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【第二章 ハズレモノ旺盛編】
032「協力体制」
しおりを挟む「瑛二君⋯⋯⋯⋯君、いま、どれだけ強いの?」
俺は古河の質問にニチャァと素敵な笑みをこぼして差し上げた。
「それは⋯⋯⋯⋯秘密だ」
「「何っ?!」」
「だって、お前らが裏切るかもしれないだろ?」
「なっ!? 瑛二! 俺はお前を裏切るなんてことは絶対にしないぞ!」
「私もだ! ここまで話したのならちゃんと君の強さも教えて欲しい!」
二人が声を上げて、必死に俺の強さを聞き出そうとする。
「まあまあ⋯⋯。すまん、俺の言い方が悪かったよ。別にお前らが裏切るとは思っていない。だからこそ、ここまで話したんだ」
「「そ、それなら⋯⋯」」
「⋯⋯でも、だ。一応、俺的には慎重に事を進めたいんだ。今、お前らに俺の強さを教えた事で『不利な状況』を生み出すかもしれないだろ?」
「「そ、そんなことは⋯⋯」」
「とりあえず、今、言えることは⋯⋯そうだな、さっき吾妻のレベルが『19』って言ってたよな?」
「「あ、ああ」」
「少なくとも、今の俺の本当のレベルは吾妻の倍以上はある⋯⋯⋯⋯とだけ言っておこう」
「「なっ?! ば、倍以上⋯⋯だとっ!!!!」」
二人が俺の言葉に度肝を抜かれる。
「し、しかし、瑛二君⋯⋯。君のステータスはレベル2となっているが⋯⋯これは?」
「これは、俺の固有スキルの一つ⋯⋯『偽装ステータス』というもので隠してある」
「「偽装ステータスっ?!」」
俺は、二人に『偽装ステータス』について説明する。
「な、なるほど。だから、ステータスは『レベル2』のままだし、固有スキルも『なし』となっているのか」
「そういうことだ」
とりあえず、二人には「今、話せることはここまでだが、時期が来たらちゃんと話す」と伝えた。
二人は渋々ではあるが了承してくれた。
********************
「⋯⋯最後に確認だが、二人とも俺の『ざまぁ』に協力してくれるんだよな?」
「ああ、もちろんだ」
「うむ、異論はない」
「ありがとう」
二人が俺に協力することを約束してくれた。
これで、ハクロの件も大丈夫そうだ。⋯⋯と思っていると、
「では、早速協力を頼む! そこの⋯⋯えーと⋯⋯」
「っ!! み、美咲っ! 古河美咲だっ! ハクロたんっ!」
ハクロが早速、古河に声をかけた。すると、古河は驚きつつも妙にテンションが上がった様子。⋯⋯どうやら、ハクロに声をかけられて喜んでいるらしい。
学校では『一年のマドンナ』として羨望の眼差しを向けられていたあの古河美咲がまさかの⋯⋯⋯⋯変わった性癖をお持ちだったとは。まあ、そのおかげで、
「お前の学園の制服を一着ワシに譲ってくれ!」
「よろこんで!」
一つ返事で『ハクロの制服問題』が解決した。
まあ、サイズは少し大きいだろうが、その辺は何とかなるだろう。そんなわけで、二人には『今後のシナリオ』を話した。
「わかった。お前の言うとおりにするよ」
「うむ。とりあえず、そのシナリオどおり私も動こう」
「二人とも助かる。ありがとう」
俺は二人に頭を下げた。
「それにしても、瑛二⋯⋯」
「ん?」
「お前、何か変わったな」
「え?」
「い、いや、悪い意味じゃないぞ!? 前より、こう何と言うか、堂々としているというか、逞しくなったというか⋯⋯口調もこれまでと違って、はっきり言うようになったからよ⋯⋯」
「ああ⋯⋯⋯⋯そうだな。だって、俺にも誇れる『力』があったからさ⋯⋯。それが嬉しくってさ⋯⋯。もし、自分に『大きな力』があったら『本当の自分のままで生きてみたい』と思ったからさ。確かに努力して得られたものではないのかもしれないけど⋯⋯それでも、俺にとってはチャンスだと思っているんだ。この異世界で、もう一度人生をやり直せるチャンスだって⋯⋯そう思ってるんだ」
「⋯⋯瑛二」
俺はふと、吾妻に思わず『本音』をこぼしていた。そんな俺に吾妻は、フッと笑顔を浮かべながら相槌を打ちながら話を聞いてくれた。そんな吾妻の態度に俺は⋯⋯不覚にも嬉しいと感じた。
「いいじゃねーか! やってやろうぜ、瑛二! 柊木たちにお前の⋯⋯『俺流ざまぁ』をかまそうじゃねーか!」
「うむ。最初はドン引きしたが、少し私も楽しくなってきたぞ!」
「これで準備万端じゃな、エイジ!」
吾妻が、古河が、ハクロが、俺に笑顔を向け⋯⋯⋯⋯言葉を待っていた。
「それじゃ⋯⋯⋯⋯『俺流ざまぁ』の開始だっ!」
********************
——柊木の部屋
「どうする、拓海君」
「⋯⋯吉村」
今、俺の部屋には小山田と吉村がいる。
こいつらがここにいる理由はもちろん⋯⋯『瑛二の件』だ。
「べ、別に何もしなくてもいいんじゃないか? だって、瑛二の奴、何も話さなかったじゃないか!?」
小山田がヘラヘラと笑いながら、何の解決にもなっていないことを喋り出す。
「んなわけいくか! 小山田、お前バカか? 瑛二の顔を見なかったのか? あいつは俺たちを見てニヤついていたんだぞ?! あれは⋯⋯⋯⋯『お前らの弱みを握っているぞ』って言っているようなもんだろうがっ!」
「⋯⋯くっ?! わ、わかってるよ!」
小山田は吉村にツッコまれて面白くないのだろう⋯⋯だが、正論であることはちゃんと理解しているようだな。
「とりあえず、吉村の言うとおりだ。日下部を⋯⋯瑛二をこのままにしておくのは⋯⋯マズい」
「じゃあ、もう一度⋯⋯⋯⋯殺すか?」
そう言って、吉村がニチャァと笑う。
「それは無理だ。⋯⋯少なくとも今はな。お前らも見ただろ? 瑛二が、シャルロットやブキャナンに『思わせぶりなセリフ』を言っていたことを⋯⋯」
「ああ⋯⋯そうだったな」
「そ、そうだったね、拓海君!」
吉村も小山田もちゃんとわかっていたか。⋯⋯いや、小山田はちょっと怪しいか?
こいつ、意外にポンコツか?
「拓海君。こうなったら一度、瑛二に会うのはどうだ?」
「何? どういうことだ、吉村?」
「会って直接聞くのさ⋯⋯『なんで俺たちのことを黙っていたのか』ってな。もしかしたら、俺たちの『報復』にビビって言えなかった可能性もあるからな。⋯⋯いや、むしろその可能性は高いと俺は思う! 考えてもみろよっ?! あいつが生還したところで一週間程度だぞ? レベルなんて大して上がってないのは明白だ!」
「⋯⋯ふむ」
「⋯⋯た、確かに」
「あれだけ『救世主になるために頑張る』って言っていたあいつが、ダンジョンから戻ってきたら『救世主を辞退する』なんて言ったんだぞ? それって、俺たちの『報復』を恐れたからじゃないか!? 学園に通うっていうのも、あいつは『この世界で生活していくため』とか言っていたが、本当は、ただ俺たちを恐れていてできるだけ離れたいって気持ちが一番の理由なんじゃないか!?」
「確かにっ! そうだよ! 間違いないよ、拓海君!」
小山田も吉村の考えに納得しているようだ。
実際、俺も吉村の話を聞いて「間違いない」と確信した。
「なるほど。それなら筋が通るな。よし、じゃあ早速、明朝にでも瑛二に話を聞きにいくか」
「おお! それと、その時に瑛二にはちょっと『脅し』をかけようぜ? そうすりゃ、この件はおしまいだろ?」
「いいね、小山田。俺もその意見に賛成だぜ。ダンジョンから生還したからって、少しばかり調子こいているみたいだったからな。俺が一発ガツンと言ってやるよ!」
「おいおい、吉村。あまり⋯⋯やり過ぎるなよ?」
「わかってるよ、拓海君!」
さーて⋯⋯⋯⋯明日が楽しみだな。
ニチャァ。
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