98 / 206
第二章
098「クランを作ろう!(2)」
しおりを挟む「⋯⋯なぁタケル、探索活動は週末にやるのか?」
と、佐川がダンジョン探索の活動日程を聞いてきた。
「うん、その予定」
「え? で、でもよ⋯⋯」
「ん?」
なんだ?
「あ、いや、タケルって週末は忙しくないのかなぁって⋯⋯」
「え、週末? いや別に?」
「「えっ!?」」
「え?」
な、なんだ? 佐川だけじゃなく、理恵たんまで驚いたリアクションを見せた。一体⋯⋯?
「い、いや、そんなに驚かれても⋯⋯。ていうか、なんで俺が週末は忙しいって思うんだ?」
「えっ!? い、いやぁ⋯⋯なぁ、雨宮!」
「ちょ⋯⋯佐川っ?! え、えーと、ほらぁ、タケル君ってここ最近週末は出かけてるじゃない? だから、何かプライベートで週末は忙しいのかなぁ⋯⋯なんて⋯⋯」
ん? ああ、そっか!
『オメガ』として活動してたからか!
たしかに、それだと俺が週末忙しいって思うのも無理ないか。
「ああ⋯⋯でも、うん。しばらくは大丈夫かな」
「「え? えええええっ!!!!」」
「な、何っ?!」
二人が予想以上の反応に思わずビビる。
「タ、タケル君! 週末はしばらく『暇』になるんですかっ!?」
「え? え? マジで! 大丈夫なのかっ!?」
な、なんか、すごい二人に驚かれて確認されてる。ていうか、今のやり取りでそこまで食いつく要素あった?!
「あ、う、うん。大丈夫⋯⋯だけど?」
「マ、マジかよ。でも、それって⋯⋯」
「え? え? てことは⋯⋯オメ⋯⋯げふんげふん! 彼の活動はしばらく無くなるってこと? でも、それだと周囲への影響が⋯⋯特にあの『オメガ様ガチつよ勢』が暴動を起こしかねないんじゃ⋯⋯」
なんか二人がぶつぶつ言いながら何かを考えていた。
だ、大丈夫かな? 疲れているのかな?
「と、とりあえず週末は大丈夫だけど、二人は⋯⋯平日のほうがいい?」
もしかしたら、平日⋯⋯つまり放課後のほうがいいのか聞いてみた。
「う~ん⋯⋯そうだなぁ。週末は空けといたほうがいいと思うから、俺は放課後でいいと思う⋯⋯いや、平日がいい」
「そ、そうですね。(オメガの)今後のためにも週末は空けておきましょう。将来へのリスクはなるべく減らすことがベストですから」
「は、はぁ⋯⋯わかった」
なんだかよくわからないが、ダンジョン探索は『平日の放課後』ということで3人の意見が一致した。
「あとは、そうですね⋯⋯Dストリーマー活動ですがするかどうかというのと、する場合『顔出し』はするのかといったところでしょうか」
「あー⋯⋯Dストリーマー活動かぁ。俺やったことないからわからないんだよなぁ。だから⋯⋯ここはチャンネル登録者40万人超えの有名探索者雨宮 理恵にご教授願いたいね」
「⋯⋯佐川、喧嘩売ってる?」
「ちょっ! や、やめろ! やめ⋯⋯! む、むぐぐぐ⋯⋯」
「っ!?」
な、なんたるチアっ!?
なんと、理恵たん「喧嘩売ってる?」と言うや否や、佐川にヘッドロックをかけだした。
『ヘッドロック』⋯⋯つまり、佐川は理恵たんのバスト90越え(タケル予測値)のたわわなお胸にギュゥゥと締め付けられている状態なのだ。
な、なんという、ご褒美⋯⋯。おい、佐川! そこ代われっ!!
俺は今『ラブコメの波動』を真正面から全身に浴びせられていた。
あれ? 目から汗が⋯⋯?
********************
「⋯⋯コホン。し、失礼しました」
理恵たんは佐川にヘッドロックがいかに恥ずかしいことかに気づいたようで、気づいた瞬間、佐川を突き飛ばすと壁に激突した佐川は思ってた以上の威力だったようで一発KOされた。
それを見た理恵たんは、慌ててすぐ佐川を起こそうとしたが、そこで老執事小五郎さんが間に入り、グッと佐川に気を入れて復活させた。まぁ復活したとはいえ、いまだ佐川はソファでグッタリし、しばらくは使い物にならなかったが。
それにしても、マジで小五郎さんって何者⋯⋯?
「⋯⋯えーと、Dストリーマー活動ですが私はいいと思います。理由は、単純にいろいろとメリットが多いからです。ただ、メリットと同じくらいデメリットもあります。なので、その辺を話して最終的に決めたほうがいいかと⋯⋯」
なるほど。たしかに理恵たんの言う通りだ。Dストリーマー活動をするにあたり、顔を隠す・隠さないでいろいろメリット・デメリットはあるだろうな⋯⋯。
「ちなみに、Dストリーマーで顔を隠す人は少ないです。理由は⋯⋯単純に儲からないから」
「え? そうなの?」
「はい。Dストリーマーで顔を隠すのと曝け出すので、男女ともにだいたい倍ほど収益の違いが出るそうです」
「そ、そんなにっ!?」
「⋯⋯はい」
え? てことは、オメガも顔出ししたほうが稼げるってこと? いやでもなぁ⋯⋯。
「ちなみにあのオメガは別ですけど⋯⋯」
「え? そうなの?」
すると、理恵たんが俺が聞きたいと思っていた話をし出した。理恵たん、ナイス!
「はい。彼は⋯⋯」
「彼は、あの異常なまでの強さがあるから、むしろ顔を隠して謎にしている今のやり方がベストだね!」
「「っ!!!!!」」
突然——理恵たんが説明しようとしたタイミングで玄関の方からハキハキとした言葉で滑らかに解説する声が入ってきた。
「か、柑奈さんっ!?」
「やあやあやあ、お嬢! お? どうも初めましてだね⋯⋯結城タケル君」
「え? また俺の名前を⋯⋯この人も⋯⋯」
理恵たん、家の人に俺のこといろいろ話してるんだな。ま、まぁ、それはそれで嬉しいけど⋯⋯。
でも、そんな家族に話すようなことあるかなぁ?
ていうか、この人家族? だとしたら、理恵たんのお姉さん⋯⋯かな?
50
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる