生活魔法は万能です

浜柔

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277 作り直し

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 ルキアスは都合一〇回の実験を行い、鉛の銃弾にそれだけ撃たれてもアダマントの薄板には傷らしい傷が付かないのを確認した。
 そしてこの結果を元にして蒸気銃の改造を試みる。実体は改造と言うより元の蒸気銃を素材にした新造だから、初めて作った蒸気銃は記念に残して完全に新しくするのを考えないでもない。しかし既に幾度となく改造した後だから「初めて」にノスタルジーを抱くのは今更だろう。
 蒸気タンク、栓棒と引き金はこれらを支持するブロックごと、蒸気を銃身に送る導管、それに銃身を分解して作り直す。銃床なども外さなければ分解できないパーツを分解するのだから、終わった時にはバラバラである。

(こんなのよく作ったよね……)

 自身で作っていながら元通りに組み立て治せないのではと思ってしまうほどにパーツがごちゃごちゃしている。市販のライフルはもっとごちゃごちゃしていて絶望的だから、何とかなるだけマシだろう。

(頑張ろう……)

 ともあれやるしかないのだ。ルキアスは「ふん」と軽く気合を入れ直して取り掛かる。
 まずは以前の三分の一程度の厚さに延ばした鉄で以前同様の形を構築する。但し、栓棒や引き金を組み込む三部屋に別れた箱形パーツの間仕切り部分には構造的にアダマントを延ばせないので、最初から以前同様の厚さにしている。
 次に鉄製部分だけ組み上がった銃を包むように薄く延ばしたアダマントを巻き付けるのだが、薄く延ばすのに時間が掛かる上、複雑な形の部分に巻き付けるのが難しい。空気が入らないようにするのにも気を使う。
 これだけで三日を費やした。ダンジョンにも通わず、朝から夜まで睡眠と食事以外の時間を全て使ってどうにかした。
 タンクは万が一の爆発に備え、前側でアダマントに一部穴を空けている。もしもの時はここが破裂する。
 アダマントで引き金を組み込んでいる箱形パーツの全体を覆い、蒸気の導管や銃身も覆った。多少のムラは出ているだろうが、後からはもう検証できないので大丈夫だと信じるよりない。
 この上からまた鉄を同じようにして巻き付ける。内側の鉄が剥き出しの部分で『捏ね』付ければアダマントが鉄に包まれることになり、使っている途中でずれたりすることも無い筈だ。
 最後に弾丸装填部や銃床、タンクのカバーなどを取り付けたら完成だ。

(やれば何とかなるもんだね)

 作業を始めて五日目の晩。ルキアスはぐっすり眠れそうであった。
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