魔☆かるちゃ~魔王はこたつで茶をすする~

浜柔

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875.悶える

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 名付けを切っ掛けにしたかのようにダンジョン庁長官とゴーレムの仲は深まった。
 今や長官がゴーレムの手を握って笑いかけると、ゴーレムが長官に笑い返すくらいまでだ。
 ゴーレムが長官の仕草を真似ていると言ったら身も蓋もないが、そう見えることも重要である。
 その様子に少々心穏やかでないのが秘書だった。
 別に「長官をゴーレムに取られて嫉妬!」なんてことはない。羨ましくなっただけだ。

「くっ……、この私が長官の真似のような事をしたくなるなど……」

 何たる屈辱か! と心の中で血涙を流す。

「貴様は何を悶えておるのか?」

 傍から見たら頭を抱えて悶える変な人になっていた。
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