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王都エルメニスト編
第43話 準々決勝-2-
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そうしてドーラスの方へ飛んだ3人を見てドーラスは笑いを堪える。
「おいおいお前ら本当に俺の魔素が切れてるって思ってる?一応魔術師なんだけど俺。外岩!」
突然ドーラスの背後から隕石のような岩の塊が3,4個すごい勢いで飛んでくる。
「光盾!」
ジャックがかろうじて張った盾も無残に砕け散り、テルムも魔法耐性が破られて下に打ち落とされた。
だがプラッセはその岩を踏み台のようにしてドーラスのところまで行って言った。
「よっ!久しぶりだな。魔術師さん!」
まさか自分の技を利用されるとは思わなかったドーラスは驚いてとりあえず鉄武だけ張った。
だがプラッセはドーラスの額に手のひらを押し当てて怪手の“振手”をしたので鉄武は簡単に崩れ、ドーラスも落ちていった。
しかし、それを天岩象が鼻でキャッチする。
ごぉぉぉをぉぉぉぉぉおおお!!
怒り狂った彼は凶暴な牙を乱雑に振り回す。
「こうゆうのが一番苦手なんだよな。」
プラッセはそう言いながらも軽々しくその牙を避けて鼻に包まれるドーラスを勢いずいたその拳で殴りつけた。
額から血をだらっと流しドーラスは意識を失った。
天岩象も鼻にとてつもない衝撃が走ったからかぐったりとして倒れている。
プラッセの右手からは急降下による空気との摩擦によってけむりが立っている。
「ア、アルバート・プラッセが第二の優勝候補ロクゼム・ドーラスを倒したぁぁぁ!!!」
実況は驚きのあまりマイクから口元がずれて地声で叫んでいた。
それでも客席中にその声が伝わり一気に歓声とブーイングが上がった。
ウェルスが言った。
「おい見ろよ!俺の教えた“振手”だ!怪手で一番使われたら厄介な技だ。何せ防御魔法もぶち壊すからな。」
「フィッシュももうすぐ来るわよ。」
ミーナがフィッシュに言った。
「あんた性格悪いね。」
「勝ち方は人それぞれ。俺のおかげでプラッセが動いてそのおかげで厄介な魔術師を倒したんだぜ。」
「そうっちゃそうだけど私は普通に戦いたかった。っていうか私が殺したかったのに。」
フィッシュが笑った。
「サイコパスかよ、お前。てかこの大会は殺しは禁止だぞ。」
ミーナはさっとフィッシュの方に近ずいて言う。
「でも過去に殺しちゃった人たち、捕まってないんだよ。泡罪。」
「炎の守護っ!」
ミーナのいきなりの超上級魔法に驚きながらもフィッシュはまるで反射のように防御魔法を張る。
フィッシュは少し後ろに飛ばされてなんとか着地する。
「あんな瞬間的かつ綺麗に超上級魔法を出せるってお前何者だ。」
「水槍!」
それからミーナはこの技を連続して出し続けた。
フィッシュが全て炎の守護で受けるが20%のダメージが重なってなかなか痛手を負っていた。
「うそだろ。超上級魔法をこんな何連発も打ったら魔素はもう、」
ミーナは息を切らして肩を上下させていた。
「お、おい馬鹿かお前!まじで死ぬぞ!」
「はははっ!私は殺しをしたくてこの大会に参加してんの。自分が死んでも文句は言わないわ。」
ミーナの向けた目は赤く充血していて声は笑っているが表情は硬くもう表情筋も動かせないほど体力も魔素も削られていた。
そしてついにばったりと横に倒れた。
「お、おい大丈夫かお前!」
「よそ見なんて流石首席ですわね。」
そういったムータフの杖からは太い蔓が伸びており、フィッシュの首に巻きついていた。
「せ、せこいぞっ!うっ、くそ。」
フィッシュは息が苦しくなるが最後の力を振り絞って手に炎の魔素をまとわせて首に巻きつく蔓を燃やした。
「今は一大事だ!こいつ、死んじまうぞ!」
「おいおいお前ら本当に俺の魔素が切れてるって思ってる?一応魔術師なんだけど俺。外岩!」
突然ドーラスの背後から隕石のような岩の塊が3,4個すごい勢いで飛んでくる。
「光盾!」
ジャックがかろうじて張った盾も無残に砕け散り、テルムも魔法耐性が破られて下に打ち落とされた。
だがプラッセはその岩を踏み台のようにしてドーラスのところまで行って言った。
「よっ!久しぶりだな。魔術師さん!」
まさか自分の技を利用されるとは思わなかったドーラスは驚いてとりあえず鉄武だけ張った。
だがプラッセはドーラスの額に手のひらを押し当てて怪手の“振手”をしたので鉄武は簡単に崩れ、ドーラスも落ちていった。
しかし、それを天岩象が鼻でキャッチする。
ごぉぉぉをぉぉぉぉぉおおお!!
怒り狂った彼は凶暴な牙を乱雑に振り回す。
「こうゆうのが一番苦手なんだよな。」
プラッセはそう言いながらも軽々しくその牙を避けて鼻に包まれるドーラスを勢いずいたその拳で殴りつけた。
額から血をだらっと流しドーラスは意識を失った。
天岩象も鼻にとてつもない衝撃が走ったからかぐったりとして倒れている。
プラッセの右手からは急降下による空気との摩擦によってけむりが立っている。
「ア、アルバート・プラッセが第二の優勝候補ロクゼム・ドーラスを倒したぁぁぁ!!!」
実況は驚きのあまりマイクから口元がずれて地声で叫んでいた。
それでも客席中にその声が伝わり一気に歓声とブーイングが上がった。
ウェルスが言った。
「おい見ろよ!俺の教えた“振手”だ!怪手で一番使われたら厄介な技だ。何せ防御魔法もぶち壊すからな。」
「フィッシュももうすぐ来るわよ。」
ミーナがフィッシュに言った。
「あんた性格悪いね。」
「勝ち方は人それぞれ。俺のおかげでプラッセが動いてそのおかげで厄介な魔術師を倒したんだぜ。」
「そうっちゃそうだけど私は普通に戦いたかった。っていうか私が殺したかったのに。」
フィッシュが笑った。
「サイコパスかよ、お前。てかこの大会は殺しは禁止だぞ。」
ミーナはさっとフィッシュの方に近ずいて言う。
「でも過去に殺しちゃった人たち、捕まってないんだよ。泡罪。」
「炎の守護っ!」
ミーナのいきなりの超上級魔法に驚きながらもフィッシュはまるで反射のように防御魔法を張る。
フィッシュは少し後ろに飛ばされてなんとか着地する。
「あんな瞬間的かつ綺麗に超上級魔法を出せるってお前何者だ。」
「水槍!」
それからミーナはこの技を連続して出し続けた。
フィッシュが全て炎の守護で受けるが20%のダメージが重なってなかなか痛手を負っていた。
「うそだろ。超上級魔法をこんな何連発も打ったら魔素はもう、」
ミーナは息を切らして肩を上下させていた。
「お、おい馬鹿かお前!まじで死ぬぞ!」
「はははっ!私は殺しをしたくてこの大会に参加してんの。自分が死んでも文句は言わないわ。」
ミーナの向けた目は赤く充血していて声は笑っているが表情は硬くもう表情筋も動かせないほど体力も魔素も削られていた。
そしてついにばったりと横に倒れた。
「お、おい大丈夫かお前!」
「よそ見なんて流石首席ですわね。」
そういったムータフの杖からは太い蔓が伸びており、フィッシュの首に巻きついていた。
「せ、せこいぞっ!うっ、くそ。」
フィッシュは息が苦しくなるが最後の力を振り絞って手に炎の魔素をまとわせて首に巻きつく蔓を燃やした。
「今は一大事だ!こいつ、死んじまうぞ!」
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