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王都エルメニスト編
第32話 フィッシュの特訓-2-
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複合魔法をやりたいと意気込むフィッシュにウェルムが言った。
「じゃあまず手に炎属性の魔素を集めて。そして遠くに飛ばして。光線状にして。」
フィッシュは言われた通りにやってみると手から炎の光線が噴射された。
「まだまだだめね。そうだな、遠くに見えるあの赤い丸に向かってやってみて。一点を集中して狙うの。」
フィッシュが遠くの赤い丸印に向かって炎を飛ばした。すると今度はさっきよりも細く、そして速い光線が出てきた。
「そう。その調子!!何回かやってみて。」
フィッシュは何度も繰り返して最終的には炎の速度も飛距離も伸びて赤い丸印を黒く焦がした。
「すごいじゃない‼こんなちょっとやっただけでここまで習得するなんて。じゃあ次は、」
「光属性を複合させるんですね?」
「そう!よく分かったね。さっき練習した炎の光線に光属性の魔素を乗せるんだけどその方法は分かる?」
フィッシュは少し考えてから答える。
「空気中の魔素を取り込む、ですか?」
ウェルムは笑顔で答える。
「大正解!!さすがクランキスの子供ね。疑問に思ってるのは空気中の魔素じゃ少なすぎるってことじゃない?」
フィッシュは頷く。
「大丈夫。複合される側の魔素の量は複合する側の魔素の量が多ければ多いほど増えるようになってるの。あなたはさっきの練習でより多くの魔素を放出できるようになった。だから光属性の魔素の量は少なくても大丈夫って訳。それが複合される側の属性の魔素を持ってなくても複合魔法ができる秘密。」
フィッシュは感心して思わず笑ってしまう。
「すごいですね。じゃあやってみます。」
フィッシュは一度深呼吸して右手を前にする。すると極少量だが光属性の魔素が集まる。そしてさっき練習した炎を放出してみる。
ボフッ...
フィッシュの右手から小さな光った塊が出てきて破裂する。火傷したフィッシュは叫んだ。
「あっつーーー!!!」
「やはり一発目じゃできないか。」
ウェルムがフィッシュの手に冷水をかける。
「なんで複合魔法できないんですか?」
「複合魔法は出来てるけど技になってないだけ。炎と光は混ざってるんだけど魔素を取り入れることを意識し過ぎて上手に放出できてないだけだから練習したらできるようになるよ。今日はこの辺で終わるけど練習するならこの場所だけだよ。約束ね。」
ウェルムはそう言ってくるりと背を向ける。
フィッシュは一度例をしたあとまた練習に励んだ。
「じゃあまず手に炎属性の魔素を集めて。そして遠くに飛ばして。光線状にして。」
フィッシュは言われた通りにやってみると手から炎の光線が噴射された。
「まだまだだめね。そうだな、遠くに見えるあの赤い丸に向かってやってみて。一点を集中して狙うの。」
フィッシュが遠くの赤い丸印に向かって炎を飛ばした。すると今度はさっきよりも細く、そして速い光線が出てきた。
「そう。その調子!!何回かやってみて。」
フィッシュは何度も繰り返して最終的には炎の速度も飛距離も伸びて赤い丸印を黒く焦がした。
「すごいじゃない‼こんなちょっとやっただけでここまで習得するなんて。じゃあ次は、」
「光属性を複合させるんですね?」
「そう!よく分かったね。さっき練習した炎の光線に光属性の魔素を乗せるんだけどその方法は分かる?」
フィッシュは少し考えてから答える。
「空気中の魔素を取り込む、ですか?」
ウェルムは笑顔で答える。
「大正解!!さすがクランキスの子供ね。疑問に思ってるのは空気中の魔素じゃ少なすぎるってことじゃない?」
フィッシュは頷く。
「大丈夫。複合される側の魔素の量は複合する側の魔素の量が多ければ多いほど増えるようになってるの。あなたはさっきの練習でより多くの魔素を放出できるようになった。だから光属性の魔素の量は少なくても大丈夫って訳。それが複合される側の属性の魔素を持ってなくても複合魔法ができる秘密。」
フィッシュは感心して思わず笑ってしまう。
「すごいですね。じゃあやってみます。」
フィッシュは一度深呼吸して右手を前にする。すると極少量だが光属性の魔素が集まる。そしてさっき練習した炎を放出してみる。
ボフッ...
フィッシュの右手から小さな光った塊が出てきて破裂する。火傷したフィッシュは叫んだ。
「あっつーーー!!!」
「やはり一発目じゃできないか。」
ウェルムがフィッシュの手に冷水をかける。
「なんで複合魔法できないんですか?」
「複合魔法は出来てるけど技になってないだけ。炎と光は混ざってるんだけど魔素を取り入れることを意識し過ぎて上手に放出できてないだけだから練習したらできるようになるよ。今日はこの辺で終わるけど練習するならこの場所だけだよ。約束ね。」
ウェルムはそう言ってくるりと背を向ける。
フィッシュは一度例をしたあとまた練習に励んだ。
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