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426 代金は
ルキアスは蒸気ポンプを造って貰えることになって素直に喜び掛けたところで現実を思い出した。
「あ、でも、その……、蒸気ポンプを作って貰っても代金をきっと払えません!」
纏まりそうになったところで話の腰を折るようで小さくなるルキアスだ。
しかしフヨヨンの答えはあっけらかんとしたものだった。
「代金は気にしなくていいよ。アダマントを『捏ね』て貰う報酬を何にしたらいいか考えていたのだけどね。蒸気ポンプならボクも腕を振るえて言うことないよ」
「良かった。それならお願いします」
「引き受けたよ。……報酬をちゃんと支払わないとタイラクやロマに叱られてしまうからね」
「あはは……」
渋い顔をするフヨヨンの付け加えた言葉に、ルキアスは愛想笑いを返すのが精一杯だった。
「それじゃポンプは二つ用意するよ。それにタンクも五つ用意しよう」
「幾つもいいんですか?」
「予備だよ。故障してもルキアスはポンプを修理できないだろう?」
「確かに……。でも二つとも壊れたら……?」
「一つ壊れたらボクのところに持って来ればいいよ。修理くらいしてあげるよ」
「はあ、でもここに来るのは……」
ルキアスは一度上層に戻れば実力的に深層に来れなくなってしまうのだ。
「ロマに預ければいいさ」
「はい?」
「知らないのかい? ロマは運び人でここと上との流通の要なんだよ」
「はいいっ!?」
ルキアスはロマに顔を向けた。フヨヨンが現れてから黙っていたが、ロマはまだこの場に留まっていた。
「言ってなかったか?」
「聞いてないよ!」
「話す機会が無かったんだな。こりゃ、参った」
ロマがとぼけた顔で笑うものだから、ルキアスは肩からガクッと力が抜けた。
「ここ二、三日見掛けなかった気がしたんだけど、それって気のせいじゃなく?」
「おう。上に行ってたぞ」
「ダンジョンタワーが水没した時に死に掛けるくらいだから精々中層のレベルだと思ってたよ……」
「俺は逃げ隠れが上手いだけで戦闘はからっきしだからな」
「そんなこともあるんだ……。ロマさんがここに居たのにもっと疑問を持つべきだった」
「それじゃ疑問は解決したってことでいいね?」
フヨヨンが念を押すように言った。
ルキアスは肯定を返すのみだった。
「あ、でも、その……、蒸気ポンプを作って貰っても代金をきっと払えません!」
纏まりそうになったところで話の腰を折るようで小さくなるルキアスだ。
しかしフヨヨンの答えはあっけらかんとしたものだった。
「代金は気にしなくていいよ。アダマントを『捏ね』て貰う報酬を何にしたらいいか考えていたのだけどね。蒸気ポンプならボクも腕を振るえて言うことないよ」
「良かった。それならお願いします」
「引き受けたよ。……報酬をちゃんと支払わないとタイラクやロマに叱られてしまうからね」
「あはは……」
渋い顔をするフヨヨンの付け加えた言葉に、ルキアスは愛想笑いを返すのが精一杯だった。
「それじゃポンプは二つ用意するよ。それにタンクも五つ用意しよう」
「幾つもいいんですか?」
「予備だよ。故障してもルキアスはポンプを修理できないだろう?」
「確かに……。でも二つとも壊れたら……?」
「一つ壊れたらボクのところに持って来ればいいよ。修理くらいしてあげるよ」
「はあ、でもここに来るのは……」
ルキアスは一度上層に戻れば実力的に深層に来れなくなってしまうのだ。
「ロマに預ければいいさ」
「はい?」
「知らないのかい? ロマは運び人でここと上との流通の要なんだよ」
「はいいっ!?」
ルキアスはロマに顔を向けた。フヨヨンが現れてから黙っていたが、ロマはまだこの場に留まっていた。
「言ってなかったか?」
「聞いてないよ!」
「話す機会が無かったんだな。こりゃ、参った」
ロマがとぼけた顔で笑うものだから、ルキアスは肩からガクッと力が抜けた。
「ここ二、三日見掛けなかった気がしたんだけど、それって気のせいじゃなく?」
「おう。上に行ってたぞ」
「ダンジョンタワーが水没した時に死に掛けるくらいだから精々中層のレベルだと思ってたよ……」
「俺は逃げ隠れが上手いだけで戦闘はからっきしだからな」
「そんなこともあるんだ……。ロマさんがここに居たのにもっと疑問を持つべきだった」
「それじゃ疑問は解決したってことでいいね?」
フヨヨンが念を押すように言った。
ルキアスは肯定を返すのみだった。
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