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3章 うれしはずかし新生活
21 不安定なココロとカラダ
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◇
真っ白な眩しい光に一瞬包まれたあと、恐る恐る目を開けてみた。
(……もしやこれは、前回と同じパターンですか……?)
同じパターン…というか、以前ミムルちゃんの前で人間の姿に戻ったときとは逆で、今度はワンコに戻ってしまったんだろうか……?と、なんとなく感じた。
「…ミカ、ヅキ……?」
「きゅ……(あ…やっぱり……)」
「……」
カインズさんを下から見上げるほど、一気に低くなった視線の高さ。
手足を見てみると、案の定白くてふわふわの小さな手と可愛らしい肉球がお目見えした。
一瞬呆然としたカインズさんはすぐに冷静さを取り戻し、散らばったあたしの服をたたんで持っていた鞄にしまってから、ワンコ状態のあたしを抱き上げた。
「きゅうぅん(カインズさん……)」
「……ミカヅキ、だよね?」
「(コクリ)」
「子犬状態になると喋れなくなるのか……とりあえず、ミムルを連れて一旦家に帰ろう」
「きゅう(はい)」
カインズさんに連れられミムルちゃんの待つお店に行くと、ミムルちゃんは優しそうなおばさまのそばでもきゅもきゅとお菓子を食べていた。
優しそうなおばさまもカインズさんを祝福する言葉を言ってきたけど、長くなりそうなお話を丁重にかわし、ミムルちゃんの飲食の会計を済ませる。
ミムルちゃんはワンコ状態のあたしを見て驚いた顔をしてたけど、カインズさん「大丈夫。でも詳しいことは家で話すから、いったん帰るよ」と言って落ち着かせ、とりあえずは三人で早々に帰宅することにした。
なので、初めてのお買い物は何も買い物ができないまま終わってしまったのでした。
◇
「ミカヅキ、身体は具合悪いとか痛いとかない?大丈夫??」
「きゅっ!(大丈夫です)」
「そうか……じゃあ、次からは“ハイ”なら右手、“イイエ”なら左手を上げて返事してくれ」
「きゅぅ!(ハイっ!)」
カインズさんがあたしの体調や状況についていくつか質問をしている間、あたしはミムルちゃんに抱っこされていた。
不安そうな顔をしているから、きっと心配させてしまったんだろう。
(フェンリルのワンコが実はまだ回復してなかったから、またあたしもワンコ状態に戻っちゃったのかな?)
たしかあたしの称号にあった“フェンリルの半身”は、あのワンコの半身という意味で、回復したら元の姿に変身できると言っていた。
(ワンコが回復したらまた人間に変身できるだろうから、戻れるまで気長に待つのが良いんだろうな……)
その後、なんとか“また人間に戻れると思う”と二人に伝えると、安心したカインズさんは「ちょっと出かけてくる」と言って外出し、あたしとミムルちゃんは留守番中に一緒にリビングでお昼寝したりと普通に過ごしていたが、残念ながらあたしが人間の姿に戻ることはなかった。
カインズさんやミムルちゃんの方が戸惑いもあると思うのに、普通に接してくれていることがすごく嬉しいし、ありがたかった。
ちょっとだけ変わったのは、あたしをお風呂に入れてくれるカインズさんが、タオルを腰に巻いてカインズさんJrを隠してくれたり、あたしの身体を隅々まで洗うテクニックに磨きがかかったように感じたことくらいだと思う。
……気のせいかもしれないけど。
「ミカヅキ、おいで」
「きゅう(はーい)」
さすがにワンコ生活を1ヶ月経験していると、慣れというか癖みたいなものができてしまい、夜眠るときにカインズさんに呼ばれて懐に潜りこむのが習慣で身体に沁みついていた。
今夜も寝る前に、カインズさんによるもふもふと巧みなテクニックで、仰向けのままお腹を見せて完全服従の状態である。
ワンコ状態でも人間の状態でも、あたしはカインズさんにされるがままのようだ。
……果たしてこれで良いんだろうか?
「ミカヅキ……気持ち良かったか?」
「きゅきゅぅん…(なんか、お風呂のときと言い、今日は特にテクニックに磨きがかかってたと思いますよ)」
心なしか少し艶っぽい雰囲気のカインズさんが、満足そうな顔であたしを優しく撫でながら語りかけてきた。
「ふふっ、人間の姿に戻れたときもいっぱい気持ち良くさせてやるからな♪」
「きゅ?(ん?)」
カインズさんは、意味深なことを言ってからワンコ状態のあたしの口にちゅってキスをした。
「きゅ?!(えぇ?!)」
「さすがに子犬状態だと舌は入れられないけど……俺は子犬のミカヅキも、人間の姿のミカヅキもどっちも好きだよ」
「きゅ……きゅぅぅん???!!!(え、ちょっと……ひゃぅっ???!!!)」
その後も口だけじゃなく、ワンコ状態のあたしの身体中を愛おしそうにちゅってしたり、あむって甘噛みしたりと、まるで人間の姿のあたしにしているのと同じよう触れてきた。
(ちょっと待ってちょっと待って!今あたし、ワンコ状態だからっ!!
人間の姿じゃないからぁぁぁぁぁ!!!!!!)
「ん、相手がミカヅキだって思うと、子犬状態の反応もすごく可愛く見えるかも……」
「きゅっ、きゅきゅうぅぅぅぅぅぅっ!!(やだやだっ!小動物や子供は愛でるものであって襲っちゃダメですっ!!きゃ~~~~~っ、脚をパカッて開かないでぇぇぇぇぇぇ!!!!!)」
「ふふっ、これって一応“獣姦”って言うのかな?だとしたら俺も初めて……って、ぅわっ!ミカヅキ、ごめんごめん、悪かったって!だから暴れな……いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
カインズさんという“敵”から身を守るため必死に抵抗していたら、頭の片隅で“ピロリン♪”という場違いな音が聞こえた気がした。
魔物やモンスターのいない平和な家で生活しているはずなのに、あたしの噛みつきスキルのレベルかレベルそのものが上がった、そんな夜でした……――――――――
真っ白な眩しい光に一瞬包まれたあと、恐る恐る目を開けてみた。
(……もしやこれは、前回と同じパターンですか……?)
同じパターン…というか、以前ミムルちゃんの前で人間の姿に戻ったときとは逆で、今度はワンコに戻ってしまったんだろうか……?と、なんとなく感じた。
「…ミカ、ヅキ……?」
「きゅ……(あ…やっぱり……)」
「……」
カインズさんを下から見上げるほど、一気に低くなった視線の高さ。
手足を見てみると、案の定白くてふわふわの小さな手と可愛らしい肉球がお目見えした。
一瞬呆然としたカインズさんはすぐに冷静さを取り戻し、散らばったあたしの服をたたんで持っていた鞄にしまってから、ワンコ状態のあたしを抱き上げた。
「きゅうぅん(カインズさん……)」
「……ミカヅキ、だよね?」
「(コクリ)」
「子犬状態になると喋れなくなるのか……とりあえず、ミムルを連れて一旦家に帰ろう」
「きゅう(はい)」
カインズさんに連れられミムルちゃんの待つお店に行くと、ミムルちゃんは優しそうなおばさまのそばでもきゅもきゅとお菓子を食べていた。
優しそうなおばさまもカインズさんを祝福する言葉を言ってきたけど、長くなりそうなお話を丁重にかわし、ミムルちゃんの飲食の会計を済ませる。
ミムルちゃんはワンコ状態のあたしを見て驚いた顔をしてたけど、カインズさん「大丈夫。でも詳しいことは家で話すから、いったん帰るよ」と言って落ち着かせ、とりあえずは三人で早々に帰宅することにした。
なので、初めてのお買い物は何も買い物ができないまま終わってしまったのでした。
◇
「ミカヅキ、身体は具合悪いとか痛いとかない?大丈夫??」
「きゅっ!(大丈夫です)」
「そうか……じゃあ、次からは“ハイ”なら右手、“イイエ”なら左手を上げて返事してくれ」
「きゅぅ!(ハイっ!)」
カインズさんがあたしの体調や状況についていくつか質問をしている間、あたしはミムルちゃんに抱っこされていた。
不安そうな顔をしているから、きっと心配させてしまったんだろう。
(フェンリルのワンコが実はまだ回復してなかったから、またあたしもワンコ状態に戻っちゃったのかな?)
たしかあたしの称号にあった“フェンリルの半身”は、あのワンコの半身という意味で、回復したら元の姿に変身できると言っていた。
(ワンコが回復したらまた人間に変身できるだろうから、戻れるまで気長に待つのが良いんだろうな……)
その後、なんとか“また人間に戻れると思う”と二人に伝えると、安心したカインズさんは「ちょっと出かけてくる」と言って外出し、あたしとミムルちゃんは留守番中に一緒にリビングでお昼寝したりと普通に過ごしていたが、残念ながらあたしが人間の姿に戻ることはなかった。
カインズさんやミムルちゃんの方が戸惑いもあると思うのに、普通に接してくれていることがすごく嬉しいし、ありがたかった。
ちょっとだけ変わったのは、あたしをお風呂に入れてくれるカインズさんが、タオルを腰に巻いてカインズさんJrを隠してくれたり、あたしの身体を隅々まで洗うテクニックに磨きがかかったように感じたことくらいだと思う。
……気のせいかもしれないけど。
「ミカヅキ、おいで」
「きゅう(はーい)」
さすがにワンコ生活を1ヶ月経験していると、慣れというか癖みたいなものができてしまい、夜眠るときにカインズさんに呼ばれて懐に潜りこむのが習慣で身体に沁みついていた。
今夜も寝る前に、カインズさんによるもふもふと巧みなテクニックで、仰向けのままお腹を見せて完全服従の状態である。
ワンコ状態でも人間の状態でも、あたしはカインズさんにされるがままのようだ。
……果たしてこれで良いんだろうか?
「ミカヅキ……気持ち良かったか?」
「きゅきゅぅん…(なんか、お風呂のときと言い、今日は特にテクニックに磨きがかかってたと思いますよ)」
心なしか少し艶っぽい雰囲気のカインズさんが、満足そうな顔であたしを優しく撫でながら語りかけてきた。
「ふふっ、人間の姿に戻れたときもいっぱい気持ち良くさせてやるからな♪」
「きゅ?(ん?)」
カインズさんは、意味深なことを言ってからワンコ状態のあたしの口にちゅってキスをした。
「きゅ?!(えぇ?!)」
「さすがに子犬状態だと舌は入れられないけど……俺は子犬のミカヅキも、人間の姿のミカヅキもどっちも好きだよ」
「きゅ……きゅぅぅん???!!!(え、ちょっと……ひゃぅっ???!!!)」
その後も口だけじゃなく、ワンコ状態のあたしの身体中を愛おしそうにちゅってしたり、あむって甘噛みしたりと、まるで人間の姿のあたしにしているのと同じよう触れてきた。
(ちょっと待ってちょっと待って!今あたし、ワンコ状態だからっ!!
人間の姿じゃないからぁぁぁぁぁ!!!!!!)
「ん、相手がミカヅキだって思うと、子犬状態の反応もすごく可愛く見えるかも……」
「きゅっ、きゅきゅうぅぅぅぅぅぅっ!!(やだやだっ!小動物や子供は愛でるものであって襲っちゃダメですっ!!きゃ~~~~~っ、脚をパカッて開かないでぇぇぇぇぇぇ!!!!!)」
「ふふっ、これって一応“獣姦”って言うのかな?だとしたら俺も初めて……って、ぅわっ!ミカヅキ、ごめんごめん、悪かったって!だから暴れな……いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
カインズさんという“敵”から身を守るため必死に抵抗していたら、頭の片隅で“ピロリン♪”という場違いな音が聞こえた気がした。
魔物やモンスターのいない平和な家で生活しているはずなのに、あたしの噛みつきスキルのレベルかレベルそのものが上がった、そんな夜でした……――――――――
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