶ場所です。供花はそれにふさわしいものを選ぶべきでしょう。このような野の花では、品格を損ないます」
老人の冷たい声が大理石の壁に反響する。ティナがびくりと肩を震わせ、握った手に力がこもる。
(そんな言い方……! 一目見たら、ティナが作ったとわかるでしょうに)
あえて気づかないふりをしているのか、老人は表情を変えることもない。まさか城の内部にこのような人がいると思っておらず、フィオレッタは一度小さく息を吐いた。
ヴェルフリートは把握していないのだろうか。この態度からして、この老人は城に仕える使用人の中でも、高い地位についていることが察せられた。
(きっとこの城の家令なのでしょう。ティナを尊重するつもりはないようね)
ひり、と胸の奥が痛む。
この痛みはよく知っている。かつて、公爵家の屋敷で誰にも庇われず、冷たい視線にさらされたときと同じ痛みだ。リゼがいつも近くにいるわけではなかった。
「確かに、これは高価な花ではありません」
フィオレッタは静かに言葉を紡ぐ。
「けれど、これはティナがご両親を思って摘んだものです。気持ちを届けることに、貴いも卑しいもないと思います。あなたのその考えの方が浅ましいのではありませんか?」
「おねえちゃま……」
ティナが裾をぎゅっと握り、上目で見上げてくる。
フィオレッタはその小さな頭に手を置いた。
クラウスが軽く手を振る。
「宿屋の主人にもちゃんと説明しておきます。すごく驚かれそうですよね」
「そうですね。こちらにきてなにかと面倒を見てくださいましたから……」
リゼとその娘夫婦が手を差し伸べてくれなければ、フィオレッタは今頃どこで何をしていたかわからない。
いくら感謝してもしきれないほどだ。
「まあでも、ヨエルさんなら分かってくれるでしょう! それじゃ、すぐ戻りますから。ティナ様と遊んでてくださいね。旦那様は仕事終わらせといてくださいね」
「は、はい!」
「……」
クラウスは軽く手を振って廊下を去っていった。
その背を見送りながら、ヴェルフリートは少しだけ険しい顔をして机の方へと戻るっていく。あの山盛りの書類をこれから片付けるとなると、とても大変そうだ。
「私はまだ仕事がある。夕食はティナと二人で食べておいてもらえるだろうか」
「フィオおねえちゃまとごはんたべていいの?」
「ああ」
「やった~!!」
ヴェルフリートの言葉にティナは勢いよく飛び上がり、ぱたぱたとその場で跳ねた。ふわふわの巻き毛が上下に揺れ、頬はりんごのように赤くなっている
「フィオおねえちゃまといっしょ! クーちゃんもいっしょにたべる!」
「ふふ、それは楽しみね」
子どもの笑い声が広い廊下に反響して、重かった空気が少し軽くなる。
ヴェルフリートは一瞬だけその光景を見やり、すぐに視線を手元の書類へと落とした。とても忙しそうだ。
「では、失礼致します」
フィオレッタは退室の挨拶をして執務室をあとにした。
***
「フィオおねえちゃま、さっきのおはなをみにいきたい」
廊下に出たところで、ティナがぱっと顔を輝かせて言った。
最初は何のことか分からなかったが、フィオレッタはすぐに思い出す。
(ヘルマさんに預けた花束のことね)
花畑からここについたとき、ティナが大切そうに抱えていた小さな花束をヘルマに託したのだ。「あとで飾っておきますね」と笑っていたヘルマの言葉がよみがえる。
「ええ、行ってみましょうか」
「うん!」
「ティナ様……ティナは、そのお花がどこにあるのか知っている?」
「きっとね、えのところ」
フィオレッタが手を差し出すと、ティナはぱっと握り返してきた。
まだこの城の内部はよくわからないが、「えのところ」というのは、二人の肖像画が飾られていたところなのだろう。そこならば覚えている。
二人で廊下を歩き、階段を下りて行くと、やがて大広間の奥まった一角にたどり着いた。
そこには、黒い布がかかったティナの両親の肖像画が並んで掛けられている。重厚な額縁の下、磨かれた石台の上に、小さな花束がそっと飾られていた。
ティナが小さな手でひとつひとつ摘んだ野花の花束は、素朴ながらもあたたかな雰囲気を漂わせている。
「わたしのおはなだ!」
ティナが嬉しそうに駆け寄ろうとした、そのとき。
「お待ちなさい」
低く響く声が背後から落ちた。
フィオレッタが振り向くと、長身の老人が廊下の奥から歩いてくる。
黒の礼服をきっちりと着こなし、背筋はまっすぐ。鋭い灰色の瞳が二人を射抜いた。
「見知らぬメイド。お前は誰の許可で、ここにこのような花を置いたのかね?」
その目はフィオレッタに向けられている。ピリピリとした緊張感がその場に生まれ、ティナは驚いたのかフィオレッタの後ろに隠れてしまった。
「ここは前領主ご夫妻を偲ぶ場所です。供花はそれにふさわしいものを選ぶべきでしょう。このような野の花では、品格を損ないます」
老人の冷たい声が大理石の壁に反響する。ティナがびくりと肩を震わせ、握った手に力がこもる。
(そんな言い方……! 一目見たら、ティナが作ったとわかるでしょうに)
あえて気づかないふりをしているのか、老人は表情を変えることもない。まさか城の内部にこのような人がいると思っておらず、フィオレッタは一度小さく息を吐いた。
ヴェルフリートは把握していないのだろうか。この態度からして、この老人は城に仕える使用人の中でも、高い地位についていることが察せられた。
(きっとこの城の家令なのでしょう。ティナを尊重するつもりはないようね)
ひり、と胸の奥が痛む。
この痛みはよく知っている。かつて、公爵家の屋敷で誰にも庇われず、冷たい視線にさらされたときと同じ痛みだ。リゼがいつも近くにいるわけではなかった。
「確かに、これは高価な花ではありません」
フィオレッタは静かに言葉を紡ぐ。
「けれど、これはティナがご両親を思って摘んだものです。気持ちを届けることに、貴いも卑しいもないと思います。あなたのその考えの方が浅ましいのではありませんか?」
「おねえちゃま……」
ティナが裾をぎゅっと握り、上目で見上げてくる。
フィオレッタはその小さな頭に手を置いた。
926
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
🔶表紙はAI生成画像です🤖
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
なりゆきで妻になった割に大事にされている……と思ったら溺愛されてた
たぬきち25番
恋愛
男爵家の三女イリスに転生した七海は、貴族の夜会で相手を見つけることができずに女官になった。
女官として認められ、夜会を仕切る部署に配属された。
そして今回、既婚者しか入れない夜会の責任者を任せられた。
夜会当日、伯爵家のリカルドがどうしても公爵に会う必要があるので夜会会場に入れてほしいと懇願された。
だが、会場に入るためには結婚をしている必要があり……?
※本当に申し訳ないです、感想の返信できないかもしれません……
※他サイト様にも掲載始めました!
公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました
Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。
そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。
それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。
必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが…
正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。
【完結】女嫌いの公爵様に嫁いだら前妻の幼子と家族になりました
香坂 凛音
恋愛
ここはステイプルドン王国。
エッジ男爵家は領民に寄り添う堅実で温かな一族であり、家族仲も良好でした。長女ジャネットは、貴族学園を優秀な成績で卒業し、妹や弟の面倒も見る、評判のよい令嬢です。
一方、アンドレアス・キーリー公爵は、深紅の髪と瞳を持つ美貌の騎士団長。
火属性の魔法を自在に操り、かつて四万の敵をひとりで蹴散らした伝説の英雄です。
しかし、女性に心を閉ざしており、一度は結婚したものの離婚した過去を持ちます。
そんな彼が、翌年に控える隣国マルケイヒー帝国の皇帝夫妻の公式訪問に備え、「形式だけでいいから再婚せよ」と王に命じられました。
選ばれたのは、令嬢ジャネット。ジャネットは初夜に冷たい言葉を突きつけられます。
「君を妻として愛するつもりはない」
「跡継ぎなら、すでにいる。……だから子供も必要ない」
これは、そんなお飾りの妻として迎えられたジャネットが、前妻の子を真心から愛し、公爵とも次第に心を通わせていく、波乱と愛の物語です。
前妻による陰湿な嫌がらせ、職人養成学校の設立、魔導圧縮バッグの開発など、ジャネットの有能さが光る場面も見どころ。
さらに、伝説の子竜の登場や、聖女を利用した愚王の陰謀など、ファンタジー要素も盛りだくさん。前向きな有能令嬢の恋の物語です。最後には心あたたまるハッピーエンドが待っています。
※こちらの作品は、カクヨム・小説家になろうでは「青空一夏」名義で投稿しております。
アルファポリスでは作風を分けるため、別アカウントを使用しています。
本作は「ほのぼの中心+きつすぎないざまぁ」で構成されています。
スカッとする場面だけでなく、読み終わったあとに幸福感が残る物語です。
ちょっぴり痛快、でも優しい読後感を大切にしています。
※カクヨム恋愛ランキング11位(6/24時点)
全54話、完結保証つき。
毎日4話更新:朝7:00/昼12:00/夕17:00/夜20:00→3回更新に変えました。
どうぞ、最後までお付き合いくださいませ。
愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
目が覚めると私は昔読んでいた本の中の登場人物、公爵家の後妻となった元王女ビオラに転生していた。
人嫌いの公爵は、王家によって組まれた前妻もビオラのことも毛嫌いしており、何をするのも全て別。二人の結婚には愛情の欠片もなく、ビオラは使用人たちにすら相手にされぬ生活を送っていた。
それでもめげずにこの家にしがみついていたのは、ビオラが公爵のことが本当に好きだったから。しかしその想いは報われることなどなく彼女は消え、私がこの体に入ってしまったらしい。
嫌われ者のビオラに転生し、この先どうしようかと考えあぐねていると、この物語の主人公であるルカが声をかけてきた。物語の中で悲惨な幼少期を過ごし、闇落ち予定のルカは純粋なまなざしで自分を見ている。天使のような可愛らしさと優しさに、気づけば彼を救って本物の家族になりたいと考える様に。
二人一緒ならばもう孤独ではないと、私はルカとの絆を深めていく。
するといつしか私を取り巻く周りの人々の目も、変わり始めるのだったーー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる