魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

６９０．悪化は避けたい

　魔王としても治安の悪化は避けたい。治安が悪ければ折角増えた住人が立ち去ってしまう。
　しかしどうしたものか。

「どう思う？」

　魔王はオリエに相談してみた。

「いきなり『どう思う？』って何を？」

　オリエは困惑するばかりだ。
　魔王も尋ね返されて「おおっ」と唸りながらポンと手を叩き、かくかくしかじかと治安悪化について話す。

「あたしが少し行かない間にそんなことになってたの？」
「なっていたのだ」
「そっかー」

　オリエは第３階層の猟師達を思い浮かべる。誰も彼もどんぐりの背比べで頼りなさそうだ。
　まあ、オリエから見れば一人力も十人力も誤差なのだが。
　そして誤差でない存在と言うと……。

「いっそゴーレムを猟師にしたててみたらどう？」

　魔王は瞠目した。