魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

５０３．ダンジョン庁

　ダンジョン庁長官と秘書はどうにか猟師を雇って、どうにか「アイテムボックス小」を手に入れた。
　これに気をよくして次は「アイテムボックス中」をと望んだが、これには「これ以上は付き合えない」と猟師に拒まれた。

「俺らだって早くもっと大きいのが欲しいんだ」

　これが猟師の言い分だ。
　しかしそれは半ば建前。ニワトリやネギなどの弱い魔物を１日に１０体も倒せれば良い猟師にとっては１００エーン稼ぐだけでも大変だ。「アイテムボックス中」の１０００エーンは気が遠くなる。
　その上で報酬が事後なのだから、その間の収入が１／２、１／３になることを意味する。これでは生活できない。
　それなら容易く１０００エーンを稼げるような猟師に依頼すればとなるが、そんな猟師なら長官の依頼を請けて現金を稼ぐ必要が無い。しがらみを嫌って猟師をしている者の多くは少しばかりの現金を得るより余計なしがらみが増えないのを選ぶ。

「金を払うと言うのに何故だ！」

　猟師の機微に触れたことの無い長官はただ疑問を叫ぶのみである。