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586 厄介な魔法
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「厄介な魔法だね。攻撃に使えば強力な範囲攻撃、防御に使えば頑強な盾とはね」
「でもどうして連発しないんでしょう?」
「……確かにそうだね。一度使うと次に使えるようになるのに時間が必要なのかも知れないね」
「同じ場所では使えないってのも考えられるわね」
「同じ場所で何度も使ったらあいつ自身が身動きできなくなりそうですよね」
「身動きか……。案外それかも知れないね。タイラクが合流するまでにはまだ時間が掛かるから少し試してみようじゃないか」
「はい。お願いします」
「『お願いします』じゃないよルキアス君。どうせだから一〇〇弾を試しに撃ってみてくれたまえよ」
「一〇〇弾!? 持ってませんし、持ってても今のぼくじゃ撃てませんよ!」
「弾丸ならボクが持ってるから心配要らないよ。反動の方はそうだね……、『傘』で受け止めてみてはどうだい?」
「『傘』で……?」
ルキアスにとって盲点であった。『傘』で反動への懸念が払拭されるなら、むしろ一〇〇弾の威力を確かめたくもなる。
「やる気になったね?」
「はい」
「そこで作戦立てるのはいいけど、また来るわよ?」
「おっと、このままじゃまずいね。ルキアス君逃げてくれたまえよ」
石の槍を踏み潰しながら迫って来る魔物からの間合いを空けるため、ルキアスは『傘』を急いで飛ばす。
途中、メイナーダが『火魔法』を連射し、魔物の魔法を誘発させた。
「ルキアス君、銃とバラストとマズルブレーキを出してくれたまえよ」
ルキアスが一通りのパーツを並べると、フヨヨンはほんの数秒でネジを外してカバーを外し、ほんの数秒でバラストを填め込み、またほんの数秒てカバーを装着する。続けて駐退機ロックのレバーをアンロックへと動かし、弾倉を入れ替える。
ルキアスはこの隙に『傘』を床まで下ろした。そしてフヨヨンが差し出す銃を受け取り、フヨヨンとメイナーダが『傘』から飛び降りるのを確かめてから『傘』を一旦閉じる。
続けて銃のポジションを探る。本来なら肩で支える銃を『傘』で支えるのだから同じ位置にはできない。万が一『傘』が耐え切れなかった時にダメージを受けないよう身体の前に銃を持って来れないのだ。
肩に担ぐような位置に決めた。ただこの位置ではバラスト込みの銃を長く保持できないので短い時間で決めなければならない。
銃に密着させて『傘』を差し、魔物を狙おうとしたところで別の不都合に気付いた。
(照準できない……)
照準機は頭の上に位置していて覗けない。
(……)
ルキアスは『鏡』と『望遠』 を駆使して臨時の照準機を設け、石の槍の間隙に照準を定める。
引き金を引いた。
「でもどうして連発しないんでしょう?」
「……確かにそうだね。一度使うと次に使えるようになるのに時間が必要なのかも知れないね」
「同じ場所では使えないってのも考えられるわね」
「同じ場所で何度も使ったらあいつ自身が身動きできなくなりそうですよね」
「身動きか……。案外それかも知れないね。タイラクが合流するまでにはまだ時間が掛かるから少し試してみようじゃないか」
「はい。お願いします」
「『お願いします』じゃないよルキアス君。どうせだから一〇〇弾を試しに撃ってみてくれたまえよ」
「一〇〇弾!? 持ってませんし、持ってても今のぼくじゃ撃てませんよ!」
「弾丸ならボクが持ってるから心配要らないよ。反動の方はそうだね……、『傘』で受け止めてみてはどうだい?」
「『傘』で……?」
ルキアスにとって盲点であった。『傘』で反動への懸念が払拭されるなら、むしろ一〇〇弾の威力を確かめたくもなる。
「やる気になったね?」
「はい」
「そこで作戦立てるのはいいけど、また来るわよ?」
「おっと、このままじゃまずいね。ルキアス君逃げてくれたまえよ」
石の槍を踏み潰しながら迫って来る魔物からの間合いを空けるため、ルキアスは『傘』を急いで飛ばす。
途中、メイナーダが『火魔法』を連射し、魔物の魔法を誘発させた。
「ルキアス君、銃とバラストとマズルブレーキを出してくれたまえよ」
ルキアスが一通りのパーツを並べると、フヨヨンはほんの数秒でネジを外してカバーを外し、ほんの数秒でバラストを填め込み、またほんの数秒てカバーを装着する。続けて駐退機ロックのレバーをアンロックへと動かし、弾倉を入れ替える。
ルキアスはこの隙に『傘』を床まで下ろした。そしてフヨヨンが差し出す銃を受け取り、フヨヨンとメイナーダが『傘』から飛び降りるのを確かめてから『傘』を一旦閉じる。
続けて銃のポジションを探る。本来なら肩で支える銃を『傘』で支えるのだから同じ位置にはできない。万が一『傘』が耐え切れなかった時にダメージを受けないよう身体の前に銃を持って来れないのだ。
肩に担ぐような位置に決めた。ただこの位置ではバラスト込みの銃を長く保持できないので短い時間で決めなければならない。
銃に密着させて『傘』を差し、魔物を狙おうとしたところで別の不都合に気付いた。
(照準できない……)
照準機は頭の上に位置していて覗けない。
(……)
ルキアスは『鏡』と『望遠』 を駆使して臨時の照準機を設け、石の槍の間隙に照準を定める。
引き金を引いた。
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