新世界より〜前世の知識を生かして歴代最高の音楽家になる〜

pino

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小学生編

10.テストとお勉強(3)

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ん~、疲れたな。
伸びをしながら時計を見ると既に一時間が過ぎていた。

「鳴海さん、今日はここまでにしない?」

「え?もうこんなに時間たったの?」

鳴海さんの集中力は凄まじいものでぶっ通しで勉強していた。
その成果はもちろん出ていて、足し算・引き算は5桁までできるようになった。

やっぱり鳴海さんは上達が早い。
はじめは奇天烈な回答が多くて僕も頭を悩ましたけれど、それも10分経てばなくなった。
そして、そこからは勢いよく成長して繰り上がり・繰り下がりも難なくできるようになった。
これならテストでも満点を取れるだろう。



コンコン

一息つき、おしゃべりをしていると部屋の戸の前に鳴海さんのお母さんが立っていた。

「ゆず、拓人くん。下にお菓子あるから食べない?」

お菓子のお誘いだった。

そんなのもちろん答えは決まってる。



「「たべるー」」



◯●◯●

「それじゃあ今日は算数のテストをします」

みのり先生は生徒の悲鳴が聞こえてないかのように淡々とテストのプリントを配り始めた。

そう、今日は算数のテスト。
鳴海さんに勉強会の成果が出ていることを祈ろう。
まあ、問題はないと思うけど。

ちらっと、鳴海さんの方を見ると少し緊張しているようだった。
まあ、緊張するのもわからなくもない。
初めてのテストだもん。

「鳴海さん鳴海さん」

僕は小さな声で鳴海さんに話しかける。
けれど、鳴海さんは気づいていないのかこちらを見ない。

緊張しすぎでしょ。
仕方がない。緊張を解く最強の手段を使うことにしよう。

先生がこちらを向いていないことを確認して、

「やっ」
「ひゃっ」

鳴海さんは身体をびくっとさせて、こちらを睨んだ。
いや、ごめんなさい。


「いきなりなに?」
「いや、緊張しているようだったから」

あまりの剣幕におもわず顔をそらして弁解してしまった。

「だからって!」

「ごめん」

はい、僕が悪いです。
緊張を解くためとはいえ、いきなりこちょこちょをするのはだめですね。

「はあ...いいよ。あと、ありがとう。ちょっとは楽になった」

そういった鳴海さんの表情はさっきよりも良くなっているように思う。



「みんな心配しないで。大丈夫、できるできる。隣の人の答え見るとかズルはしないようにね」

みのり先生は軽く注意を言って、「はじめ」とテストを開始した。












終わったー!!
って言っても、小1の足し算引き算なんて僕からしたら何ということもないんだけど。
さすがに前世で高校、大学も出たのに算数ができなかったら前世の親に顔向けできない。

「鳴海さん、テストどうだった?」

「んふふ~。簡単だった~」

鳴海さんもうまくいったみたいだ。



でも...

「これからはもっと難しくなるよ」

正直言って小学校の算数で躓くとこれから先がきつくなる。
本格的な勉強は中学・高校だ。

僕のその言葉に鳴海さんは表情に影を落として

「やだぁ」

とだけ言った。







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