主人公は魔法が使えないのである。

ice cocoア

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海底牢獄チュリマー編

第60話 騎士団の訓練-3-

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スキロスは巨木に飛ばされたフィッシュに向かってまた突進していく。
しかし今度はいつでも発射できるように口を開けたまま突進してきた。

「口開けたままって、あぁほらお前またよだれが、うわっ!!」

フィッシュが横に避けようとするとすぐさま奇声と赤い輪が放たれ気付いた時にはまた飛ばされていた。

「速すぎる。避けられねぇなこりゃ。」
「はははっ。フィッシュ、スキロスの攻撃は音速。おまけに攻撃判定の大きい輪を飛ばしてくる。避けきるのは不可能と言えるだろう。」
「なるほどな。」

フィッシュは炎の守護フレイムジャークを使ってスキロスに近付く。
するとスキロスはまた奇声と共に赤い輪を放った。
しかしその攻撃はフィッシュの防御によって掻き消された。
そしてそのままフィッシュの焔雹斬ヘルフレイムをもろに受けてスキロスはぐったり倒れた。
拍手をしながらリアムが下りてくる。

「素晴らしい。スキロスを単独で倒すとは。もうこんな時間か。一旦あいつらのとこに戻ろうか。また全員で実戦練習をさせるつもりだ。」

プラッセ達のところに戻るとみんな腕立て伏せを続けていた。

「よし、4時間だ。次は実戦練習だ。フィッシュにはもうやってもらったがある魔物と実際に戦ってもらう。」

リアムがまた山の方に歩いて行くと見習い兵のみんなもその後ろを付いてくる。

「これから全員で一体の魔物を討伐してもらう。」

するとタイミングよく林の中からのっそりとスキロスが出てくる。

「だ、団長、こいつ上級魔物スキロスじゃないっすか!?」
「その通り。スキロスだ。ただこいつはフィッシュがさっき単独で討伐した。」

見習い達が驚きを顔に表す。

「上級魔物をたった一人で!?」
「ありえない!」
「黙れ。静かにしろ。制限時間はない。とりあえず全員でこのスキロス一体を討伐しろ。」

そう言ったときにはもうスキロスが兵の一人に突進していた。
突進された兵は大きく突き飛ばされて一本の木にぶつかり、口から血を吐いていた。

「大丈夫かフェリオット!」

次は突き飛ばされた兵に声をかけたその兵に向かって突進してきた。
しかしそれは魔法戦闘兵の一人が放った魔法射撃でスキロスの注意を向けて守られた。
するとスキロスは口を大きく開ける。
それを見たフィッシュが叫ぶ。

「音属性の魔法が来るぞ!防御魔法を!」

それにプラッセがそのスキロスの方に走りながら答える。

「必要ない。“開手”!」

プラッセが手をかざしてそう叫んだ途端スキロスが奇声をあげて赤い輪を飛ばしてきたがプラッセの目の前で掻き消された。
それを見たリアムが笑いながら言う。

「凄い!凄すぎる!“開手”はそんな便利な使用方法があったのか!」

プラッセはそのまま走るのを止めず、スキロスの方に向かっていった。
スキロスはそれに答えるかのように牙を露わにしてプラッセに突進する。
それをプラッセはタイミングよくジャンプしてかわす。
スキロスの真上を回転しながら飛んで行き、
スキロスの背後に回ったプラッセは目の前にあった尻尾を掴んで“振手”をした。
するとスキロスは大きな声をあげて上空に音属性の魔素マナを飛ばして倒れた。

「上級魔物ってこんなもんなのか。弱いな。」

プラッセは手をパンパンと叩きながら言った。

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