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413 後一〇個
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「だけど不思議ね。『捏ね』たら効果が上がるのかしら?」
メイナーダはタイラクに指輪を返す。タイラクはそれをまた指に填め、効果を確かめるように頷いた。
「やっぱこれは検証してみなきゃな。後でフヨヨンに知られたらめんどくせぇし」
「彼女は相変わらずなの?」
「おう、絶好調だ。ますます絶好調の予感しかしないから気が重いがな。メイナーダの事もぼやいてたぜ? ダンジョンに戻ってるくせに一向に顔を見せないってな」
「最前線に行く気にはなれないわね。お金稼ぐのが目的だもの」
「まあ、最前線なんて酔狂な連中の集まりだからな」
そこまで話すと、タイラクはルキアスを向いた。
「てな訳で指輪を後一〇個ばかり作ってくれ」
そう言ってアダマントの塊を改めてルキアスに渡す。
ルキアスは何が「てな訳」なのか判らなかったが、先に我が儘を聞いて貰った手前、断る選択肢は無かった。
指輪を作るのには二時間余りを要した。後になればなるほど指輪としての見栄えが良くなったのはご愛敬だろう。
「で、できました……」
ルキアスは疲労を隠せない様子で言った。アダマントを『捏ね』るには魔力的には全力を出す必要がある。それが二時間ぶっ通しだったのだ。
「サンキュー」
タイラクはそのまま『収納』に仕舞う。
「さて、もう俺がここに居てもしょうがないから帰るとするか」
「上に上がるんですか?」
タイラクとメイナーダがここに居続けているのはダンジョン出口で魔物を待ち構えている探索者の稼ぎを損なわないためでもあるのだ。だからルキアスは『帰る』の言葉に違和感を感じた。
「タイラクが帰るのは下よ」
答えたのはメイナーダだった。
「深層組は好き好んで深層に居着いちゃってるんだもの。それにあまり上に馴染めないのよね」
ルキアスはデナン達の様子を思い出した。彼らは怖がっていたが、逆に振れてる人も居ることだろう。
「もしかしてメイナーダさんを地下街であまり見掛けないのもそれが理由ですか?」
「さあ、どうかしら」
メイナーダは誤魔化した。
ルキアスはこれ以上問うのを憚られた。
タイラクは「じゃあな」とこの場を発った。
第八九階層。この階層には安全地帯が在り、深層組はその安全地帯に拠点を設けている。
タイラクは未明に到着した。建ち並ぶ建物の灯の点いた一室にずかずか入り込む。
「フヨヨン、ちょっとこの指輪に何か付与してくれ」
「何なんだい? 藪から棒に」
目の下に隈のある白衣の女性が不機嫌そうに振り向いた。
メイナーダはタイラクに指輪を返す。タイラクはそれをまた指に填め、効果を確かめるように頷いた。
「やっぱこれは検証してみなきゃな。後でフヨヨンに知られたらめんどくせぇし」
「彼女は相変わらずなの?」
「おう、絶好調だ。ますます絶好調の予感しかしないから気が重いがな。メイナーダの事もぼやいてたぜ? ダンジョンに戻ってるくせに一向に顔を見せないってな」
「最前線に行く気にはなれないわね。お金稼ぐのが目的だもの」
「まあ、最前線なんて酔狂な連中の集まりだからな」
そこまで話すと、タイラクはルキアスを向いた。
「てな訳で指輪を後一〇個ばかり作ってくれ」
そう言ってアダマントの塊を改めてルキアスに渡す。
ルキアスは何が「てな訳」なのか判らなかったが、先に我が儘を聞いて貰った手前、断る選択肢は無かった。
指輪を作るのには二時間余りを要した。後になればなるほど指輪としての見栄えが良くなったのはご愛敬だろう。
「で、できました……」
ルキアスは疲労を隠せない様子で言った。アダマントを『捏ね』るには魔力的には全力を出す必要がある。それが二時間ぶっ通しだったのだ。
「サンキュー」
タイラクはそのまま『収納』に仕舞う。
「さて、もう俺がここに居てもしょうがないから帰るとするか」
「上に上がるんですか?」
タイラクとメイナーダがここに居続けているのはダンジョン出口で魔物を待ち構えている探索者の稼ぎを損なわないためでもあるのだ。だからルキアスは『帰る』の言葉に違和感を感じた。
「タイラクが帰るのは下よ」
答えたのはメイナーダだった。
「深層組は好き好んで深層に居着いちゃってるんだもの。それにあまり上に馴染めないのよね」
ルキアスはデナン達の様子を思い出した。彼らは怖がっていたが、逆に振れてる人も居ることだろう。
「もしかしてメイナーダさんを地下街であまり見掛けないのもそれが理由ですか?」
「さあ、どうかしら」
メイナーダは誤魔化した。
ルキアスはこれ以上問うのを憚られた。
タイラクは「じゃあな」とこの場を発った。
第八九階層。この階層には安全地帯が在り、深層組はその安全地帯に拠点を設けている。
タイラクは未明に到着した。建ち並ぶ建物の灯の点いた一室にずかずか入り込む。
「フヨヨン、ちょっとこの指輪に何か付与してくれ」
「何なんだい? 藪から棒に」
目の下に隈のある白衣の女性が不機嫌そうに振り向いた。
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