魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１３９６．選出

　魔法使いは裏方に徹することにした。
　朗読作品の選出だ。
　そして最初は異世界の現代が舞台のポルノ小説から選ぼうとした。
　だがヒーラーが躓いたように、登場する小物類の扱いに困った。
　異世界のアダルトグッズなどは愛用するので自身では判る。
　しかしこの世界に無い品をそのまま登場させてもこの世界の人々にはちんぷんかんぷんだ。
　文字だけでは説明も難しい。
　見た目は勿論、機能もこの世界の人々の知識にある品で譬えることができない。
　だから現代を断念して古典に目を向ける。
　しかしそれも宗教などの共通認識が必要なものは除外しなければならなかった。
　そして目を向けたのが寓話や童話、お伽噺。
　継母に虐められる娘なんかならこの世界でも通用する。