聖女様は貧乏性

ぶらっくたいがー

文字の大きさ
8 / 27

第7話 見知らぬ天井

しおりを挟む
気がつくとそこは見知らぬ天井だった。
と、そんな定番ネタはさておき
どうやら案内された寝室のようだ。
逆にさっきまでのが現実逃避をした私の夢だったのかもとも考えたけど。

「わふ」

けるちゃんが膝の上に乗っているので、そんなこともないようだ。
そういえば、時間軸ってどうなってるのかな?
すごした時間と経過した時間が違うような気がするけど。
邪神様だし、たぶん時間も操れるのだろう。

「お目覚めになられましたか、聖女様…
あら、いつの間にお着替えになられたのですか?」

メイド服を着た、40代の女性、おそらく侍女というものだろう。
目の下には少し隈が浮かんでいる。
もしかしたら一睡もしていないのかもしれない。
そういえば、家に帰ったときに着替えたんだけど、
こっちだとどういう扱いになっているんだろう。

「それにこの子犬はいったいどこから…」

ついさっき突然出現したような言い方だった。

「この子はけるちゃんで、私の護衛だから気にしないでいいよ」
「子犬が護衛ですか…」

うん、言いたいことはわかるけど、邪神様が護衛だってつけてくれたんだし。
…護衛でいいんだよね?

「わふぅ!」

けるちゃんもしっぽを振ってるし、喜んでいるようだからそれでいいか。

「ところで、あなたのお名前を教えて欲しいのだけど」
「失礼しました、私はこちらで聖女様の
 お世話をさせていただくことになりました。
 マリーア・トスカルバインと申します。」
「マリーアさんね、よろしくおねがいします。」

私がぺこりと頭を下げて、挨拶をすると

「そんな、私ごときに、聖女様が頭を下げるなど恐れ多く…」

なんかすごく恐縮されているんだけど

「えっと、その、私はまだ何もしていないので、
 そんなにかしこまらないで欲しいのですけど、だめでしょうか?」

「聖女様…わかりました、不肖ですがこのマリーア、
 誠心誠意お使えさせていただきます。なにとぞよろしくお願いします。」

あまり態度が変わってない気がするけど、まあいいか。
というか、どう考えても私のほうが年上の人に対しての態度じゃないよね。

「聖女様、
 朝食をご用意させていただいておりますが、お召し上がりになられますか?」
「もちろん食べる!」

無料で用意されたものを食べないとかありえないよ。

運ばれてきたのは、紅茶にパンと、ベーコンにスープでした。普通だね。
もちろん残さずに頂きました。ご馳走様でした。
紅茶は高級品だなあとは思ったけど、他はそうでもない気がする。
あと、けるちゃんにと牛乳をお願いしたら持ってきてくれた。
けるちゃんは牛乳の入ったコップを器用にもつと
そのままごくごくとおいしそうに飲んでいた。
うん、コップを持ちながら飲んでるの、器用だよね。
食べ終わったら、マリーアさんが声をかけてきた。

「それで、この後、
 国王様との謁見をしていただきたいのですが、大丈夫でしょうか?」
「予定とかはないから大丈夫だよ?」
「いえ、そういうことではなく…
 その様子だと大丈夫そうですね、安心しました。」

そうか、昨日あれだけ泣いて落ち込んでいたから
その心配のほうをされていたのかな?
うん、元の世界に戻れることがわかっているので、もう落ち込んでいません。
それにしても、国王様かあ、どんな人なんだろう。

「それではお召し物を換えさせていただきますね」

なんだろう、すごく嫌な予感がする。

「きつい、きついってこれは」
「我慢してください、聖女様は元がお美しいので、
 その美しさをさらに引き立たせるにはそれ相応の努力が必要になるのです。」
「そんな努力別にいらないから、私は服は楽なほうがいいんだよ」

ドレス、主にコルセット、を着るのにすごく苦労していた。
というか、骨が折れるよこれ…、物理的な意味で。
その後、髪型を整えられ、高そうな宝石のちりばめられた
ネックレス等のアクセサリを付けられ
私の着替えは完了した。
いったい、私が今来ている服で
どれくらいの値段がするのだろうか…万一壊したらどうしよう。
少し考えて、そして私は考えるのをやめた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている

潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

追放された聖女は旅をする

織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。 その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。 国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

処理中です...