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第十五話 消したい過去
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月が変わり、六月初旬のある日の夜、僕は嫌な夢を見た。
それは忘れたい過去であり、思い出したくない記憶であった。
僕は同級生の太宰亮に校舎裏に呼び出された。
忘れもしない高校三年生の三学期のことである。二月の寒い日の放課後であった。
太宰はバスケットボール部のエースで特待生として大学に進学が決まっていた。
所謂スクールカーストの頂点に君臨していた男だ。スポーツ万能の爽やかな笑顔のイケメン、それが表向きの太宰亮だった。
校舎裏の小さな中庭に行くと太宰亮ともう一人いた。
たしかヤツの彼女の二之宮蒼だった。
二之宮蒼は読者モデルをしていた。
整った顔立ちに抜群のスタイルで女子たちの憧れのまとだった。
「こいつよ亮君、私をキモい目で見てきたのよ」
蒼は今にも吐きそうな顔で僕を見て、指さした。
その視線はゴミをみるようだった。
「そうかこいつか」
太宰亮はそう言うと僕の胸ぐらをつかみいきなり殴りかかってきた。
頬に熱い激痛が走る。
そのあと下腹部を蹴られ、うずくまっているところをさらに顔をおもいっきり蹴られた。
口の中が切れ、血だらけになる。
鳩尾を蹴られたので、息が苦しい。
「もう二度と蒼の目の前に立つな」
そう言うと二人は立ち去る。
それは完全な冤罪で二之宮蒼の自意識過剰だと思う。
スクールカースト上位の読者モデルとキモオタの僕と接点があるはずがない。
たぶんだけど学校のどこかでたまたま目があったことを理由に言いがかかりをつけたのかもしれない。
僕が殴られている時、二之宮蒼はくすくすと笑っていた。
僕はいいストレス発散の相手にされたのだ。
彼女のサディスティックな欲望を満たすための生贄にされたのだ。
運がよかったのはそれからすぐに卒業したことだ。
太宰亮は有名な体育大学に進学し、二之宮蒼は東京の芸能事務所に所属することが決まっていた。
僕はといえば底辺のFラン大学に進学したのだった。
悪夢に近い嫌な夢を見て、僕は目を覚ました。
僕は思い出したくもない記憶を洗い流すかのように熱いシャワーを浴びる。
あの夢のせいで予定よりも早く起きてしまった。
かと言って二度寝するほどの時間はないので、僕は美華が作り置きしてくれた料理を朝食にする。
きんぴら牛蒡、だし巻き玉子それに冷凍ご飯をレンジで温める。
朝食をとっているとぽんっと音をたて、梨々花があらわれる。
もうこの出現の仕方にも慣れてきた。
最初のころは梨々花が出てくるたびに慌てたものだ。
梨々花は僕の隣に座り、だし巻き玉子を一切れつまみ口に入れる。
もしゃもしゃと咀嚼して、ごくりと飲み込む。
「いやぁホルスタインちゃんは料理上手だね」
梨々花はしみじみ言う。
梨々花は出会った時よりもわずかに背が伸び、胸もよく見るとわずかに膨らんでいる。
美華がサキュバス化したことにより魔力が全盛期の二割ほど回復したとのことだ。
サキュバスの始祖たる梨々花は同胞から魔力供給がなされるのだという。
梨々花の完全復活にはさらなるサキュバス化した人間が必要なのだ。
そのためにも淫夢王たる僕が新たなるサキュバス候補を見つけなくてはいけない。
「ところで修作は暗い学生生活をおくっていたんだねえ」
頬杖をつき、梨々花は青い瞳で僕を見る。
こう見ると梨々花はそんじょそこらのアイドルでは太刀打ちできないほど可愛い。
小学生みたいな見た目が中学生並みになり、ぐっと色気が出てきている。
でも本当に幼児だったらどうしようと思い年齢をきいたことがある。
散々フェラチオさせておいてだが。
「花の614歳よ」
とうふふっと微笑み、梨々花は答えた。
良かった、ロリババアだったのだ。
「あれはあの時だけだよ」
僕はむすっしてと答える。
高校時代に友達がいなかったのは確かだ。
その上あいつらから暴力を受けた。
学生時代、とくに高校生活はろくな思い出がない。
梨々花と美華がいる今のほうが楽しいくらいだ。 「あらっそんな殊勝なこと考えるなんてエッチなご褒美でもしてあげましょうか」
ぺろりと梨々花は舌なめずりする。
梨々花のフェラチオは本当に気持ちいいからな。
今すぐにでもお願いしたいぐらいだ。 だけど今日はもう出ないといけない。
「あらまだ少し時間があるんじゃないの」
壁の時計は午前六時を少し回ったところだ。
「今日は出張なの。美華と一緒に神宮寺ホールにいかなくちゃいけないんだよ」
僕は立ち上がり、ジャケットを羽織る。
「あら、そうなのね。まあお楽しみはとっといてあげるわ。それとねあの夢は予知夢かもしれないわよ」
梨々花は冷蔵庫からプリンを取り出し、食べはじめた。
仕事に行かなくていい梨々花が正直羨ましい。
そして僕は梨々花の言葉の意味を噛みしめるのだった。
神宮寺ホールにあの夢で出てきた二之宮蒼がいたのだ。
それは忘れたい過去であり、思い出したくない記憶であった。
僕は同級生の太宰亮に校舎裏に呼び出された。
忘れもしない高校三年生の三学期のことである。二月の寒い日の放課後であった。
太宰はバスケットボール部のエースで特待生として大学に進学が決まっていた。
所謂スクールカーストの頂点に君臨していた男だ。スポーツ万能の爽やかな笑顔のイケメン、それが表向きの太宰亮だった。
校舎裏の小さな中庭に行くと太宰亮ともう一人いた。
たしかヤツの彼女の二之宮蒼だった。
二之宮蒼は読者モデルをしていた。
整った顔立ちに抜群のスタイルで女子たちの憧れのまとだった。
「こいつよ亮君、私をキモい目で見てきたのよ」
蒼は今にも吐きそうな顔で僕を見て、指さした。
その視線はゴミをみるようだった。
「そうかこいつか」
太宰亮はそう言うと僕の胸ぐらをつかみいきなり殴りかかってきた。
頬に熱い激痛が走る。
そのあと下腹部を蹴られ、うずくまっているところをさらに顔をおもいっきり蹴られた。
口の中が切れ、血だらけになる。
鳩尾を蹴られたので、息が苦しい。
「もう二度と蒼の目の前に立つな」
そう言うと二人は立ち去る。
それは完全な冤罪で二之宮蒼の自意識過剰だと思う。
スクールカースト上位の読者モデルとキモオタの僕と接点があるはずがない。
たぶんだけど学校のどこかでたまたま目があったことを理由に言いがかかりをつけたのかもしれない。
僕が殴られている時、二之宮蒼はくすくすと笑っていた。
僕はいいストレス発散の相手にされたのだ。
彼女のサディスティックな欲望を満たすための生贄にされたのだ。
運がよかったのはそれからすぐに卒業したことだ。
太宰亮は有名な体育大学に進学し、二之宮蒼は東京の芸能事務所に所属することが決まっていた。
僕はといえば底辺のFラン大学に進学したのだった。
悪夢に近い嫌な夢を見て、僕は目を覚ました。
僕は思い出したくもない記憶を洗い流すかのように熱いシャワーを浴びる。
あの夢のせいで予定よりも早く起きてしまった。
かと言って二度寝するほどの時間はないので、僕は美華が作り置きしてくれた料理を朝食にする。
きんぴら牛蒡、だし巻き玉子それに冷凍ご飯をレンジで温める。
朝食をとっているとぽんっと音をたて、梨々花があらわれる。
もうこの出現の仕方にも慣れてきた。
最初のころは梨々花が出てくるたびに慌てたものだ。
梨々花は僕の隣に座り、だし巻き玉子を一切れつまみ口に入れる。
もしゃもしゃと咀嚼して、ごくりと飲み込む。
「いやぁホルスタインちゃんは料理上手だね」
梨々花はしみじみ言う。
梨々花は出会った時よりもわずかに背が伸び、胸もよく見るとわずかに膨らんでいる。
美華がサキュバス化したことにより魔力が全盛期の二割ほど回復したとのことだ。
サキュバスの始祖たる梨々花は同胞から魔力供給がなされるのだという。
梨々花の完全復活にはさらなるサキュバス化した人間が必要なのだ。
そのためにも淫夢王たる僕が新たなるサキュバス候補を見つけなくてはいけない。
「ところで修作は暗い学生生活をおくっていたんだねえ」
頬杖をつき、梨々花は青い瞳で僕を見る。
こう見ると梨々花はそんじょそこらのアイドルでは太刀打ちできないほど可愛い。
小学生みたいな見た目が中学生並みになり、ぐっと色気が出てきている。
でも本当に幼児だったらどうしようと思い年齢をきいたことがある。
散々フェラチオさせておいてだが。
「花の614歳よ」
とうふふっと微笑み、梨々花は答えた。
良かった、ロリババアだったのだ。
「あれはあの時だけだよ」
僕はむすっしてと答える。
高校時代に友達がいなかったのは確かだ。
その上あいつらから暴力を受けた。
学生時代、とくに高校生活はろくな思い出がない。
梨々花と美華がいる今のほうが楽しいくらいだ。 「あらっそんな殊勝なこと考えるなんてエッチなご褒美でもしてあげましょうか」
ぺろりと梨々花は舌なめずりする。
梨々花のフェラチオは本当に気持ちいいからな。
今すぐにでもお願いしたいぐらいだ。 だけど今日はもう出ないといけない。
「あらまだ少し時間があるんじゃないの」
壁の時計は午前六時を少し回ったところだ。
「今日は出張なの。美華と一緒に神宮寺ホールにいかなくちゃいけないんだよ」
僕は立ち上がり、ジャケットを羽織る。
「あら、そうなのね。まあお楽しみはとっといてあげるわ。それとねあの夢は予知夢かもしれないわよ」
梨々花は冷蔵庫からプリンを取り出し、食べはじめた。
仕事に行かなくていい梨々花が正直羨ましい。
そして僕は梨々花の言葉の意味を噛みしめるのだった。
神宮寺ホールにあの夢で出てきた二之宮蒼がいたのだ。
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