魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１６４２．解決した気

「……あの人って馬鹿なの？」

　比加礼太の様子を魔王と一緒に見ていたオリエは考えていたことを口から零した。
　魔王は注目するべき人物が居れば居間のテレビにも映し出していて、オリエはこれをちょくちょく見ているのだ。

「余裕の無い人間は簡単にキレると言うことだ」
「キレた理由が全く判らないんだけど」
「『ここはどこだ？』の問いに『あなたは別の世界からの迷い人です』から説明を始めたことで相手にされてないとでも思って聞く耳持たなくなったのだろう」
「どう返せば良かったとかあるの？」
「『冒険者ギルドです』で良いのだろうな」
「ええっ!?　それって何の解決にならないよね？」
「ああ言う者にとっては解決した気分になるのが重要なのだ」
「どう言うこと？」
「自らの質問への回答を貰えば解決した気になる。この場合は冒険者ギルドと判れば良いのだ」
「ええ……」

　オリエは胡散臭そうに魔王と比加礼太を見比べた。