魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

８０５．オヤジ臭い

　覆面が日常になったヒーラーはテーブル型こたつから替えた普通のこたつに寝っ転がって菓子を摘みながら何かを読んでいる。
　スウェットの裾から手を突っ込んで脇の下を引っ掻いたりする。

「ちょっと、セヒイラ！　オヤジ臭いわよ！」

　我慢しきれなくなったのが魔法使いだ。

「そんな風にしてたら直ぐにトドになっちゃうわよ！　セヒイラじゃなくてトドイラよ！」
「ト……トドぉ？　そこまで酷くありません！」
「信用できないわ！　確かめてあげるわよ！」
「ちょ、ちょっと、何、手を突っ込んでるんですか！　ひゃっ！　掴まないで！」

　魔法使いはヒーラーに取り付いてスウェットの裾から手を差し入れ、脇腹を掴み上げた。
　だがその直後、魔法使いは真顔になって手を引いた。
　そのまま無言で顔を背け、溜め息を吐く。

「マホ！　どうして顔を背けるんですか!?　何とか言って！」