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三章
44話 彼と彼女の夢
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熱が交わる、その、直前に。レオンは、自分と、彼女の唇の間に右手を差し入れていた。手のひらに、やわらかくて、あたたかなものを感じる。
「それは、全部終わって、ちゃんと告白してから……っ」
わけがわからなくなって、いっぱいいっぱいになって、涙目になりながらも、レオンはそんなことを主張する。
しかし、リセナは、不満そうに彼の服の裾から手を入れた。彼女の指先が、レオンの体をもてあそぶ。
短い悲鳴を漏らして、彼は反射的に身をよじってベッドから転がり落ちた。
――駄目だ、これ以上は、本当に戻れなくなる……!
もつれる足で、なんとか起き上がる。
「くそっ、ナメるな、こんなの夢で何度も見てるんだよ! もっと凄いやつも!」
がむしゃらに走りながら、彼は誰かに向けて、捨て台詞みたいに叫んだ。
「覚えてろよ! 絶対に、実現させてやるからなぁあッ!!!!」
◆
欲望の間を抜けたレオンが、階段をいくらか駆け上がって突っ伏すと、そこにはもう他の三人がいた。リセナが、ほっとした様子で彼に手を伸ばす。
「レオ。もう、全然来ないし、霧でどうなってるかもわからなくて心配したんですよ」
「リセナ……よかった、無事に出られたんだね。……あ、今はちょっと立てないです……」
彼が元気そうなのを確認して、メィシーは肩の力を抜く。
「いや、実に高度な感覚支配だったね。普通は、無事に魔王城から帰還できた話でも見せられるんだろうけれど――」
メィシーが、リセナの方を見やる。レオンも、グレイも、同じことをしていた。
全員の視線を受けて、リセナがうろたえる。
「えっ、なんで私を見るんですか……!?」
レオンは、彼女がなにを見てきたのか――その欲望がなんなのか、聞きたいような聞きたくないような――やっぱり、聞きたい気持ちを抑えられない。
「ねえ、そっちはどうだった……?」
「えっ、あの……私は……そうですね。この四人で、仲良く暮らしてる……光景でした」
「絶対実現しないやつだ……オレたち戦争になるもん……。えっ、待って、仲良くってどういう仲良く? それは朝なの昼なの夜なの」
「え……ご想像にお任せします……」
「あ、ごめん、まだちょっと頭がおかしいから殴っといて」
そんなことを言いながら、レオンは自分の心がざわつくのを感じた。
――そっか、リセナ、まだオレと二人じゃなくて……四人でいたいと、思ってるのか。
そして、彼女が曖昧な返しをしたのは、なにも教えたくなかったからというわけではない。断片的に、いくつもの光景が見えたのだ。時間帯はおろか、季節もバラバラで、どれだけ時間が経っても一人も欠けることなく、自分のそばにいてくれる夢。
『もう、愛してもらおうなどとは思わない』なんて、どこかの王太子みたいな台詞、誰も言わない――そんな、揺るぎない愛を願った、切なる夢。彼女はそれを、幼くて都合の良い幻想だと振り切ってきた。
メィシーが、ごほんと咳払いをする。
「それで、グレイ、この先はどうなっているんだい?」
「十二人の騎士と連続で当たることになる。終われば、最上階の玉座の間だ。魔王もそこにいる」
騎士と聞いて、リセナは眉をひそめる。
「それって……人間、なんですか? あなたのような」
「いや、全員魔族だ。……だが、そうだな、人間とあまり変わらない姿をしている。それでも、お前は、そいつらと戦うために力を使えるか?」
彼女が逡巡に使った時間は、少しだけだった。
「私は、世界中のみんなが、幸せであることを願っています。でも、選ぶ必要があるのなら、敵対者から切り捨てます。……そうですね、人間かどうかなんて関係なかった。もしも話ができないのなら、それがなんであれ、今は構っている時間がない」
レオンは、立ち上がって、リセナの背中に手を当てた。適切な言葉は見つからないけれど、背負いすぎる彼女と、重荷を分かち合えるように。
「行こう、リセナ」
四人は、再び階段を駆け上がった。
十二騎士、はじめの三人は、言葉を交わすだけで退散させることができた。次の一人は、戦力差を目の当たりにして撤退した。残りの八人は、身命を賭して抗ってきた。
階を上がるにつれ、敵の強さが増していく。十二人目を打ち倒したとき、レオンはすでに体力回復薬を使っているうえに、全身傷だらけだった。全て軽傷止まりであることだけが救いだ。
「っ……なんとか、ここまで来れた……。次の階に、魔王がいるんだな?」
彼が尋ねると、回復薬の瓶をあおったグレイはそっけなく答える。
「いや、次は俺が任されていた階だ」
十三人目――おそらく、今までの暗黒騎士の中で最強なのは、彼なのだろう。はじめの三人が簡単に退いた理由がわかって、レオンは冷や汗を流す。
――こいつでも、魔力増幅がないと勝てない相手……。魔王は、一体どんなやつなんだ。
しかし、恐れてばかりもいられない。
――いや……しっかりしろ、王族相手に宣言してきただろ。あいつに認めさせるために、オレが、魔王を倒すんだ。
立ち止まらないように、己を焚き付けて階段をのぼる。
騎士が不在の分、なにか代替があってもよさそうなものだが、次の階には静寂があるのみだった。それがかえって不気味で、リセナもメィシーも息をのむ。先ほど使った回復薬は効いているはずなのに、妙に心臓が跳ねていた。
「それは、全部終わって、ちゃんと告白してから……っ」
わけがわからなくなって、いっぱいいっぱいになって、涙目になりながらも、レオンはそんなことを主張する。
しかし、リセナは、不満そうに彼の服の裾から手を入れた。彼女の指先が、レオンの体をもてあそぶ。
短い悲鳴を漏らして、彼は反射的に身をよじってベッドから転がり落ちた。
――駄目だ、これ以上は、本当に戻れなくなる……!
もつれる足で、なんとか起き上がる。
「くそっ、ナメるな、こんなの夢で何度も見てるんだよ! もっと凄いやつも!」
がむしゃらに走りながら、彼は誰かに向けて、捨て台詞みたいに叫んだ。
「覚えてろよ! 絶対に、実現させてやるからなぁあッ!!!!」
◆
欲望の間を抜けたレオンが、階段をいくらか駆け上がって突っ伏すと、そこにはもう他の三人がいた。リセナが、ほっとした様子で彼に手を伸ばす。
「レオ。もう、全然来ないし、霧でどうなってるかもわからなくて心配したんですよ」
「リセナ……よかった、無事に出られたんだね。……あ、今はちょっと立てないです……」
彼が元気そうなのを確認して、メィシーは肩の力を抜く。
「いや、実に高度な感覚支配だったね。普通は、無事に魔王城から帰還できた話でも見せられるんだろうけれど――」
メィシーが、リセナの方を見やる。レオンも、グレイも、同じことをしていた。
全員の視線を受けて、リセナがうろたえる。
「えっ、なんで私を見るんですか……!?」
レオンは、彼女がなにを見てきたのか――その欲望がなんなのか、聞きたいような聞きたくないような――やっぱり、聞きたい気持ちを抑えられない。
「ねえ、そっちはどうだった……?」
「えっ、あの……私は……そうですね。この四人で、仲良く暮らしてる……光景でした」
「絶対実現しないやつだ……オレたち戦争になるもん……。えっ、待って、仲良くってどういう仲良く? それは朝なの昼なの夜なの」
「え……ご想像にお任せします……」
「あ、ごめん、まだちょっと頭がおかしいから殴っといて」
そんなことを言いながら、レオンは自分の心がざわつくのを感じた。
――そっか、リセナ、まだオレと二人じゃなくて……四人でいたいと、思ってるのか。
そして、彼女が曖昧な返しをしたのは、なにも教えたくなかったからというわけではない。断片的に、いくつもの光景が見えたのだ。時間帯はおろか、季節もバラバラで、どれだけ時間が経っても一人も欠けることなく、自分のそばにいてくれる夢。
『もう、愛してもらおうなどとは思わない』なんて、どこかの王太子みたいな台詞、誰も言わない――そんな、揺るぎない愛を願った、切なる夢。彼女はそれを、幼くて都合の良い幻想だと振り切ってきた。
メィシーが、ごほんと咳払いをする。
「それで、グレイ、この先はどうなっているんだい?」
「十二人の騎士と連続で当たることになる。終われば、最上階の玉座の間だ。魔王もそこにいる」
騎士と聞いて、リセナは眉をひそめる。
「それって……人間、なんですか? あなたのような」
「いや、全員魔族だ。……だが、そうだな、人間とあまり変わらない姿をしている。それでも、お前は、そいつらと戦うために力を使えるか?」
彼女が逡巡に使った時間は、少しだけだった。
「私は、世界中のみんなが、幸せであることを願っています。でも、選ぶ必要があるのなら、敵対者から切り捨てます。……そうですね、人間かどうかなんて関係なかった。もしも話ができないのなら、それがなんであれ、今は構っている時間がない」
レオンは、立ち上がって、リセナの背中に手を当てた。適切な言葉は見つからないけれど、背負いすぎる彼女と、重荷を分かち合えるように。
「行こう、リセナ」
四人は、再び階段を駆け上がった。
十二騎士、はじめの三人は、言葉を交わすだけで退散させることができた。次の一人は、戦力差を目の当たりにして撤退した。残りの八人は、身命を賭して抗ってきた。
階を上がるにつれ、敵の強さが増していく。十二人目を打ち倒したとき、レオンはすでに体力回復薬を使っているうえに、全身傷だらけだった。全て軽傷止まりであることだけが救いだ。
「っ……なんとか、ここまで来れた……。次の階に、魔王がいるんだな?」
彼が尋ねると、回復薬の瓶をあおったグレイはそっけなく答える。
「いや、次は俺が任されていた階だ」
十三人目――おそらく、今までの暗黒騎士の中で最強なのは、彼なのだろう。はじめの三人が簡単に退いた理由がわかって、レオンは冷や汗を流す。
――こいつでも、魔力増幅がないと勝てない相手……。魔王は、一体どんなやつなんだ。
しかし、恐れてばかりもいられない。
――いや……しっかりしろ、王族相手に宣言してきただろ。あいつに認めさせるために、オレが、魔王を倒すんだ。
立ち止まらないように、己を焚き付けて階段をのぼる。
騎士が不在の分、なにか代替があってもよさそうなものだが、次の階には静寂があるのみだった。それがかえって不気味で、リセナもメィシーも息をのむ。先ほど使った回復薬は効いているはずなのに、妙に心臓が跳ねていた。
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