42 / 54
39 書庫
しおりを挟む
執務室には朝の光が差し込み、いつもより柔らかい空気が流れていた。
お試し結婚の契約書の再確認と延長の手続きを終えたばかりのフィオレッタとヴェルフリートは、どこか自然と微笑んでしまうような穏やかな表情をしていた。
「これで、引き続きよろしく頼む」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いいたしますわ」
「ふたりがそれでいいなら、いーよ……」
クラウスはなぜか遠い目をして、机に肘をつきながら天井を見ている。
(どうしたのかしら?)
不思議に思っていると、そこに文官の一人が書類束を抱えて入室してきた。フィオレッタが軽く会釈すると、彼はきりりとした礼を返す。
「ヴェルフリート様、治水工事の件について資料をまとめてきたのですが……まだ情報が不足している部分がありまして」
言いながら机の上に広げた紙束。その一枚にフィオレッタの視線がとまった。
「どの部分でしょう?」
フィオレッタがそっと資料を覗き込むと、文官が指で示す。
「この、川幅の変遷と氾濫頻度の記録です。古い年代のものがどうしても見つからず……」
フィオレッタは一瞬考え、それから迷いなく言った。
「それなら書庫の『旧河川管理誌』に記載があるはずですわ。年代別の水位変化も丁寧にまとめられていたはずです」
文官の顔がぱっと明るくなる。
「そ、そうなんですね。助かります、フィオ様」
「一緒に行きましょうか? 書物の場所は大体わかっていますので」
「ぜひ……! 非常に助かります!」
彼らのやり取りを黙って見ていたヴェルフリートは、静かに立ち上がる。
そしてフィオレッタへ向ける目は、どこか誇らしげだった。
「重い本は必ず文官に運ばせるように」
「はい、行ってまいります」
過保護にしか聞こえない言葉に、文官が思わず背筋を伸ばす。
そうしてふたりは並んで執務室を出た。
「フィオ様は領地の書物にもお詳しいのですね」
「少し読ませていただいただけですわ。慣れればすぐに見つかります」
「その“慣れ”が難しくて、我々はいつも迷いまして……本当に助かります」
そんな穏やかな空気のまま、ふたりは書庫へと向かった。
**
ちょうど書庫の前に差し掛かった時だった。
扉が勢いよく開き、誰かが出てくる。
「——!」
フィオレッタは思わず立ち止まった。
現れたのは、どことなくよれた衣服に薄い隈、そして落ち着きなく揺れる眼差しのオルドフだった。
長期休暇を終えたのだろう。ここにいること自体にも驚いたが、なによりその異様な気配が気になった。
「ごきげんよう、オルドフさん」
「……ここには何の御用で?」
フィオレッタが会釈すると、オルドフはぎょろりとした濁った目を向けてくる。
挨拶を返す気配すらない。文官が困惑して横目でフィオレッタを見るが、彼女は微笑みのまま一歩前に出た。
「治水工事の資料を探しに参りましたの。河川の記録を確認したくて」
オルドフの喉がひくりと動く。
視線がせわしなく揺れ、額に汗が浮かんでいくのがわかる。
「客人が、我がエルグランド家の書庫を我が物顔で使うなど許されない!」
怒声に近い声が廊下に響き、文官がびくりと肩を跳ねさせた。
いつもは丁寧な物腰のオルドフの豹変に、フィオレッタは目を瞬く。
(どうしたのかしら? こんなことで声を荒らげるなんて)
オルドフの顔は青ざめ、まるで大事な秘密に触れられたかのような恐怖すら滲んでいた。
「し、失礼ながら、奥様にはその権利があるかと! ヴェルフリート様の許可もいただいております!」
文官が素早くフィオレッタの前に出た。
オルドフはその肩越しに、ぎろりとした視線を向け、鼻で笑う。
「……さすが、悪女様は男をたぶらかすのがお上手ですねえ。旦那様も、この新参者も手のひらの上……いやはや、気持ち悪い」
「貴様、何を——!」
文官が思わず声を荒げかける。だが、フィオレッタが静かに手を上げて制した。
「いけません。大丈夫ですわ」
その声音は不思議なほど落ち着いていた。
オルドフの侮蔑は刺さる。それでも彼女の瞳は揺れない。
「オルドフ。あなたには、私の行動を制限する権利はないでしょう? 書庫には入ります」
凛とした声に、一瞬だけオルドフの顔が引きつる。
「……ふんっ! 悪女はきっと裁かれる!」
最後に足掻くように舌打ちし、オルドフは乱れた足取りで廊下を去っていった。
「……なんですか、あれ」
「行きましょう」
文官は呆れたように眉を寄せたが、フィオレッタは気丈に微笑んで書庫の扉へ向かった。
(ティナとの時間も控えているのだから、あの人に時間をかけてはいられないもの)
書庫は薄暗く、背の高い棚が幾重にも影を落としている。古い紙の匂いが漂う中、二人は目的の棚へと向かう。
「こちらの棚に河川管理誌があるはずです。どうされましたか?」
「あっ、すみません、これも気になって……!」
焦っているのか、文官は端の棚の本に手を伸ばす。
だが、その拍子に本がずるりと崩れ——バサバサと大きな音を立てて数冊が床に落ちた。
「きゃっ……! だ、大丈夫ですか?」
フィオレッタは慌てて駆け寄り、落ちた本を拾い上げようと膝をつく。
「す、すみません! 触り方が悪かったみたいで……!」
「いえ、怪我がなくて良かったですわ。ゆっくりで構いませんから」
言いながら、一冊の本にふと手が触れた。
革表紙はすすけ、背には何の表記もない。だが、中の紙だけやけに真新しい。
(こんな本はこの分類にはなかったはずなのに)
少なくとも、前は見つけることができなかったものだ。
胸の奥に小さなざわめきが走る。フィオレッタはその本をそっとめくり、最初の数行を読んだ。そして、息が止まるかと思った。
「……!」
——これは、偶然紛れ込んだ帳簿ではない。
冷たい予感が、背筋をひたひたと這い上がってくるのを感じた。
お試し結婚の契約書の再確認と延長の手続きを終えたばかりのフィオレッタとヴェルフリートは、どこか自然と微笑んでしまうような穏やかな表情をしていた。
「これで、引き続きよろしく頼む」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いいたしますわ」
「ふたりがそれでいいなら、いーよ……」
クラウスはなぜか遠い目をして、机に肘をつきながら天井を見ている。
(どうしたのかしら?)
不思議に思っていると、そこに文官の一人が書類束を抱えて入室してきた。フィオレッタが軽く会釈すると、彼はきりりとした礼を返す。
「ヴェルフリート様、治水工事の件について資料をまとめてきたのですが……まだ情報が不足している部分がありまして」
言いながら机の上に広げた紙束。その一枚にフィオレッタの視線がとまった。
「どの部分でしょう?」
フィオレッタがそっと資料を覗き込むと、文官が指で示す。
「この、川幅の変遷と氾濫頻度の記録です。古い年代のものがどうしても見つからず……」
フィオレッタは一瞬考え、それから迷いなく言った。
「それなら書庫の『旧河川管理誌』に記載があるはずですわ。年代別の水位変化も丁寧にまとめられていたはずです」
文官の顔がぱっと明るくなる。
「そ、そうなんですね。助かります、フィオ様」
「一緒に行きましょうか? 書物の場所は大体わかっていますので」
「ぜひ……! 非常に助かります!」
彼らのやり取りを黙って見ていたヴェルフリートは、静かに立ち上がる。
そしてフィオレッタへ向ける目は、どこか誇らしげだった。
「重い本は必ず文官に運ばせるように」
「はい、行ってまいります」
過保護にしか聞こえない言葉に、文官が思わず背筋を伸ばす。
そうしてふたりは並んで執務室を出た。
「フィオ様は領地の書物にもお詳しいのですね」
「少し読ませていただいただけですわ。慣れればすぐに見つかります」
「その“慣れ”が難しくて、我々はいつも迷いまして……本当に助かります」
そんな穏やかな空気のまま、ふたりは書庫へと向かった。
**
ちょうど書庫の前に差し掛かった時だった。
扉が勢いよく開き、誰かが出てくる。
「——!」
フィオレッタは思わず立ち止まった。
現れたのは、どことなくよれた衣服に薄い隈、そして落ち着きなく揺れる眼差しのオルドフだった。
長期休暇を終えたのだろう。ここにいること自体にも驚いたが、なによりその異様な気配が気になった。
「ごきげんよう、オルドフさん」
「……ここには何の御用で?」
フィオレッタが会釈すると、オルドフはぎょろりとした濁った目を向けてくる。
挨拶を返す気配すらない。文官が困惑して横目でフィオレッタを見るが、彼女は微笑みのまま一歩前に出た。
「治水工事の資料を探しに参りましたの。河川の記録を確認したくて」
オルドフの喉がひくりと動く。
視線がせわしなく揺れ、額に汗が浮かんでいくのがわかる。
「客人が、我がエルグランド家の書庫を我が物顔で使うなど許されない!」
怒声に近い声が廊下に響き、文官がびくりと肩を跳ねさせた。
いつもは丁寧な物腰のオルドフの豹変に、フィオレッタは目を瞬く。
(どうしたのかしら? こんなことで声を荒らげるなんて)
オルドフの顔は青ざめ、まるで大事な秘密に触れられたかのような恐怖すら滲んでいた。
「し、失礼ながら、奥様にはその権利があるかと! ヴェルフリート様の許可もいただいております!」
文官が素早くフィオレッタの前に出た。
オルドフはその肩越しに、ぎろりとした視線を向け、鼻で笑う。
「……さすが、悪女様は男をたぶらかすのがお上手ですねえ。旦那様も、この新参者も手のひらの上……いやはや、気持ち悪い」
「貴様、何を——!」
文官が思わず声を荒げかける。だが、フィオレッタが静かに手を上げて制した。
「いけません。大丈夫ですわ」
その声音は不思議なほど落ち着いていた。
オルドフの侮蔑は刺さる。それでも彼女の瞳は揺れない。
「オルドフ。あなたには、私の行動を制限する権利はないでしょう? 書庫には入ります」
凛とした声に、一瞬だけオルドフの顔が引きつる。
「……ふんっ! 悪女はきっと裁かれる!」
最後に足掻くように舌打ちし、オルドフは乱れた足取りで廊下を去っていった。
「……なんですか、あれ」
「行きましょう」
文官は呆れたように眉を寄せたが、フィオレッタは気丈に微笑んで書庫の扉へ向かった。
(ティナとの時間も控えているのだから、あの人に時間をかけてはいられないもの)
書庫は薄暗く、背の高い棚が幾重にも影を落としている。古い紙の匂いが漂う中、二人は目的の棚へと向かう。
「こちらの棚に河川管理誌があるはずです。どうされましたか?」
「あっ、すみません、これも気になって……!」
焦っているのか、文官は端の棚の本に手を伸ばす。
だが、その拍子に本がずるりと崩れ——バサバサと大きな音を立てて数冊が床に落ちた。
「きゃっ……! だ、大丈夫ですか?」
フィオレッタは慌てて駆け寄り、落ちた本を拾い上げようと膝をつく。
「す、すみません! 触り方が悪かったみたいで……!」
「いえ、怪我がなくて良かったですわ。ゆっくりで構いませんから」
言いながら、一冊の本にふと手が触れた。
革表紙はすすけ、背には何の表記もない。だが、中の紙だけやけに真新しい。
(こんな本はこの分類にはなかったはずなのに)
少なくとも、前は見つけることができなかったものだ。
胸の奥に小さなざわめきが走る。フィオレッタはその本をそっとめくり、最初の数行を読んだ。そして、息が止まるかと思った。
「……!」
——これは、偶然紛れ込んだ帳簿ではない。
冷たい予感が、背筋をひたひたと這い上がってくるのを感じた。
755
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
🔶表紙はAI生成画像です🤖
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
なりゆきで妻になった割に大事にされている……と思ったら溺愛されてた
たぬきち25番
恋愛
男爵家の三女イリスに転生した七海は、貴族の夜会で相手を見つけることができずに女官になった。
女官として認められ、夜会を仕切る部署に配属された。
そして今回、既婚者しか入れない夜会の責任者を任せられた。
夜会当日、伯爵家のリカルドがどうしても公爵に会う必要があるので夜会会場に入れてほしいと懇願された。
だが、会場に入るためには結婚をしている必要があり……?
※本当に申し訳ないです、感想の返信できないかもしれません……
※他サイト様にも掲載始めました!
公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました
Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。
そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。
それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。
必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが…
正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。
【完結】女嫌いの公爵様に嫁いだら前妻の幼子と家族になりました
香坂 凛音
恋愛
ここはステイプルドン王国。
エッジ男爵家は領民に寄り添う堅実で温かな一族であり、家族仲も良好でした。長女ジャネットは、貴族学園を優秀な成績で卒業し、妹や弟の面倒も見る、評判のよい令嬢です。
一方、アンドレアス・キーリー公爵は、深紅の髪と瞳を持つ美貌の騎士団長。
火属性の魔法を自在に操り、かつて四万の敵をひとりで蹴散らした伝説の英雄です。
しかし、女性に心を閉ざしており、一度は結婚したものの離婚した過去を持ちます。
そんな彼が、翌年に控える隣国マルケイヒー帝国の皇帝夫妻の公式訪問に備え、「形式だけでいいから再婚せよ」と王に命じられました。
選ばれたのは、令嬢ジャネット。ジャネットは初夜に冷たい言葉を突きつけられます。
「君を妻として愛するつもりはない」
「跡継ぎなら、すでにいる。……だから子供も必要ない」
これは、そんなお飾りの妻として迎えられたジャネットが、前妻の子を真心から愛し、公爵とも次第に心を通わせていく、波乱と愛の物語です。
前妻による陰湿な嫌がらせ、職人養成学校の設立、魔導圧縮バッグの開発など、ジャネットの有能さが光る場面も見どころ。
さらに、伝説の子竜の登場や、聖女を利用した愚王の陰謀など、ファンタジー要素も盛りだくさん。前向きな有能令嬢の恋の物語です。最後には心あたたまるハッピーエンドが待っています。
※こちらの作品は、カクヨム・小説家になろうでは「青空一夏」名義で投稿しております。
アルファポリスでは作風を分けるため、別アカウントを使用しています。
本作は「ほのぼの中心+きつすぎないざまぁ」で構成されています。
スカッとする場面だけでなく、読み終わったあとに幸福感が残る物語です。
ちょっぴり痛快、でも優しい読後感を大切にしています。
※カクヨム恋愛ランキング11位(6/24時点)
全54話、完結保証つき。
毎日4話更新:朝7:00/昼12:00/夕17:00/夜20:00→3回更新に変えました。
どうぞ、最後までお付き合いくださいませ。
愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
目が覚めると私は昔読んでいた本の中の登場人物、公爵家の後妻となった元王女ビオラに転生していた。
人嫌いの公爵は、王家によって組まれた前妻もビオラのことも毛嫌いしており、何をするのも全て別。二人の結婚には愛情の欠片もなく、ビオラは使用人たちにすら相手にされぬ生活を送っていた。
それでもめげずにこの家にしがみついていたのは、ビオラが公爵のことが本当に好きだったから。しかしその想いは報われることなどなく彼女は消え、私がこの体に入ってしまったらしい。
嫌われ者のビオラに転生し、この先どうしようかと考えあぐねていると、この物語の主人公であるルカが声をかけてきた。物語の中で悲惨な幼少期を過ごし、闇落ち予定のルカは純粋なまなざしで自分を見ている。天使のような可愛らしさと優しさに、気づけば彼を救って本物の家族になりたいと考える様に。
二人一緒ならばもう孤独ではないと、私はルカとの絆を深めていく。
するといつしか私を取り巻く周りの人々の目も、変わり始めるのだったーー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる