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王都エルメニスト編
第46話 英雄の息子フィッシュvs最高水準の武器使いトルク
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エルメニスト学園の闘技場、その地下控え室にはプラッセ、フィッシュ、トルク、ジュンがこれからの戦いを待っていた。
準決勝、先に行われるのはフィッシュとトルクの対決である。
トルクは自分の杖がもしやとんでもないものなのではと昨日の準々決勝で気付かされ昨日少し練習してみるともう魔術師にも引けを取らないほどの魔力だなと自賛したものだった。
「それでは準決勝、グリム・フィッシュ対バスプ・トルクです。」
今日は昨日に比べやけに自信ありげなトルクとフィッシュが闘技場に入場してくる。
「それでは始めます!!」
ゴングが鳴り響きトルクが口角をあげる。
「さあ俺の杖にひれ伏せ!浅雨!」
その声にフィッシュは杖を構える。
トルクの杖から水滴が数百個出てきてピストルのような速さでフィッシュを襲う。
「おいおい、なんだよこの速さは。浅雨なんてせいぜい中級魔法だろうが。」
フィッシュ杖から炎属性の魔素を出して水滴のピストルを受ける。
しかしトルクの呪文はその魔素の盾をいとも簡単に貫通してフィッシュに衝突する。
「はははっ、楽しいなぁ。学年トップをいじめるのは。」
トルクは次々と消費魔素の少ない魔法を繰り出すがそれは全てトルクの杖ティエンポによって増強されてフィッシュはそれを苦しみながら受ける。
「お前、せこいなおいっ。攻撃するタイミングがないっ!」
「さあさあどんどん行こうか!浅雨!」
トルクの杖に水属性の魔素が集まってくる。
その時間は僅かだったがフィッシュはここしかないと思った。
「焔雹斬!」
フィッシュは戦いの流れを変えるべくウェルムとずっと練習してきた二つ目の複合魔法を唱えた。
「な、なんだよその魔法!炎と氷が、なんでっ!」
トルクは杖を構えたが唱えるべき魔法が口から出てこず、
そのままぶっ飛ばされた。
トルクは崖に左手をかけてなんとか落ちまいと踏ん張る。
もちろん右手には杖がしっかりと握られている。
「指弾。」
フィッシュは落ち着いてとどめを刺しに行く。
「はははっ!狙い通り!場所交換。」
突然フィッシュが崖でぎりぎり耐えている状況に置かれ、自分の飛ばした指弾に呻く。
「くそっ!」
フィッシュは指を弾かれて崖に落ちていった。
「よっし!」
「今、勝負が決まりました!!!」
観客が騒めく。
「フィ、フィッシュがやられた?」
そのときだった。
崖の底から何かの鳴き声。
「あれフィッシュじゃねーのか?」
ばたばたと翼をはためかせる巨大な炎属性の魔素をまとうワシのような鳥にフィッシュは乗って崖から現れた。
その鳥は闘技場の地面に降り立つなり白い煙に包まれてただの狐のような生物になった。
ポカンと口を開けるトルクと観客にフィッシュは説明する。
「召喚魔法九尾狐だよ。大鷲に化けてもらったんだ。」
トルクがフィッシュを睨みそれにフィッシュが満面の笑みで答える。
「まだ負けるわけには行かない。」
「何粘ってんだよ。滝昇叩!」
トルクの杖にさっきまでとは比べ物にならない量の水属性の魔素が集まり、そして放たれフィッシュを覆うカプセルのようになる。
「その杖がほんと厄介だな。」
トルクがニヤッと笑って指を鳴らすと
フィッシュを覆うカプセル状の膜が伸び縮みして中のフィッシュに打撃的ダメージを与える。
フィッシュはとっさに超硬化を張ったためダメージはだいぶ軽減されたが
それでもフィッシュは痣だらけになる。
「痛ってーな。滝昇叩なんてそんなえぐい魔法じゃねぇだろ。」
「はははっ。魔素はまだまだあるんだ。せっかくだから楽しませてやるよ。」
フィッシュはトルクを睨んで言う。
「いくら魔素があってもお前はその杖がないと何にもできねーんだろ?」
「あ?」
トルクは殺気立った顔でフィッシュを見つめる。
フィッシュが右足を一歩引くとトルクも杖を構える。
だがそれはフィッシュの思う壺だった。
「炎烈!」
「何っ!?」
トルクの杖は安々と飛ばされた。
自分の体に直接攻撃を当ててくると思ったトルクは硬化のタイミングが遅れて杖を飛ばされたのだ。
「くそっ、」
「これでお前は何もできない。」
フィッシュがいやらしく笑みを浮かべる。
トルクが血の気がのぼる頭をかきむしる。
「炎烈!」
「硬化!」
もはやトルクのはった硬化など飛んできた針をサランラップで受け止めるようなものであった。
もちろんトルクは敗北し、フィッシュが決勝に進むこととなった。
「次はアルバート・プラッセ対クロエ・ジュンです!」
プラッセとジュンは2人ゆっくりと入場してきたのだった。
準決勝、先に行われるのはフィッシュとトルクの対決である。
トルクは自分の杖がもしやとんでもないものなのではと昨日の準々決勝で気付かされ昨日少し練習してみるともう魔術師にも引けを取らないほどの魔力だなと自賛したものだった。
「それでは準決勝、グリム・フィッシュ対バスプ・トルクです。」
今日は昨日に比べやけに自信ありげなトルクとフィッシュが闘技場に入場してくる。
「それでは始めます!!」
ゴングが鳴り響きトルクが口角をあげる。
「さあ俺の杖にひれ伏せ!浅雨!」
その声にフィッシュは杖を構える。
トルクの杖から水滴が数百個出てきてピストルのような速さでフィッシュを襲う。
「おいおい、なんだよこの速さは。浅雨なんてせいぜい中級魔法だろうが。」
フィッシュ杖から炎属性の魔素を出して水滴のピストルを受ける。
しかしトルクの呪文はその魔素の盾をいとも簡単に貫通してフィッシュに衝突する。
「はははっ、楽しいなぁ。学年トップをいじめるのは。」
トルクは次々と消費魔素の少ない魔法を繰り出すがそれは全てトルクの杖ティエンポによって増強されてフィッシュはそれを苦しみながら受ける。
「お前、せこいなおいっ。攻撃するタイミングがないっ!」
「さあさあどんどん行こうか!浅雨!」
トルクの杖に水属性の魔素が集まってくる。
その時間は僅かだったがフィッシュはここしかないと思った。
「焔雹斬!」
フィッシュは戦いの流れを変えるべくウェルムとずっと練習してきた二つ目の複合魔法を唱えた。
「な、なんだよその魔法!炎と氷が、なんでっ!」
トルクは杖を構えたが唱えるべき魔法が口から出てこず、
そのままぶっ飛ばされた。
トルクは崖に左手をかけてなんとか落ちまいと踏ん張る。
もちろん右手には杖がしっかりと握られている。
「指弾。」
フィッシュは落ち着いてとどめを刺しに行く。
「はははっ!狙い通り!場所交換。」
突然フィッシュが崖でぎりぎり耐えている状況に置かれ、自分の飛ばした指弾に呻く。
「くそっ!」
フィッシュは指を弾かれて崖に落ちていった。
「よっし!」
「今、勝負が決まりました!!!」
観客が騒めく。
「フィ、フィッシュがやられた?」
そのときだった。
崖の底から何かの鳴き声。
「あれフィッシュじゃねーのか?」
ばたばたと翼をはためかせる巨大な炎属性の魔素をまとうワシのような鳥にフィッシュは乗って崖から現れた。
その鳥は闘技場の地面に降り立つなり白い煙に包まれてただの狐のような生物になった。
ポカンと口を開けるトルクと観客にフィッシュは説明する。
「召喚魔法九尾狐だよ。大鷲に化けてもらったんだ。」
トルクがフィッシュを睨みそれにフィッシュが満面の笑みで答える。
「まだ負けるわけには行かない。」
「何粘ってんだよ。滝昇叩!」
トルクの杖にさっきまでとは比べ物にならない量の水属性の魔素が集まり、そして放たれフィッシュを覆うカプセルのようになる。
「その杖がほんと厄介だな。」
トルクがニヤッと笑って指を鳴らすと
フィッシュを覆うカプセル状の膜が伸び縮みして中のフィッシュに打撃的ダメージを与える。
フィッシュはとっさに超硬化を張ったためダメージはだいぶ軽減されたが
それでもフィッシュは痣だらけになる。
「痛ってーな。滝昇叩なんてそんなえぐい魔法じゃねぇだろ。」
「はははっ。魔素はまだまだあるんだ。せっかくだから楽しませてやるよ。」
フィッシュはトルクを睨んで言う。
「いくら魔素があってもお前はその杖がないと何にもできねーんだろ?」
「あ?」
トルクは殺気立った顔でフィッシュを見つめる。
フィッシュが右足を一歩引くとトルクも杖を構える。
だがそれはフィッシュの思う壺だった。
「炎烈!」
「何っ!?」
トルクの杖は安々と飛ばされた。
自分の体に直接攻撃を当ててくると思ったトルクは硬化のタイミングが遅れて杖を飛ばされたのだ。
「くそっ、」
「これでお前は何もできない。」
フィッシュがいやらしく笑みを浮かべる。
トルクが血の気がのぼる頭をかきむしる。
「炎烈!」
「硬化!」
もはやトルクのはった硬化など飛んできた針をサランラップで受け止めるようなものであった。
もちろんトルクは敗北し、フィッシュが決勝に進むこととなった。
「次はアルバート・プラッセ対クロエ・ジュンです!」
プラッセとジュンは2人ゆっくりと入場してきたのだった。
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