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王都エルメニスト編
第27話 ゼネセストの隠蔽
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「時の目。」
目を瞑ったトープスはそう言ってしばらく黙りこんだ。
「ひどく壊されてるな。過去のここの状況はプラッセ含めてみんなに送ろう。過去録。」
するとそれぞれの頭に破壊される前のエルメニスト学園の状況が鮮明に画像として送られた。
「すごいな。10年経ってこんな魔法使えるようになったのかよ。」
「まあ時魔法はあまり研究が進んでないから色々と新しいのが見つかるんだ。」
「じゃあこれ通りに土を作ればいいんだな?」
オリバーが両手を前に出すと土のない部分からどんどん土が現れてもとあったであろう形に出来上がっていった。外は予想以上に破壊されていたため大部分が土で茶色く染まった。
「デネヒー、行くよ。」
ウェルムとデネヒーがオリバーと同じように両手を前に出すとただの土であった部分が水で湿ったり凍ったりした。
そしてゼネセストが深く頷いた。
「ありがとう。たしかこんな感じだったよ。あとは氷のごつごつした部分とかに修正を入れていくよ。光掌。」
ゼネセストの手が光属性の魔素をまとい、それを振ることによってできた斬撃で氷が削れて完全に平らになった。
「一応過去録をこの氷とか湿った土にも送っておいたから色についての心配は要らないだろう。」
「トープスってそんなこともできるの!?」
「10年もあったんだから俺だって成長するさ。」
フィッシュがゼネセストに聞く。
「明日からの学校はどうしますか?」
「明日からも普通に授業しようかと思っているがそれがどうしたんだ?」
外から生徒達が校長室のドアを叩く。
「先生!!死人が出ています!!」
「誰だ。見せてみろ。」
先ほどグランツェに撃たれた生徒が運ばれる。
「この生徒の名前は?」
「レスタース=ルースです。」
ゼネセストは少し微笑む。
「思い出したぞ。小さいときに両親亡くした貧乏人だな。死んだのがこいつで良かったよ。ろくに魔術を覚えないくせに金はしょっちゅう間に合わない。隠蔽して構わないだろう。」
周りのみんなが固まる。長い沈黙の後黒スーツの男が口を開く。
「ゼネセストさん。隠蔽って...」
「こいつには身寄りがいないから訴訟なんてされないさ。ここで問題になればエルメニスト学園の名を汚す。生徒諸君、殺されたのが君たちじゃなくてほんとに良かったよ。この事は絶対に口外するんじゃないぞ。口外すれば即刻退学と思え。エルメニスト学園中退は出世できないぞ。はっはっは。」
目を瞑ったトープスはそう言ってしばらく黙りこんだ。
「ひどく壊されてるな。過去のここの状況はプラッセ含めてみんなに送ろう。過去録。」
するとそれぞれの頭に破壊される前のエルメニスト学園の状況が鮮明に画像として送られた。
「すごいな。10年経ってこんな魔法使えるようになったのかよ。」
「まあ時魔法はあまり研究が進んでないから色々と新しいのが見つかるんだ。」
「じゃあこれ通りに土を作ればいいんだな?」
オリバーが両手を前に出すと土のない部分からどんどん土が現れてもとあったであろう形に出来上がっていった。外は予想以上に破壊されていたため大部分が土で茶色く染まった。
「デネヒー、行くよ。」
ウェルムとデネヒーがオリバーと同じように両手を前に出すとただの土であった部分が水で湿ったり凍ったりした。
そしてゼネセストが深く頷いた。
「ありがとう。たしかこんな感じだったよ。あとは氷のごつごつした部分とかに修正を入れていくよ。光掌。」
ゼネセストの手が光属性の魔素をまとい、それを振ることによってできた斬撃で氷が削れて完全に平らになった。
「一応過去録をこの氷とか湿った土にも送っておいたから色についての心配は要らないだろう。」
「トープスってそんなこともできるの!?」
「10年もあったんだから俺だって成長するさ。」
フィッシュがゼネセストに聞く。
「明日からの学校はどうしますか?」
「明日からも普通に授業しようかと思っているがそれがどうしたんだ?」
外から生徒達が校長室のドアを叩く。
「先生!!死人が出ています!!」
「誰だ。見せてみろ。」
先ほどグランツェに撃たれた生徒が運ばれる。
「この生徒の名前は?」
「レスタース=ルースです。」
ゼネセストは少し微笑む。
「思い出したぞ。小さいときに両親亡くした貧乏人だな。死んだのがこいつで良かったよ。ろくに魔術を覚えないくせに金はしょっちゅう間に合わない。隠蔽して構わないだろう。」
周りのみんなが固まる。長い沈黙の後黒スーツの男が口を開く。
「ゼネセストさん。隠蔽って...」
「こいつには身寄りがいないから訴訟なんてされないさ。ここで問題になればエルメニスト学園の名を汚す。生徒諸君、殺されたのが君たちじゃなくてほんとに良かったよ。この事は絶対に口外するんじゃないぞ。口外すれば即刻退学と思え。エルメニスト学園中退は出世できないぞ。はっはっは。」
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