天ぷらに愛を、(with 女神のお使い)

浜柔

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女神のお使い

蛇足

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「この寝坊助」
 指で眠っている女の頬をつつく。それを見咎めるもう一人の女。
「こら、そう言う事をしないの」
「だってぇ、長過ぎじゃない?」
「そうなのよねぇ」
 女が上目遣いで首を傾げる。
「いっそ、このコの好きだったチーカマでも口に突っ込めば起きるんじゃない?」
「まっさかぁ!」
 ケタケタと笑いを返した女が、ふと真顔になる。
「駄目元でやってみましょう。作ってくるわ」

 暫くしてチーカマを抱えた女が眠っている女の許へと戻って来た。
 眠っている女の鼻先にチーカマを持っていくと、くんくんと匂いを嗅ぐような仕草をする。そのまま口元に持っていくと齧り付いた。もしゃもしゃと咀嚼して飲み込んだ後で、また大きく口を開けて勢いよく齧り付く。
「ひゃっ」
 女がチーカマを放して手を引っ込めた。
「あっぶなー」
 引っ込めていなければ囓られていたところだ。
 次からは慎重にチーカマを口元に持っていって食べさせる。
 三〇個ほど食べさせたところで眠っていた女がむくりと起き上がった。しかしまだ眠ったままだ。
 更に女がチーカマを食べさせると、一〇〇個ほど食べた辺りで眠っている女が眉間に皺を寄せた。腹を押さえているところからすると、食べ過ぎらしい。
「ねぇ、このコ馬鹿なの? それともあんたが馬鹿なの?」
「うわー、反論できないのが辛い! 前にも食べ過ぎた事があったんだったー」
 眠っていた女は身体をふらふらと揺らし、後ろへと倒れた。
 ごちん。
「いったーっ!」
 女が跳ね起きて頭を摩る。
「何? もしかして引っぱたいてたら良かったの?」
「さ、さあ?」
 女が苦笑いする一方、目覚めた女が意識が定まらないような目できょろきょろと辺りを見回す。
 そして目がしっかりするに従って視線がチーカマを持つ女へと固定されていく。
「あれ? あ……」
 目覚めた女は口元を押さえ、目から涙を溢れさす。
「お久しぶりです」
 その言葉に、目覚めた女は満面の笑みで応えた。
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