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485.セイ

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 剣士達ブルーゲイルの5人は午前中に狩りをし、昼食後にその成果を冒険者ギルドに持ち込むようになっていた。偏に魔法使いのセイである。
 魔法使いが人前に姿を現せば、どこからともなく「ぐへへ」と好色な笑い声が聞こえて来る。

「これ何とかなんないのか? 日に日に増えてるだろ」
「何ともならないと思います。獲物は本人が持って来なきゃいけませんし、マホの方も乗り気ですから」
「ふふん」

 ヒーラーの言葉に魔法使いが胸を突き出すような仕草――実際には手に持った肉が邪魔して突き出せないが――で自慢げにする。今の魔法使いは24時間男達とセイなる戦いを戦い抜くだけの体力と耐久力が有る。バッチ来いなのだ。
 しかしハンターは突っ込まずに居られない。

「褒めてる訳じゃねぇよ」

 しかしそんな中で異色の話し声も聞こえた。

「あいつらアイテムボックスを持ってねぇの?」

 アイテムボックス? 何だそりゃ? と疑問符を浮かべるの剣士達であった。
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