魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１５８２．もっと

　一目会っただけで帰ると言う女退役士官には魔法使いの方こそ面食らった。

「え？　たったこれだけでいいの？　ここまで来るのってかなり手間暇掛かったんじゃない？」
「いやわたしは問題ない。むしろわたしの拘りに付き合わせて申し訳なかった」

　女退役士官は頭を下げる。
　本当に終わりにしたいらしい。
　ただ奇妙にもじもじして落ち着かない様子も見せる。

「あたしはもっとお話してみたいのだけど」

　魔法使いが歩み寄って女退役士官の顎を指先で持ち上げる。
　女退役士官の熱を持ったように目は潤んでいた。
　そんな目を見ては魔法使いの方にも火が点る。
　魔法使いは大胆に女退役士官の唇を奪った。

「あらあら先を越されてしまいましたわ」

　モトバが見守る中、女退役士官は抗うことなく受け入れてしまい、今宵女体液士官となった。
　こうならないよう早々に引き上げようとしたが間に合わなかったのであった。