異世界帰りの英雄は理不尽な現代でそこそこ無双する〜やりすぎはいかんよ、やりすぎは〜

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第一章

048「救出」

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暴風豪雪ストーム・ブリザード!」

 パキィィィィィン!

 魔物に襲われている探索者シーカーをみつけたとき、ちょうど攻撃されていたので咄嗟に『水属性上級魔法:暴風豪雪ストーム・ブリザード』を展開。間一髪のところで巨大な火球を凍らせ無力化した。⋯⋯ていうか今のって、

「ええっ!? 今のって、たしか『火球フレイムボール』だよな? 何で、現代ここで魔法が⋯⋯」

 俺がそうして状況把握をしていると、

「しゃ⋯⋯」
「しゃ?」
「「「喋る魔物ぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」

 と、なぜか『魔物』呼ばわりされた。ていうか『喋る魔物』って何よ?!

「し、失敬な!? 俺は人間だ! Dストリーマーだ!」

 俺はその3人に激しく訂正を促す。

「え? 喋る魔物⋯⋯じゃない?」
「何だよ、喋る魔物って?!」
「さすが喋る魔物⋯⋯狡猾ね。でも、みんな騙されないで!」
「い、いやいや! 本当に魔物じゃないってば!」
「え、えっと⋯⋯あそこにいる魔物の仲間⋯⋯じゃないの?」
「仲間じゃないわ! ていうか、人間だっつーの! どうしてそうなる?!」
「「「だ、だって! 見た目怪しすぎるしっ!!!!」」」

 しどい!

「こ、この俺のどこが⋯⋯って、あ、そっか!」

 そうか、そうだよな。今の俺はDストリーマーオメガで『デスマスクをつけた謎の暗殺者アサシン』という設定だったわ。そりゃ、怪しいわな。

「な、なるほど。しかし、心配には及ばない。俺はDストリーマーオメガ。君たちを助けに来た!」

 ビシッ!

 決まった。またもや決めポーズが決まってしまった。

 これで、ちゃんと誤解が解けて⋯⋯、

「「「ガクガクブルブル⋯⋯っ!!!!」」」
「な、なんでぇ! なんでガクブルしてんのぉー!?」

 どうやら3人の誤解は解けなかったようだ。むしろ悪化している。

「い、いや、あの、本当に俺は、探索者シーカーなんですって。ほ、ほら、これ見てください! ちゃんとF級探索者シーカーの登録証でしょ?」
「あ、本当だ!」
「えっ?! ていうか⋯⋯F級っ?!」
「ほ、本当に、F級の⋯⋯鉄の登録証⋯⋯」

 ふぅ⋯⋯やっと信じてくれたようだ。低姿勢って大事。

「よ、よかったです、信じてもらえて。ところで今ってどういう状況⋯⋯」
<<こういう状況です>>

 突然、俺の背後に焦げ茶色のボロボロマントを身に纏った男が現れ、殴りかかってきた。

 ガシッ!

<<なっ?! わ、私の攻撃を、片手で⋯⋯っ!!>>
「危ねぇな~。だから、俺は魔物じゃないって! おたくも彼女たちの仲間?」

 その出で立ちを見た俺は「こいつ中々わかってるな・・・・・・」と感心したので、彼が俺を魔物と間違って攻撃したことには目を瞑り、優しく語りかけた。

「違う違う! 彼がその『喋る魔物』なのよ!」
「え? そうなの? でも⋯⋯喋ってるよ?」
「「「だから『喋る魔物』っつってるでしょ!」」」

 3人からめちゃめちゃツッコまれた。⋯⋯しどい!

「じゃ、こいつ⋯⋯倒せばいいの?」

 そう言って、俺はそいつに結構強めな『威圧』を放った。

<<⋯⋯くっ?!>>

 すると、その『喋る魔物』はバッと5メートルほど後ろへ下がった。

<<な、なんだ、お前は!?>>
「いや、その前にお前こそ何だよ?『喋る魔物』ってのがお名前なの?」
<<違う! 私はバロン! お前たち人間が恐れる深層でも別格扱いの『喋る魔物』だ!>>
「し、深層っ?!」
<<フフ⋯⋯どうやらやっと私がどれほどの存在なのか理解したようだ⋯⋯>>
「マジか! 確かにさっきのあんたの攻撃よかったよ!」
<<⋯⋯は?>>
「本当ならいつもの雑魚魔物みたいに拳掴んだ瞬間握り潰そうとしたんだけど簡単に潰れなかったからさ~。いや~やっぱ深層の魔物は違うな~って」
<<!⋯⋯こ、こいつ>>
「そんなあんたとなら少しは本気出してのマジバトルとかできるかもな~と思って。いやぁ、楽しみだわ」
<<貴様ぁ⋯⋯>>
「あ、そういえばさっきお前が使ってた魔法だけど、あれって⋯⋯火属性中級魔法の『フレイムボール』だよな?」
<<なっ?! な、なぜお前が、魔法のことを⋯⋯!!!!>>
「やっぱり! え、何? 魔法って現代ここにもあるの? それともお前のような『喋る魔物』だけが使えるの?」
<<え、ええ、ええ⋯⋯そうです。魔法は私たち『喋る魔物』だけが使えるものです>>
「ふ~ん、そうなんだ」
<<は! そうか?! お前が⋯⋯あの方・・・が言っていた人物>>
「あの方?」
<<フフ、なるほど。ええ、ええ⋯⋯少し驚きましたがそうですか、そうでしたか>>
「何の話をしてる?」
<<フフ、なるほど。ええ、ええ⋯⋯あなたです、あなたで間違いないです。あなたのような『礼儀知らずのクソ生意気人間』で間違いないです、私が探していた人物は>>
「クソ生意気? ずいぶんな言い草⋯⋯⋯⋯っ!?」

 ドン⋯⋯ビリビリビリビリビリビリっ!!!!

——瞬間、バロンの体から魔力を伴ったオーラが勢いよく放出。大気が震えているのがわかる

「へぇ~、ずいぶんデカい魔力オーラじゃねーか」
<<ええ、ええ⋯⋯元々、上司のあの方からはあなたの存在有無の調査だけでしたが⋯⋯気が変わりました。あなたのようなクソ生意気人間は私がここで叩き潰させていただきます。ええ、ええ⋯⋯その調子に乗った余裕の表情を苦悶の表情に変えてやりましょう>>

 そういうと、バロンの目が赤く光る⋯⋯と同時に奴の体がブレた。

「残像っ?!」
<<ハァァァ!>>

 バキィィィィ!!!!

 残像を残して消えるほどのスピードで、俺の真下に一瞬で移動したバロンの拳がそのまま顎に入ると、俺はそのまま10メートルほど上空へと吹き飛ばされる。

 そんな吹き飛ばされた俺よりもさらに上に一瞬で移動したバロンは、

<<フン⋯⋯っ!!!!>>

 ドゴォォォォォ!!!!

 両手で握り固めた拳をそのまま俺の腹に打ち下ろすと、俺はその勢いのまま地面に叩き落とされた。
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