魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１６４１．警告

　受付嬢は説明を３回繰り返した。
　ところが比加礼太は受付嬢が説明を終えて黙ると同時に質問した。

「ここってどこですか!?」

　彼がこれを尋ねるのも３度目だ。
　無意味な質問だと思ったことさえ忘れ、これの答えを含む内容を３回聞かされたのにまるで聞いていなかったらしい。

「……迷い人様への説明をさせていただきます」

　受付嬢はまた繰り返す。

「だからここはどこって聞いてるんだけど!?」

　礼太は話も聞かずにキレ散らかした。

「警告します。もう一度だけ説明しますが、お聞きにならないようでしたら業務妨害として排除します」
「何だよ、それ!?　そっちがぐだぐだ言うだけで俺の質問に答えないから怒ってるんだろ！」
「……迷い人様への説明をさせていただきます」
「だからそれはいいって言ってんだろおおおおお！」
「……排除します」

　礼太は冒険者ギルド支店から叩き出された。

「このクソがぁあああ！」

　礼太は支店のドアを開けようと試みるが、殴っても蹴っても開くことはなく、怒りのままその場を跡にした。